『ハーブスイーツを伝える人を育てたいという願い』

2026年09月14日 15:29
日本ハーブスイーツ協会

日本ハーブスイーツ協会では、ハーブスイーツを学ぶ方が増えることを嬉しく思っています。

けれど、私たちが願っているのは、
ただ「作れる人」が増えることだけではありません。
その魅力を、自分なりの言葉で誰かへ伝えられる人が少しずつ増えていくこと。

それも、私たちが大切にしていることのひとつです。

ハーブスイーツを伝えるといっても、必ずしも教室を開いたり、講師になったりする必要はありません。

家族に作ってあげること。

友人へ焼き菓子を渡すこと。

「このハーブ、こんなお菓子にも合うんだよ」と話すこと。

子どもと一緒に台所に立つこと。

そんな小さな場面も、ひとつの「伝える」だと思っています。

誰かが作ったハーブスイーツを食べて、

「いい香りだね」

「これ、何が入っているの?」

と興味を持つ。

そこから初めて、ハーブという植物に目を向ける人もいるかもしれません。

今度はその人が、

自分でも作ってみる。

家族に食べてもらう。

また別の誰かへ渡してみる。

そうやって、ひとつのお菓子から小さな輪が広がっていく。
私たちは、そんな広がり方をとても大切にしています。

ハーブスイーツは、まだ誰もが当たり前に知っているお菓子ではありません。
カモミールやローズマリーを知っていても、

「お菓子に使う」という発想はなかったという方もいます。

だからこそ、

実際に作る人がいること。

食べてもらう人がいること。

そして、

「こんな楽しみ方もありますよ」

と伝える人がいること。

その一つひとつが、ハーブスイーツの世界を育てていくのだと思います。

ただし、私たちは、決まった言葉をそのまま伝える人を育てたいわけではありません。

ハーブの感じ方も、

好きなお菓子も、

暮らしている場所も、

これまで歩いてきた道も、

人それぞれ違います。

だからこそ、学んだことを土台にしながら、その人自身の経験や言葉で伝えてほしいと思っています。

たとえば、
庭でハーブを育てている方なら、

植物を育てる楽しさと一緒に伝えられるかもしれません。

お菓子作りが好きな方なら、
素材の組み合わせや焼き上がりの香りから魅力を伝えられるでしょう。

子育てをしている方なら、
親子で一緒に作る時間の楽しさを伝えることができるかもしれません。

同じハーブスイーツでも、伝える人が違えば、その入口も変わります。

それでいいのです。
むしろ、いろいろな人が、それぞれの暮らしの中から伝えていくからこそ、ハーブスイーツは豊かなものになっていくのだと思います。

そのためには、作り方だけを覚えるだけでは足りないこともあります。

なぜ、このハーブを使うのか。

どんな香りがあるのか。

どのような素材と合わせると心地よいのか。

使いすぎると、どんな印象になるのか。

お菓子としてのおいしさを保ちながら、どう香りを活かすのか。
そうしたことを理解しているからこそ、自分の言葉で説明できるようになります。

誰かに伝えるためには、

「知っていること」

と、

「自分で経験していること」

の両方が大切です。

実際に作ったことがある。

失敗したこともある。

香りが強すぎたこともある。

うまくまとまったときの嬉しさも知っている。

そうした経験がある人の言葉には、自然な温度があります。
私たちは、そんな人を少しずつ育てていきたいと考えています。

もちろん、資格を取得したからといって、すぐに誰かへ教えなければならないわけではありません。

まずは、自分が楽しむ。

何度も作る。

好きな組み合わせを見つける。

暮らしの中で、ハーブスイーツとの時間を重ねていく。

その先で、

「この楽しさを、誰かにも伝えてみたいな」

と思う日が来たなら、そのとき始めればいいのです。
伝えることにも、その人なりのタイミングがあります。
私たちは、急いで講師を増やしたいわけではありません。

ハーブスイーツを好きになり、

学び、

自分なりに楽しみ、

そしていつか、

「誰かにも知ってほしい」

と思える人が育っていくこと。

そのほうが、ずっと自然で、長く続いていくと思っています。

文化は、ひとりの力だけでは残っていきません。
ひとりが大きな声で語り続けることよりも、

いろいろな場所で、

いろいろな人が、

それぞれの言葉で伝えていること。

そのほうが、ずっと強いものになります。

鳥取の台所で作られたハーブスイーツが、別の地域の誰かへ届く。

そこから、また別の台所へ。

あるいは海を越えて、遠くの暮らしの中へ。

そんなふうに、少しずつ広がっていく未来を、私たちは思い描いています。

ハーブスイーツを伝える人とは、
何か特別な肩書きを持った人だけではありません。

「これ、おいしかったよ」

「今度、一緒に作ってみない?」

そんな一言からでも、伝えることは始まります。

そして、その小さな一言が、
誰かにとって新しい世界への入口になることがあります。

作る人から、食べる人へ。

学ぶ人から、次に興味を持つ人へ。

ひとつの香りから、また次の香りへ。
その小さな手渡しが続いていくこと。
そして、いつか私たちの知らない場所でも、誰かが楽しそうにハーブスイーツを作っていること。

そんな未来を願いながら、
日本ハーブスイーツ協会では、ハーブスイーツを伝える人を、ゆっくりと育てていきたいと思っています。


日本ハーブスイーツ協会
白水


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