ハーブスイーツに少し興味がある。
でも、
「難しくないかな」
「ハーブのことをよく知らなくても大丈夫?」
「変わった味にならない?」
「材料をたくさんそろえないといけない?」
そんな不安があって、まだ作ったことはない。
そんな方もいらっしゃるかもしれません。
初めて触れるものには、分からないことがあります。
とくにハーブは種類も多く、料理やハーブティーのイメージが強いため、
「本当にお菓子に使えるの?」
と思うこともあるでしょう。
でも、ハーブスイーツを始めるために、最初からたくさんの知識や道具が必要なわけではありません。
食用のハーブをひとつ。
作り慣れたお菓子をひとつ。
まずは、そのくらいから始めることができます。
今回は、ハーブスイーツに興味はあるけれど少し不安という方へ、始める前に知っておきたいことをやさしく整理してみたいと思います。
〜まず、ハーブスイーツは特別なお菓子ではありません〜
「ハーブスイーツ」と聞くと、少し専門的なものに感じるかもしれません。
けれど、基本にあるのは普段のお菓子作りです。
クッキー。
スコーン。
マフィン。
パウンドケーキ。
こうしたお菓子へ、食用のハーブを取り入れます。
つまり、
「まったく知らないお菓子を一から覚える」
というより、
「知っているお菓子に、香りの素材をひとつ加える」
と考えると分かりやすくなります。
〜ハーブのことを全部知らなくても大丈夫です〜
ハーブには、たくさんの種類があります。
カモミール。
ローズマリー。
ミント。
ローズ。
レモングラス。
レモンバーム。
タイム。
エルダーフラワー。
調べ始めると、
「これを全部覚えるの?」
と思うかもしれません。
でも、最初から全部を知る必要はありません。
まずは一種類。
その香りを知る。
一度お菓子に使ってみる。
そこから少しずつ広げていけば十分です。
〜一番大切なのは、食用のハーブを選ぶこと〜
始める前に覚えておきたい大切なことがあります。
それは、
「食品として使えるハーブを選ぶこと」
です。
植物だから何でも食べられるわけではありません。
観賞用として販売されているもの。
農薬などの使用状況が分からないもの。
食品としての安全性を確認できないもの。
こうした植物を、そのままお菓子へ使うことは避けます。
初めてなら、食用として販売されているハーブを選ぶと分かりやすいでしょう。
〜最初からフレッシュハーブを育てなくても大丈夫です〜
ハーブスイーツというと、
庭でハーブを育てて。
摘みたてを使って。
そんな暮らしを想像するかもしれません。
もちろん、それも楽しいものです。
でも、最初から育てる必要はありません。
食用のドライハーブを使えば、気軽に始められます。
栽培とお菓子作りを同時に始める必要はないのです。
まずは使ってみる。
気に入ったら、いつか育ててみる。
そのくらいでも十分です。
〜特別な道具も、たくさんはいりません〜
ハーブスイーツ専用のオーブン。
特別なボウル。
専門的な器具。
そうしたものが必要なわけではありません。
普段のお菓子作りに使う道具があれば、作れるものはたくさんあります。
ハーブを細かくするときには、包丁やキッチンばさみ。
必要に応じてミル。
それくらいです。
新しいことを始めるからといって、道具から大量にそろえなくても大丈夫です。
〜初めてなら「一種類のハーブ」から〜
最初のお菓子で、
カモミール。
ローズ。
ミント。
ローズマリー。
全部を合わせる必要はありません。
むしろ、一種類のほうが分かりやすいものです。
たとえば、
カモミールのクッキー。
ローズマリーのスコーン。
ミントとチョコレートの焼き菓子。
ひとつのハーブなら、
「この香りなんだ」
ということが分かります。
最初はシンプルに。
これがいちばん気軽です。
〜作り慣れたお菓子を選ぶと安心です〜
初めてのハーブ。
初めてのレシピ。
初めての製法。
全部が初めてだと、分からないことが増えてしまいます。
そこで、普段作っているお菓子があるなら、それを使います。
いつものクッキー。
いつものスコーン。
いつものマフィン。
そこへ少量のハーブを加える。
生地そのものを知っているため、ハーブによる違いが見えやすくなります。
〜お菓子作り自体が初めてでも、簡単な焼き菓子から〜
もちろん、
「そもそもお菓子作りもあまり経験がない」
という方もいるでしょう。
その場合も、難しいものから始める必要はありません。
材料が比較的シンプルなクッキー。
