『日本のお菓子文化とハーブスイーツは相性がいいの?やさしく考えます』

2026年09月11日 01:12
日本ハーブスイーツ協会

ハーブスイーツと聞くと、

「どこか西洋のお菓子という感じがする」

と思う方もいらっしゃるかもしれません。

ローズマリー。

カモミール。

ミント。

ローズ。

こうしたハーブの名前から、ヨーロッパの庭やティータイムを思い浮かべることもあります。
では、日本のお菓子文化とハーブスイーツは、あまり関係がないのでしょうか。

実は、そうとも限りません。

日本のお菓子には、

季節を感じる。

素材の持ち味を活かす。

香りを大切にする。

強くしすぎず、余韻を楽しむ。

そんな感覚があります。
もちろん、日本のお菓子文化にもさまざまな歴史や地域性があり、ひとことでまとめることはできません。

それでも、ハーブスイーツを楽しむときに重なるところは意外とたくさんあります。
今回は、日本のお菓子文化とハーブスイーツの相性について、やさしく考えてみたいと思います。

〜日本のお菓子には、季節を感じる楽しみがあります〜

日本のお菓子を思い浮かべると、季節とのつながりを感じるものがたくさんあります。

春。

夏。

秋。

冬。

季節によって使われる素材が変わったり、色や形が変わったりします。

春なら桜。

夏なら涼しげな見た目。

秋なら栗や芋。

冬なら柚子や小豆を使ったお菓子。

その季節だからこそ食べたくなるものがあります。
お菓子が、季節を感じる小さなきっかけになっています。

〜ハーブスイーツにも、季節があります〜

ハーブスイーツも、季節と一緒に楽しむことができます。

春にはカモミール。

初夏にはミントやレモンバーム。

秋にはローズマリーと果物。

冬にはドライハーブとチョコレート。

庭で育てているなら、

新芽が出た。

花が咲いた。

葉が元気になった。

そんな植物の変化そのものがお菓子作りのきっかけになります。

「今の季節に何を使おう」

と考えるところは、日本のお菓子文化ともよく似ています。

〜素材を活かすという考え方も共通しています〜

日本のお菓子には、素材そのものの味を大切にするものがあります。

小豆。

米。

栗。

芋。

胡麻。

抹茶。

柚子。

素材が何なのか分からなくなるほど重ねるのではなく、そのよさを感じられる形にする。

そんな考え方があります。
ハーブスイーツでも同じです。

カモミールならカモミールらしく。

ローズマリーならローズマリーらしく。

ミントなら爽やかに。

ハーブの香りを無理に強くするのではなく、

「この素材のよさは、どこにあるだろう」

と考えます。

〜香りを楽しむ文化というところでも重なります〜

日本のお菓子には、香りを大切にするものがあります。

抹茶の香り。

柚子の香り。

胡麻の香ばしさ。

桜の葉を思わせる香り。

きなこの香ばしさ。

食べた瞬間の味だけではなく、鼻へ抜ける香りもおいしさの一部です。

これは、ハーブスイーツにもよく似ています。

カモミール。

ローズマリー。

ミント。

ローズ。

どれも、味だけではなく香りを楽しむ素材です。

〜ハーブは「香りの素材」として考えると身近になります〜

ハーブという言葉だけを見ると、

「少し特別なもの」

に感じることがあります。

けれど、

「お菓子に香りを加える素材」

と考えると、ずっと身近になります。

柚子の皮を少し使う。

抹茶を生地へ加える。

胡麻を香ばしく焼く。

そこへ、

カモミールを少し。

ローズマリーを少し。

ミントを少し。

そう考えると、まったく違う世界というより、香りの選択肢がひとつ増えたように感じられます。

〜日本には、植物の香りを食べる文化もあります〜

日本の食文化では、植物の香りを楽しむ場面があります。

紫蘇。

木の芽。

柚子。

生姜。

山椒。

桜の葉。

よもぎ。

料理だけでなく、お菓子にも使われるものがあります。

たとえば、よもぎ餅。

桜餅。

柚子を使った菓子。

植物の香りを食べ物へ取り入れること自体は、日本でも決して珍しいものではありません。
そう考えると、ハーブスイーツも遠い存在ではありません。

〜よもぎ餅も、香りを楽しむお菓子です〜

よもぎ餅を食べたとき。

餅の食感。

餡の甘さ。

そこによもぎの独特の香りがあります。
もし、よもぎの香りがまったくなければ、同じ印象にはならないでしょう。
つまり、昔から親しまれている日本のお菓子の中にも、

「植物の香りがお菓子の個性になる」

ものがあります。
そういう意味では、ハーブスイーツの考え方と重なるところがあります。

〜桜の香りにも、似たところがあります〜

春になると、桜を使ったお菓子を見かけます。

桜餅。

桜の焼き菓子。

桜を使ったクリーム。

見た目の春らしさだけでなく、香りも大切です。

強く香らせすぎると重くなる。

ほんのり香ると、季節を感じる。

この「ほんのり」の感覚は、ハーブスイーツにもよく似ています。

〜柚子とハーブにも共通するところがあります〜

