「ハーブスイーツとナチュラルスイーツって、同じものですか?」
そんな疑問を持つ方もいらっしゃるかもしれません。
どちらも、
自然。
植物。
やさしいお菓子。
そんな印象のある言葉です。
実際、ハーブスイーツとナチュラルスイーツには重なる部分もあります。けれど、まったく同じ意味ではありません。
簡単にいうと、ハーブスイーツは「ハーブをお菓子に取り入れること」に軸があります。
一方、ナチュラルスイーツという言葉は、一般的には材料の選び方や作り方に、自然志向の考え方を取り入れたお菓子を表すときに使われることが多いものです。
今回は、この二つの違いについて、難しく考えすぎず、やさしく整理してみたいと思います。
〜ハーブスイーツは「ハーブを使ったお菓子」〜
まず、ハーブスイーツから考えてみましょう。
ハーブスイーツは、その名前の通り、食用のハーブをお菓子へ取り入れたものです。
たとえば、
カモミールのクッキー。
ローズマリーのスコーン。
ミントのマフィン。
ローズを使った焼き菓子。
レモンバームのケーキ。
そんなお菓子があります。
ハーブそのものを生地へ混ぜることもあります。
牛乳や生クリームへ香りを移すこともあります。
砂糖と合わせることもあります。
果物やチョコレートと組み合わせることもあります。
大切なのは、
「ハーブの香りや風味を、お菓子の一部として楽しむこと」です。
〜ハーブスイーツの中心には「香り」があります〜
ハーブスイーツのおもしろさは、味だけではありません。
香りがあります。
カモミールの穏やかな香り。
ローズマリーの清々しい香り。
ミントの爽やかさ。
ローズの華やかさ。
レモン系ハーブの明るい香り。
こうした香りが、
バター。
砂糖。
小麦。
果物。
チョコレート。
などと重なります。
同じクッキーでも、使うハーブによって印象が変わります。
ハーブスイーツでは、この「香りの違い」そのものが大きな楽しみになります。
〜ナチュラルスイーツには、ひとつの厳密な定義があるわけではありません〜
一方、「ナチュラルスイーツ」という言葉は、使う人やお店によって意味が少し違います。
一般的には、
できるだけ自然な素材を使う。
素材の風味を活かす。
精製された材料を控える。
植物性の材料を中心にする。
添加物などをできるだけ使わない。
といった考え方のお菓子を表す言葉として使われることがあります。
ただし、
「ナチュラルスイーツとは必ずこういうもの」
という統一されたひとつの定義があるわけではありません。
そのため、お店や教室、作り手によって内容は違います。
〜砂糖や小麦、乳製品を使わないという意味とも限りません〜
ナチュラルスイーツと聞くと、
砂糖を使わない。
小麦粉を使わない。
卵を使わない。
乳製品を使わない。
そんなイメージを持つこともあります。
実際に、そうした考え方で作られているナチュラルスイーツもあります。けれど、それがすべてではありません。
きび砂糖や甜菜糖を使う。
全粒粉を取り入れる。
植物性の油脂を使う。
ナッツやドライフルーツを活かす。
できるだけシンプルな材料で作る。
作り手によって考え方はさまざまです。
ですから、「ナチュラルスイーツ」という名前だけで材料を判断せず、気になる場合は実際に使われている材料を確認することが大切です。
〜ハーブスイーツには、普通の製菓材料も使えます〜
ハーブスイーツでは、
バター。
卵。
牛乳。
生クリーム。
小麦粉。
砂糖。
チョコレート。
といった一般的な製菓材料も使うことができます。
つまり、
「ハーブスイーツ=自然派材料だけで作るお菓子」
ではありません。
たとえば、バターたっぷりのスコーンにローズマリーを入れる。
チョコレートケーキにミントを合わせる。
カスタードクリームとハーブを組み合わせる。
そうしたお菓子もハーブスイーツです。
ハーブをどうお菓子へ取り入れ、香りを楽しむか。
そこに軸があります。
〜ナチュラルスイーツには、ハーブが入っていないこともあります〜
反対に、ナチュラルスイーツだからといって、ハーブが使われているとは限りません。
たとえば、
ナッツとドライフルーツのお菓子。
全粒粉のクッキー。
植物性材料を使ったケーキ。
果物の甘さを活かした焼き菓子。
こうしたものも、作り手によってはナチュラルスイーツと呼ばれることがあります。
ハーブがひとつも入っていなくても構いません。
つまり、ハーブスイーツは「ハーブ」という素材が軸。
ナチュラルスイーツは「材料選びや作り方の考え方」が軸になりやすい。ここが大きな違いです。
〜二つが重なることもあります〜
もちろん、ハーブスイーツとナチュラルスイーツが重なることもあります。
たとえば、
全粒粉。
きび砂糖。
植物性の油脂。
カモミール。
こうした材料でクッキーを作る。
作り手の考え方によっては、ナチュラルスイーツでもあり、ハーブスイーツでもあります。
つまり、
「どちらか一方しか名乗れない」
という関係ではありません。
ひとつのお菓子の中に、両方の考え方が入ることもあります。
〜「健康的なお菓子」という意味では分けて考えましょう〜
どちらの言葉にも、
「なんとなく身体によさそう」