スコーン。
マフィン。
基本的な焼き菓子から始めてみます。
まずは一度焼いてみる。
そこからで大丈夫です。
〜ハーブは、最初からたくさん入れない〜
初心者の方が不安に感じやすいのが、
「どれくらい入れればいいの?」
ということです。
ハーブによって香りの強さは違います。
そのため、すべてに共通するひとつの量があるわけではありません。
最初は控えめにします。
少し入れる。
焼く。
食べる。
もう少し香ってもよさそうなら、次に少し増やす。
この方法なら、無理なく自分の好みに近づけていけます。
〜「ハーブの香りが強いお菓子」を目指さなくてもいい〜
ハーブスイーツという名前を見ると、
「食べた瞬間にハーブが分かるくらい、しっかり香らせないと」
と思うかもしれません。
でも、そうではありません。
バターの香り。
小麦の香ばしさ。
果物の甘さ。
そのあとに、
ふっとハーブ。
そのくらいでも十分です。
ハーブを使うことと、ハーブを強く主張させることは別です。
〜苦くなったり青臭くなったりしない?〜
ハーブによっては、苦味や青々しい風味があります。
量が多すぎれば、それが目立つこともあります。
でも、適量を使い、ほかの材料と合わせることで、自然なお菓子として楽しむことができます。
カモミールとりんご。
ローズマリーと柑橘。
ミントとチョコレート。
ローズとベリー。
知っている味と合わせると、初めてでも取り入れやすくなります。
〜ハーブティーが苦手でも、お菓子なら違うことがあります〜
「ハーブティーがあまり得意ではないから、ハーブスイーツも無理かも」
と思う方もいるでしょう。
でも、必ずしも同じではありません。
ハーブティーでは、ハーブの香りを飲み物として直接感じます。
お菓子では、
バター。
砂糖。
果物。
チョコレート。
小麦。
などと一緒になります。
そのため、同じハーブでも印象が変わります。
ハーブティーは苦手でも、お菓子なら好きということもあります。
〜普通のお菓子より健康的、とは決めつけない〜
ハーブという言葉には、
自然。
植物。
健康的。
そんなイメージがあります。
でも、
「ハーブが入っているから普通のお菓子より必ず健康的」
と考える必要はありません。
ハーブスイーツも、まずはお菓子です。
砂糖やバター、チョコレートを使うこともあります。
ハーブを健康食品のように考えるのではなく、
香りや味を楽しむ素材として考えると分かりやすいでしょう。
〜ハーブを使ったから何かが治る、というものでもありません〜
ハーブには長い利用の歴史があります。
けれど、ハーブスイーツは病気や不調を治すためのお菓子ではありません。
「このハーブを食べれば、これに効く」
という目的でお菓子を作るのではなく、
香りがおいしい。
果物とよく合う。
季節に似合う。
そんなところから楽しみます。
健康に関することと、お菓子として楽しむことは分けて考えることが大切です。
〜ドライとフレッシュは同じ感覚で使わない〜
始める前にもうひとつ知っておくとよいのが、ドライとフレッシュの違いです。
フレッシュハーブには水分があり、青々しい香りがあります。
ドライハーブは水分が少なく、香りが凝縮して感じられることがあります。
そのため、
「フレッシュでこのくらいだったから、ドライも同じ量」
とは限りません。
レシピを参考にするときには、ドライなのかフレッシュなのかも確認します。
〜焼く前と焼いたあとでは香りが変わります〜
生地へハーブを入れたとき、
「かなり香るな」
と思うことがあります。
でも、焼くと香りが穏やかになることがあります。
反対に、バターや果物と重なることで、焼いたあとにちょうどよく感じられることもあります。
そのため、焼く前だけで判断しないことが大切です。
まずは一度焼いてみます。
〜焼きたてと冷めたあとも比べてみる〜
オーブンから出したばかりのお菓子。
まだ温かいうちは、香りが立ちやすく感じられることがあります。
冷めると、少し落ち着く。
翌日には、生地となじむ。
そんな変化があります。
初めて作ったら、
焼きたて。
冷めたあと。
両方を食べてみてください。
一度のお菓子から、いろいろなことが分かります。
〜最初から自分だけのレシピを作らなくてもいい〜
ハーブスイーツに興味を持つと、
「自分で組み合わせを考えたい」
と思うこともあります。
でも、最初からオリジナルを作る必要はありません。
まずは基本的な組み合わせを試す。
一度作る。
どんな香りになるか知る。