柚子も、日本のお菓子でよく使われる香りの素材です。
皮を少し使うだけでも、ふわっと香ります。

たくさん使わなくても存在が分かる。

これは、ハーブにも似ています。

ローズマリー。

ミント。

レモンバーム。

香りの強いものなら、少量でも十分です。

「素材をたくさん入れる」より、

「香りが心地よく残るところを探す」。

そんな使い方があります。

〜抹茶のお菓子にも、少し似た考え方があります〜

抹茶は、色も味も香りもはっきりした素材です。

少なすぎれば存在が分かりにくい。

多すぎれば苦味が強くなる。

砂糖や乳製品とのバランスも大切です。

ハーブも同じように、

少なすぎる。

強すぎる。

ちょうどよい。

という幅があります。

素材そのものの個性を知りながら、量を調整していく。
そこにも共通する感覚があります。

〜「足しすぎない」という考え方も相性がよい〜

日本のお菓子には、素材をたくさん重ねなくても成立するものがあります。

餡。

餅。

栗。

抹茶。

それぞれをすっきり見せる。
もちろん、華やかなお菓子もあります。

けれど、

「必要なものだけで整える」

という美しさもあります。

ハーブスイーツでも、ハーブを何種類も入れる必要はありません。

ひとつのお菓子。

ひとつのハーブ。

そのくらいでも十分です。

〜ハーブの香りは、余白があるほど見えやすくなります〜

材料がたくさん入っていると、ハーブの香りが見えにくくなることがあります。

チョコレート。

果物。

ナッツ。

スパイス。

いろいろ入れると、それぞれが主張します。

反対に、

シンプルなクッキーにカモミール。

プレーンなスコーンにローズマリー。

そんな組み合わせなら、ハーブの香りが分かりやすくなります。
何かを足すだけではなく、余白を残す。
その感覚は、日本のお菓子の美意識ともよくなじみます。

〜小さなお菓子を、少しずつ味わう楽しみ〜

日本のお菓子には、小さなものもたくさんあります。

一口サイズ。

小ぶりな饅頭。

小さな羊羹。

茶席のお菓子。

たくさん食べることより、少量を丁寧に味わうものがあります。
ハーブスイーツにも、この楽しみ方はよく合います。

小さなクッキーを一枚。

スコーンをひとつ。

香りを確かめながら、ゆっくり食べる。
ハーブは香りがあるからこそ、少量でも満足感を感じることがあります。

〜お茶と一緒に楽しむというところも似ています〜

日本のお菓子には、お茶があります。

煎茶。

ほうじ茶。

抹茶。

番茶。

お菓子とお茶を交互に楽しむ。
一方、ハーブスイーツも飲み物とよく合います。

紅茶。

コーヒー。

ハーブティー。

日本茶。

組み合わせは自由です。

ローズマリーのスコーンとほうじ茶。

カモミールのクッキーと煎茶。

そんな組み合わせも考えられます。

〜日本茶とハーブスイーツを合わせてもいい〜

「ハーブスイーツにはハーブティー」

と思う必要はありません。

日本茶と合わせることもできます。

ほうじ茶の香ばしさと、ローズマリーの焼き菓子。

緑茶のすっきりした味と、柑橘系ハーブのクッキー。

抹茶とローズ。

試してみれば、新しい組み合わせが見つかるかもしれません。
文化を分けるのではなく、重ねて楽しむこともできます。

〜和素材とハーブを合わせることもできます〜

ハーブスイーツは、西洋の材料だけで作るものではありません。
たとえば、

抹茶。

黒ごま。

きなこ。

小豆。

柚子。

ほうじ茶。

こうした和の素材とハーブを合わせることも考えられます。

もちろん、何でも合わせればよいわけではありません。
香りの方向を見ながら、少しずつ試します。

いつもの素材に、新しい香りをひとつ。
そこから新しいお菓子が生まれることがあります。

〜抹茶とハーブなら、香りの重なりを考える〜

抹茶には、はっきりとした香りや苦味があります。
そこへさらにハーブを加える場合には、両方を強くしすぎないことが大切です。

どちらを主役にするのか。

どちらを余韻にするのか。

考えてみます。

抹茶が主役なら、ハーブはほんの少し。

ハーブを見せたいなら、抹茶は穏やかに。

違う文化の素材を合わせるときほど、引き算が役立ちます。

〜柚子は、ハーブとの橋渡しをしてくれる素材かもしれません〜

柚子の香りは、日本ではとても親しまれています。

爽やかで、少量でも分かりやすい。

そのため、レモン系のハーブやローズマリーなどと合わせても、香りの世界を想像しやすいでしょう。

知っている柚子の香り。

そこへ少し新しいハーブ。

初めてのハーブスイーツにも入りやすい組み合わせになります。

〜小豆の甘さに、香りを添える考え方もあります〜

小豆には、やさしい甘さと豆の風味があります。
そこへハーブを合わせるなら、強く主張させるより、香りをそっと添えるように考えることもできます。

「小豆とハーブなんて合うの?」

と最初は思うかもしれません。

でも、新しい組み合わせというものは、そんな疑問から始まります。
