『学ぶことで、自信は少しずつ育っていきます』

2026年09月11日 15:07
日本ハーブスイーツ協会

何か新しいことを始めるとき、

「自分にできるかな」

と思うことがあります。

ハーブスイーツも同じです。

ハーブの種類が分からない。

どれくらい入れればよいか分からない。

どんなお菓子と合わせればよいのか分からない。

最初は、分からないことがたくさんあります。
だから、不安になるのは自然なことです。
でも、自信がついてから始めなければならないわけではありません。

むしろ、

少し知る。

ひとつ作る。

食べてみる。

また考える。

そんな小さな経験を重ねるうちに、

「前より少し分かる」

という感覚が生まれてきます。

自信は、ある日突然大きくなるものではありません。
学ぶ時間の中で、少しずつ育っていくものです。
今回は、ハーブスイーツを学ぶことと、自信が育っていくことについて、やさしく考えてみたいと思います。

〜最初から自信がある人ばかりではありません〜

初めてハーブをお菓子に使うとき、

「これで合っているのかな」

と思うことがあります。

カモミールはこのくらい?

ローズマリーは細かくしたほうがいい?

焼いたら香りはどうなる?

知らないことがあると、迷います。
でも、最初から何でも分かっている人はいません。

分からないから学ぶ。

学ぶから少し分かる。

その繰り返しです。

〜自信は「できる」という気持ちだけではありません〜

自信というと、

「私はできます」

と言い切れることのように思うかもしれません。
でも、本当はもっと静かなものかもしれません。

「前にも一度作ったから、大丈夫そう」

「これは少量から使えばいい」

「もし強すぎても、次に調整できる」

そんな感覚です。
絶対に失敗しないと思えることではなく、
何かあっても自分で考えられる。

それも、自信のひとつです。

〜知るだけでも、不安は少し小さくなります〜

たとえば、

食用のハーブを選ぶこと。

ドライとフレッシュでは使い方が少し違うこと。

ハーブによって香りの強さが違うこと。

加熱によって香りが変わること。

こうした基本をひとつ知るだけでも、

「何も分からない」

という状態ではなくなります。
知らないものが少しずつ見えるようになる。
それだけでも、不安は小さくなります。

〜一度作ると、知識が経験に変わります〜

本を読んだり、説明を読んだりすることも大切です。
でも、実際に作ってみると、また違ったことが分かります。

カモミールの袋を開ける。

香りを嗅ぐ。

生地へ混ぜる。

オーブンへ入れる。

焼き上がった香りを感じる。

ひと口食べる。

すると、

「ああ、こうなるんだ」

と分かります。
知識が、自分の経験になります。

〜「一度やったことがある」は、小さな自信になります〜

初めてのときは、何をするにも少し緊張します。
でも二回目になると、

「前にもやった」

という記憶があります。

ハーブを量る。

刻む。

生地へ入れる。

焼く。

一度経験しているだけで、手の動きが少し変わります。

三回目。

四回目。

だんだん特別なことではなくなっていきます。

〜成功した経験は、もちろん自信になります〜

思った通りに焼けた。

香りもちょうどよかった。

家族がおいしいと言ってくれた。

自分でも、

「これは好きだな」

と思えた。

そんな経験は、素直に自信になります。

「また作れそう」

と思えるからです。

大きな成功でなくても構いません。
小さな「できた」が積み重なっていきます。

〜思い通りにならなかった経験も、自信につながります〜

少し意外かもしれません。
でも、うまくいかなかった経験も大切です。

ハーブが強すぎた。

香りが弱かった。

組み合わせが少し違った。

そのとき、

「失敗した」

だけで終わらせず、

「次は少し減らしてみよう」

と考える。

そして次に調整する。
すると、

「うまくいかなかったときも、自分で直せる」

という感覚が生まれます。
これも立派な自信です。

〜自信は、失敗しなくなることではありません〜

学んでいけば、失敗がゼロになる。
そういうわけではありません。
経験を積んだ人でも、

思ったより香らない。

焼き上がりが少し違う。

新しい組み合わせが合わない。

そんなことはあります。

でも、違いがあります。
経験が増えると、

「なぜかな」

と考えられるようになります。

そして、

「次はこうしてみよう」

と動けます。

自信とは、失敗しないことよりも、そこから戻れることなのかもしれません。

〜一つのハーブを知るだけでも、見えるものが増えます〜

たとえば、カモミール。

どんな香りなのか。

どんなお菓子に合わせやすいのか。

加熱するとどう感じるのか。

果物と合わせるとどうなるのか。

ひとつずつ知っていきます。

すると、次にりんごを見たとき、

「カモミールと合わせてもよさそう」

と思えるようになります。