そのあと、
「次は少し変えてみようかな」
で十分です。
基準がひとつあると、アレンジもしやすくなります。
〜一回で成功させなくても大丈夫です〜
少し香りが弱かった。
思ったより強かった。
果物とのバランスがもうひとつだった。
初めてなら、そんなこともあります。
でも、それは、
「ハーブスイーツに向いていない」
という意味ではありません。
次に少し変えてみればよいだけです。
一回目は、答えを出すためではなく、知るための一回。
そう考えると気楽になります。
〜小さく試すと、不安も小さくなります〜
最初から大量に作らなくても構いません。
いつもの生地を二つに分ける。
半分だけハーブを入れる。
数枚だけハーブクッキーにする。
そんな方法もあります。
プレーンと食べ比べれば、違いも分かりやすくなります。
「もし好みに合わなかったら」
という不安も小さくできます。
好きな香りから始めていい
最初のハーブは、
「初心者なら絶対これ」
と決めなくてもよいと思います。
カモミールの香りが好き。
ローズマリーが好き。
ミントが好き。
ローズが好き。
まず、自分が心地よいと思うものから。
興味があるという気持ちは、よい入口になります。
〜好きなお菓子から始めてもいい〜
ハーブではなく、お菓子から考える方法もあります。
クッキーが好き。
スコーンが好き。
チョコレートが好き。
りんごのお菓子が好き。
そこに合いそうなハーブをひとつ加える。
好きなものが土台にあると、初めての香りにも入りやすくなります。
〜すべてのハーブを好きになる必要はありません〜
試してみたら、
ローズは少し苦手。
でもカモミールは好き。
ミントはチョコレートとなら好き。
そんなこともあります。
それでよいのです。
ハーブスイーツを楽しむために、すべてのハーブを好きになる必要はありません。
自分に合うものを選びます。
一度作って、そこで終わっても大丈夫です
興味があったから、一度作ってみた。
楽しかった。
でも、毎週作るほどではなかった。
それでも十分です。
新しいものを知った。
ひとつ経験が増えた。
必ず趣味にしなければならないわけでもありません。
〜気に入ったら、同じものをまた作ればいい〜
反対に、
「これ、おいしい」
と思ったら、また同じものを作ってみます。
新しいハーブへ進まなくても構いません。
同じカモミールクッキー。
同じローズマリースコーン。
何度か作る。
すると、少しずつ量や焼き上がりの感覚が分かってきます。
繰り返すことも、大切な楽しみ方です。
〜学びたくなったら、そのとき学べばいい〜
一度作ってみる。
もっとハーブのことを知りたくなる。
組み合わせを知りたい。
香りの扱い方を知りたい。
そんな気持ちが出てきたら、そのとき少し深く学ぶこともできます。
最初から全部勉強してから始める必要はありません。
作ることから入る人。
知ることから入る人。
どちらでも構いません。
〜始める前に、完璧に準備しなくても大丈夫です〜
ハーブスイーツを始める前に必要なのは、
何十種類ものハーブでも。
特別な道具でも。
豊富な専門知識でもありません。
食用のハーブを選ぶ。
少量から使う。
作りやすいお菓子を選ぶ。
焼いて、食べてみる。
まずはそれで十分です。
〜不安があるからこそ、小さく始めてみる〜
新しいことには、不安があります。
それは自然なことです。
分からないから、不安になる。
でも、すべて分かってから始めようとすると、なかなか最初の一回へ進めないこともあります。
だから、
カモミールを少し。
ローズマリーを少し。
ミントを少し。
いつものお菓子にひとつだけ。
小さく試してみる。
焼き上がったら、まだ温かいうちにひと口。
「あ、こんな感じなんだ」
それが最初の答えになります。
好きだったら、また作る。
少し違ったら、次は調整する。
合わなければ、無理に続けなくてもいい。
ハーブスイーツは、最初から何かを決めるためのものではありません。
ひとつ香りを知る。
ひとつお菓子を作る。
そこから、
「もう少し知りたいな」
と思ったら、次へ進む。
興味はあるけれど、まだ少し不安。
そんな今の段階でも大丈夫です。
まずは好きなお菓子と、気になるハーブをひとつずつ。
そのくらいの小さな入口から、ハーブスイーツの世界をのぞいてみてください。
日本ハーブスイーツ協会
白水
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