少量ずつ試してみることで、思いがけない相性が見つかることもあります。

〜和菓子だけでなく、日本の洋菓子文化とも相性があります〜

日本のお菓子文化というと、和菓子だけではありません。
日本では、洋菓子も長く親しまれています。

ショートケーキ。

シュークリーム。

プリン。

クッキー。

パウンドケーキ。

焼き菓子。

こうしたお菓子も、日本の暮らしの中へすっかりなじんでいます。
そこへハーブを加えることは、それほど不自然なことではありません。

日本の洋菓子は、季節の素材を取り入れるのが得意です
日本の洋菓子店では、季節によって商品が変わります。

春はいちご。

夏は桃や柑橘。

秋は栗や芋、りんご。

冬はチョコレート。

そこへハーブの香りを合わせる。

いちごとローズ。

りんごとカモミール。

柑橘とローズマリー。

季節の洋菓子文化とハーブは、自然につなげることができます。

〜日本らしくする必要はありません〜

反対に、

「日本のお菓子文化と合わせるなら、必ず和素材を使わなければ」

と考える必要もありません。

普通のスコーンにローズマリー。

クッキーにカモミール。

マフィンにミント。

それで十分です。

日本で暮らす私たちが、季節や暮らしの中で楽しめば、それも自然なハーブスイーツのあり方です。

〜無理に融合させなくてもいい〜

文化を組み合わせるとき、

「新しいものを作らなければ」

と考えすぎることがあります。

でも、無理に和洋折衷にする必要はありません。

今日は和菓子。

明日はハーブスイーツ。

ある日は、ほうじ茶とローズマリーのスコーン。

それくらい自由でよいのです。

文化は、境界線を守るだけでなく、暮らしの中で自然に出会うこともあります。

〜日本のお菓子文化にある「余韻」とハーブはよく似合います〜

ハーブスイーツでは、

食べた瞬間に強く主張することだけを目指しません。

噛んでいると香る。

飲み込んだあとに残る。

お茶を飲んだとき、もう一度香りを思い出す。

そんな余韻があります。

日本のお菓子にも、強い刺激より、食べ終えたあとまで静かに残る味わいを楽しむものがあります。
その感覚と、ハーブの繊細な香りは相性がよいように思います。

〜季節、香り、余白という三つの共通点〜

日本のお菓子文化とハーブスイーツ。

違う背景を持ちながらも、重なるところがあります。

季節を感じる。

香りを楽しむ。

素材を活かす。

そして、足しすぎず余白を残す。

このあたりに、二つが自然につながる場所があります。

〜相性がいいかどうかは、作り方次第でもあります〜

もちろん、

「日本の素材とハーブなら、何を組み合わせても合う」

というわけではありません。

香りが強すぎる。

素材同士がぶつかる。

甘さとのバランスが合わない。

そんなこともあります。

大切なのは、

少量から試す。

ひとつずつ組み合わせる。

食べて確かめる。

いつものハーブスイーツと同じです。

〜日本のお菓子文化とハーブスイーツは、意外と近いところにあります〜

日本のお菓子文化とハーブスイーツ。
最初は、少し遠い世界に見えるかもしれません。

けれど、

桜の香りを楽しむ。

よもぎを餅へ入れる。

柚子を少し使う。

抹茶の香りや苦味を甘さと合わせる。

季節の果物をお菓子へ取り入れる。

こうした日本のお菓子の楽しみ方を見ていくと、

「植物の香りを、お菓子の中で楽しむ」

ということ自体は、決して馴染みのない考え方ではありません。

そこへ、

カモミール。

ローズマリー。

ミント。

ローズ。

レモンバーム。

新しい香りの選択肢を少し加えてみる。
日本らしくしようと力を入れすぎる必要もありません。

いつものお菓子。

いつものお茶の時間。

季節の果物。

そこにひとつ、ハーブの香り。

そのくらいから始めれば十分です。

違う文化から生まれたものでも、暮らしの中へ入ると少しずつ自分たちの楽しみ方が生まれていきます。

季節を感じながら。

素材を大切にしながら。

香りを強くしすぎず、余韻を楽しむ。

そんな日本のお菓子文化の感覚と、ハーブスイーツは、思っている以上に相性がよいのかもしれません。


日本ハーブスイーツ協会
白水

■あわせて読みたい
ハーブをお菓子に使うには?について、やさしくお伝えしています

https://www.herbsweets-japan.com/blog/190047/

一一一一一一一一一一一
あなたの普段の日常に、穏やかなハーブの香りと学びを。
ご自宅で気軽に楽しむ初級講座から、資格取得を目指す講座まで。講座の内容や、それぞれの学び方は、『ハーブスイーツマイスター講座のご案内』にてご覧いただけます。

https://www.herbsweets-japan.com/

他の記事もお読みになりたい方へ。私たち日本ハーブスイーツ協会の活動や、私たちがハーブスイーツを好きになったきっかけなどをまとめています。
https://www.herbsweets-japan.com/blog/cate/15677/

記事一覧を見る