『ハーブをお菓子に使うには?初心者向けに基本手順をやさしく解説』

2026年09月03日 00:36
日本ハーブスイーツ協会

「ハーブをお菓子に使ってみたいけれど、どうやって入れたらいいの?」

ハーブスイーツに興味を持ったとき、最初に迷いやすいのが、この部分ではないでしょうか。

ハーブティーなら、お湯を注いで飲むことができます。

けれど、お菓子となると、

「そのまま生地に入れるの?」
「細かく刻んだほうがいい?」
「どのくらい入れればいい?」
「どんなお菓子と合わせればいい?」

と、いろいろな疑問が出てきます。

でも、基本的な考え方を知ってしまえば、それほど難しいものではありません。

今回は、これからハーブスイーツを作ってみたい方に向けて、ハーブをお菓子に使うときの基本的な手順を、やさしくご紹介します。

〜まずは「食用として使えるハーブ」を選びましょう〜

最初に大切なのは、お菓子に使うハーブが食用として扱われているものかどうかを確認することです。

同じ名前の植物であっても、観賞用として販売されているものが、必ずしも食用に適しているとは限りません。

市販のドライハーブなら、ハーブティーや食品用として販売されているものを選ぶ。

フレッシュハーブなら、食用として栽培・販売されているものや、ご家庭で食用として育てているものを使う。

まずは、ここから始めましょう。

お菓子作りに慣れていないうちは、カモミール、ローズマリー、ミント、レモンバーム、レモンタイム、レモングラスなど、比較的身近なハーブから試してみるのもよいと思います。

①どんな香りのお菓子にしたいかを考える

ハーブを使う前に、まず考えたいのが、

「このお菓子を、どんな香りにしたいだろう?」

ということです。

ハーブは、たくさん入れればおいしくなるものではありません。

ほんの少し香るだけでも、お菓子全体の印象は変わります。

たとえばカモミールなら、りんごや蜂蜜を思わせるような穏やかな香り。

ローズマリーなら、きりっとした青々しい香り。

ミントなら、すっと抜けるような爽やかさ。

まずはハーブそのものの香りを確かめてから、お菓子の完成形を思い浮かべてみます。

このひと手間だけでも、組み合わせを考えやすくなります。

②ドライかフレッシュかを決める

ハーブには、大きく分けてドライハーブとフレッシュハーブがあります。

どちらが正解ということではありません。

作りたいお菓子や、出したい香りによって使い分けます。

ドライハーブは水分が少なく、香りが凝縮されています。

細かくして生地へ混ぜ込んだり、牛乳や生クリームなどに香りを移したりする方法があります。

一方、フレッシュハーブは、摘みたてならではの青々しさや瑞々しい香りが魅力です。

葉を細かく刻んで生地へ混ぜ込んだり、飾りとして使ったりすることもできます。

同じハーブでも、ドライとフレッシュでは香りの印象が変わります。

それも、ハーブスイーツのおもしろいところです。

③最初は少量から使ってみる

初心者の方に、特におすすめしたいのが、

「最初からたくさん入れない」

ということです。

ハーブは香りを楽しむ素材です。

けれど香りが強く出すぎると、お菓子そのものの味が隠れてしまうことがあります。

とくにローズマリーやミントなど、香りのはっきりしたハーブは少量でも存在感があります。

「もう少し香ってもいいかな」

と思うくらいから始めてみる。

そして、一度焼いて食べてみて、次回少しずつ調整していく。

この方法が、遠回りに見えて実はいちばん失敗しにくいと思います。

④ハーブを細かくして生地に混ぜる

もっとも取り入れやすい方法のひとつが、ハーブを細かくして生地へ混ぜ込む方法です。

ドライハーブなら、必要に応じて指ですりつぶしたり、ミルなどで細かくします。

フレッシュハーブなら、きれいに洗って水気をしっかり取り、包丁で細かく刻みます。

そして、クッキーやスコーン、マフィン、パウンドケーキなどの生地へ加えます。

細かくすることで生地全体へ散らばりやすくなり、ひと口ごとの香りもまとまりやすくなります。

初めてなら、普段作り慣れている焼き菓子の生地に少量加えてみるところから始めるとよいでしょう。

⑤液体に香りを移す方法もあります

ハーブそのものを生地へ入れず、牛乳や生クリームなどへ香りを移す方法もあります。

たとえば、温めた牛乳にハーブを加えてしばらく置き、香りが移ったら漉す。

その牛乳を使ってプリンやクリーム、焼き菓子を作る、といった方法です。

茶葉を抽出するような感覚に近いですね。

ハーブの葉そのものをお菓子に残したくないときや、香りをやわらかく全体へ広げたいときに使いやすい方法です。

ハーブスイーツでは、「混ぜ込む」だけではなく、「香りを移す」という考え方も覚えておくと、作れるお菓子の幅がぐっと広がります。

⑥果物やチョコレートなどと組み合わせてみる

ハーブだけで味を完成させようとしなくても大丈夫です。

むしろ、身近な素材と組み合わせることで、ハーブの魅力が分かりやすくなることがあります。

たとえば、

カモミールとりんご。

ミントとチョコレート。

ローズマリーと柑橘。

レモンバームとレモン。

レモンタイムと果物。

こうした組み合わせから試してみるのも楽しいものです。

「この香りと、この素材を合わせたらどうなるだろう?」

そんなふうに考える時間も、ハーブスイーツ作りの楽しみのひとつです。

⑦焼く前と焼いた後の香りの違いを確かめる

ハーブの香りは、加熱すると変化します。

生の状態では強く感じた香りが、焼くことで穏やかになることもあります。

反対に、生地やバター、果物などと組み合わさることで、新しい香りとして感じられることもあります。

ですから、材料を混ぜたときの香りだけで判断せず、実際に焼いて、食べて確かめてみることが大切です。

焼き上がったお菓子をひと口食べながら、

「もう少しハーブを減らそうかな」

「今度はオレンジを合わせてみよう」

「このくらいの香りが好きだな」

そんなふうに少しずつ自分好みに近づけていけば十分です。

最初から完璧なレシピを作らなくても大丈夫です

ハーブスイーツというと、特別な知識や難しい技術が必要なように感じるかもしれません。

けれど最初の一歩は、とてもシンプルです。

食用のハーブを選ぶ。

香りを確かめる。

少量から使う。

生地に混ぜたり、液体に香りを移したりする。

そして、焼いて食べてみる。

まずは、それで十分です。

いつものクッキーに、ほんの少しカモミールを。

いつものスコーンに、刻んだローズマリーを。

いつものマフィンに、庭で摘んだミントを。

そうやって、普段のお菓子作りの中へ少しずつハーブを迎えていくと、いつもの台所にも新しい香りが生まれます。

「次は何を合わせてみようかな」

そんな小さな好奇心が出てきたら、もうハーブスイーツの楽しみは始まっています。

難しく考えすぎず、まずは一種類のハーブから。

香りを確かめながら、自分の好きな組み合わせをゆっくり見つけてみてください。


日本ハーブスイーツ協会
白水

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