知識が増えると、選択肢も見えるようになります。

〜「なぜ」を知ると、自分で判断しやすくなります〜

ただ、

「このレシピではこの量」

と覚えるだけでも作れます。

でも、

なぜ少量なのか。

なぜ細かくするのか。

なぜこの果物と合うのか。

そんな理由を少しずつ知っていくと、別のお菓子にも応用しやすくなります。

誰かの答えをそのまま使うだけではなく、
自分で考えられるようになる。
そこにも、自信が育ちます。

〜比べてみると、自分の好みも分かります〜

学ぶことは、正解を覚えるだけではありません。
自分の好みを知ることでもあります。

ローズマリーは、このくらいが好き。

カモミールはほんのり香るほうが好き。

ミントはチョコレートと合わせたい。

ローズはベリーと一緒が好き。

そんな自分なりの基準が少しずつできます。

「私はこれが好き」

と言えることも、自信のひとつです。

〜自分の基準ができると、迷いが減ります〜

最初は、

「どれが正しいんだろう」

と外に答えを探します。
でも経験が増えると、

「私はこうしたい」

という基準ができてきます。
もちろん、基本的な安全や製菓の理屈は大切です。

その上で、

香りの強さ。

組み合わせ。

甘さ。

食感。

自分なりの好みがあります。
基準があると、必要以上に迷わなくなります。

〜何でも知っている必要はありません〜

学び始めると、

「もっと知らないと」

と思うことがあります。

ハーブの種類。

製菓技術。

組み合わせ。

歴史。

文化。

学べることはたくさんあります。
でも、自信を持つために全部を知る必要はありません。
分からないことがあれば、そのとき調べる。

必要になったら学ぶ。

それで十分です。

〜「分からない」と言えることも、学びのひとつです〜

知識が増えるほど、

「まだ知らないこともある」

と気づくことがあります。
それは、自信がなくなったのではありません。

むしろ、

分かっていること。

分からないこと。

その境目が見えるようになったということです。
分からないものを、分からないままにしておける。

必要なら調べる。

それも、落ち着いた自信です。

〜人と比べると、自信は見えにくくなります〜

自分よりたくさん作っている人。

詳しい人。

きれいなお菓子を作る人。

そういう人を見ると、

「私はまだまだ」

と思うことがあります。

でも、その人にも初めての日がありました。
自分の学びを見るなら、

昨日の自分。

一年前の自分。

最初にハーブを触ったころの自分。

そこから比べるほうが、積み重ねが見えます。

〜小さな変化に気づくことが大切です〜

以前はレシピ通りに入れていただけだった。

今は香りを嗅いでから量を考える。

以前は焼き上がりだけを見ていた。

今は冷めたあとの香りも確かめる。

以前は、

「合うか合わないか」

だけだった。

今は、

「なぜ合うんだろう」

と考える。
こうした変化も、学びの成果です。

〜記録すると、自分の積み重ねが見えます〜

簡単なメモを残しておく方法もあります。

「ローズマリー、少し多かった」

「カモミールとりんご、好み」

「次回は焼き時間を少し短く」

短い言葉で十分です。
しばらくして見返すと、
自分がいろいろ試してきたことが分かります。
記録は、学んできた時間を目で見せてくれます。

〜同じものを繰り返すことも、立派な学びです〜

学ぶというと、

新しいこと。

難しいこと。

次の段階。

そんなイメージがあります。
でも、同じクッキーを何度も焼くことも学びです。

一回目より二回目。

二回目より三回目。

生地の状態。

焼き色。

香り。

少しずつ分かることが増えます。
繰り返すほど、手に残るものがあります。

〜自信が育つと、少しだけ冒険できるようになります〜

カモミールクッキーに慣れた。

次は、りんごを合わせてみようかな。

ローズマリーのスコーンに慣れた。

今度は柑橘を加えてみようかな。

そんな気持ちが出てきます。

大きな挑戦ではありません。
今まで知ったことを土台に、一歩だけ広げる。
学びがあると、その一歩を出しやすくなります。

〜新しいことへ進まない選択もできます〜

自信がついたからといって、
必ず難しいお菓子へ進まなければならないわけではありません。

好きなクッキーを何度も作る。

スコーンを楽しむ。

カモミールだけを深く知る。

それもよいのです。

自信とは、進み続けることではなく、

「自分はこれでよい」

と選べることでもあります。

〜学びには、それぞれの速さがあります〜

一日にたくさん覚える人。

ひとつずつゆっくり進む人。

作りながら覚える人。

本を読んでから試す人。

いろいろです。
早いほうがよいわけではありません。
自分の暮らしの中に残る速さで学ぶことが大切です。

〜休みながらでも、学びはなくなりません〜

しばらく作らない時期があっても大丈夫です。
覚えたことがすべて消えてしまうわけではありません。

また作りたくなったら、戻る。
最初は少し思い出しながら。

でも、

「前にやったことがある」

という経験は残っています。

学びは、毎日続けなければ意味がないものではありません。

〜誰かに教えてもらうことで安心できる人もいます〜

独学が楽しい人もいます。
自分で調べながら進むことが好きな人もいます。

一方で、

分からないところを質問したい。
順番に学びたい。
基本から整理して知りたい。

そんな人もいます。

自分に合うなら、誰かから学ぶこともひとつの方法です。
分からないところをひとつずつ整理すると、安心して進みやすくなることがあります。

〜独学でも、体系的に学んでもいい〜

どちらが正しいということではありません。

本を読む。

作ってみる。

調べる。

それで十分楽しめる人もいます。

一方で、体系的に学ぶことで、

「ああ、こうつながっているんだ」

と理解しやすくなる人もいます。

大切なのは、自分が学びやすい方法を選ぶことです。

〜資格があれば自信が生まれる、とは限りません〜

資格を取得することで、

学んだ範囲が整理される。

ひとつの区切りになる。

人に説明するときの支えになる。

そんなことがあります。
でも、資格そのものが突然自信を与えてくれるわけではありません。

実際に作る。

考える。

試す。

その積み重ねと一緒になって、少しずつ自信になります。
資格も、学びのひとつの形です。

〜自信は「証明するもの」だけではありません〜

誰かに認めてもらう。

賞を取る。

資格を取る。

上手だと言われる。

そうした経験が自信につながることもあります。
でも、自分の中だけで育つ自信もあります。

「このくらいなら作れる」

「好きな香りが分かる」

「次はこうしてみよう」

誰にも見えなくても、十分です。

〜小さな「分かった」が積み重なっていきます〜

ハーブの名前をひとつ覚えた。

食用を選ぶことを知った。

香りの強さが違うと知った。

一度焼いた。

二度目は量を変えた。

好きな組み合わせを見つけた。

ひとつひとつは小さなことです。
でも、その小さな「分かった」が積み重なると、
いつの間にか最初とは違う場所にいます。

〜学ぶほど、肩の力が抜けることもあります〜

最初は、

失敗したらどうしよう。

間違っていたらどうしよう。

と不安だった。
でも、経験が増えると、

「少し違ったら次に直せばいい」

と思えるようになります。

何でも完璧にしなければならない、という力が抜けていきます。
それも学ぶことのよさです。

〜本当の自信は、静かなものかもしれません〜

「私は何でもできます」

という強さだけが自信ではありません。

分からなければ調べる。

失敗したら考える。

疲れたら休む。

またやりたくなったら戻る。

自分の好きなものを選ぶ。

必要なら誰かに聞く。

そうしたことが自然にできる。
そんな静かな感覚も、自信なのだと思います。

〜学びは、自分を急かすためのものではありません〜

もっと知ろう。

もっと上手になろう。

もっと先へ進もう。

学びが、いつの間にか自分を急かすものになることがあります。
でも、本来は逆かもしれません。

知ることで、不安が減る。

経験することで、落ち着く。

分かることで、自分で選べる。

学びは、自分を追い立てるためではなく、安心して歩くためにもあります。

〜今日ひとつ知るだけでもいい〜

ハーブスイーツの世界には、たくさんの学びがあります。
でも、今日すべてを知る必要はありません。

今日はカモミール。

次はローズマリー。

ひとつ焼いてみる。

ひとつ食べてみる。

「これは好きだな」

と感じる。

その小さな経験が、次へつながります。

〜自信は、学んだ時間のあとについてきます〜

最初から、

「自信を持たなければ」

と思わなくても大丈夫です。
自信だけを先に作ることは難しいものです。

でも、

知る。

作る。

味わう。

考える。

また作る。

そんな時間を重ねていると、
ある日、

「前より迷わなくなったな」

と気づくことがあります。

カモミールを手に取る。

香りを確かめる。

今日はこのお菓子にしようと決める。

焼き上がりを食べながら、

「次は少しこうしてみよう」

と思う。

誰かに答えを聞かなくても、自分で一歩を決められる。
それは、学んできた時間が自分の中に残っているからです。

自信は、大きな声で宣言するものではないのかもしれません。

ひとつずつ知り。

ひとつずつ経験し。

気がつけば、

「大丈夫。まずはやってみよう」

と思えるようになっている。
学ぶことで、自信は少しずつ育っていきます。

急がず、自分の歩幅で。
好きな香りを楽しみながら。

その積み重ねそのものを、ハーブスイーツの学びとして楽しんでいただけたらと思います。


日本ハーブスイーツ協会
白水

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