というイメージを持つことがあります。
けれど、
ハーブが入っているから健康的。
ナチュラルという名前だから、たくさん食べても大丈夫。そう単純に
考えることはできません。
お菓子である以上、使う砂糖や油脂、食べる量などによっても違います。
ハーブも、食品として適切に使うことが大切です。
言葉のイメージだけではなく、実際にどんな材料が使われているのかを見ることが大切です。
〜ハーブスイーツでは「食用のハーブ」を使います〜
ハーブスイーツを作るときには、食用として販売・栽培されているハーブを使います。
植物であれば何でもお菓子に使えるわけではありません。
観賞用として販売されているもの。
農薬などの扱いが分からないもの。
食用として安全性を確認できないもの。
こうしたものを、見た目や香りだけでお菓子へ使うことは避けます。
「自然なものだから大丈夫」
ではなく、
「食品として使えるものか」
を確認する。
これは、ハーブスイーツを楽しむうえで大切な基本です。
〜「自然」という言葉だけで良し悪しを決めなくても大丈夫〜
自然な材料。
昔から使われている材料。
新しく作られた材料。
いろいろなものがあります。
けれど、
自然だから必ずよい。
加工されているから必ず悪い。
と単純に分ける必要はありません。
お菓子作りで大切なのは、
どんなお菓子を作りたいのか。
誰が食べるのか。
どんな材料を選ぶのか。
安全に扱えるか。
そして、おいしいか。
そうしたことをひとつずつ考えることです。
〜バターを使ったハーブスイーツにも魅力があります〜
たとえば、ローズマリーとバター。
この組み合わせは、焼き菓子によく合います。
スコーン。
クッキー。
パウンドケーキ。
バターの豊かな香りの中に、ローズマリーの清々しさが入ります。
ハーブを楽しむために、必ず一般的な製菓材料を減らす必要はありません。
むしろ、バターやチョコレートなどの素材と組み合わせることで、ハーブの新しい表情が見えることがあります。
〜植物性のお菓子にハーブを合わせることもできます〜
もちろん、植物性の材料を中心に作るお菓子へハーブを合わせることもできます。
ナッツ。
豆乳。
植物性の油脂。
果物。
全粒粉。
そこへカモミールやミント、ローズなどを加える。
そうすれば、また違ったハーブスイーツになります。
つまり、ハーブスイーツは特定の製菓スタイルに限定されません。
さまざまなお菓子作りの中へ取り入れることができます。
〜ハーブスイーツは「香りの選択肢」を増やしてくれます〜
普段のお菓子作りでは、
バニラ。
チョコレート。
コーヒー。
紅茶。
柑橘。
スパイス。
さまざまな香りを使います。
そこに、ハーブという選択肢を加えてみる。すると、お菓子の世界が少し広がります。
カモミール。
ローズマリー。
ミント。
ローズ。
レモンバーム。
エルダーフラワー。
香りがひとつ増えるだけでも、いつもの生地に違う表情が生まれます。
ナチュラルスイーツは、材料選びを考える入口にもなります
ナチュラルスイーツという考え方からお菓子作りに入ると、
「この材料はどんなものだろう」
と考えるきっかけになります。
砂糖を変えてみる。
粉を変えてみる。
油脂を変えてみる。
果物の甘さを活かしてみる。
材料に目を向けること自体は、お菓子作りを深めるひとつの方法です。
どちらが正しいということではなく、何を大切にして作るかによって入口が違います。
〜ハーブスイーツでは、組み合わせを考える楽しみがあります〜
ハーブスイーツでは、
「この香りと、何を合わせよう」
と考えます。
カモミールとりんご。
ローズマリーとオレンジ。
ミントとチョコレート。
ローズとベリー。
レモンバームと柑橘。
この組み合わせを考える時間も楽しみのひとつです。
いつものお菓子を土台にして、
「今日はこのハーブを加えてみよう」
と考える。
それだけでも、新しいお菓子作りが始まります。
〜名前より、自分が何を楽しみたいかを大切に〜
ハーブスイーツ。
ナチュラルスイーツ。
言葉の違いを知ることは大切です。
けれど、家庭でお菓子を楽しむなら、名前にこだわりすぎなくても大丈夫です。
ハーブの香りを楽しみたい。
素材をシンプルにしたい。
植物性のお菓子を作りたい。
バターを使った焼き菓子にローズマリーを合わせたい。
季節の果物とカモミールを合わせたい。
それぞれ、自分の楽しみ方があります。
〜ハーブスイーツとナチュラルスイーツの違いを簡単にまとめると〜
二つの違いを、できるだけ簡単にすると、
ハーブスイーツは、
「食用のハーブをお菓子へ取り入れ、その香りや風味を楽しむもの」
です。
ナチュラルスイーツは、
「自然志向の材料選びや作り方を意識したお菓子を表す言葉として使われることが多いもの」
です。
ただし、ナチュラルスイーツには統一された厳密な定義があるわけではないため、実際の内容は作り手によって異なります。
そして、両方の特徴を持つお菓子もあります。
〜違いを知ると、ハーブスイーツが少し身近になります〜
ハーブスイーツという名前を聞くと、
「自然派のお菓子なのかな」
「特別な材料で作るのかな」
と思うことがあります。
けれど、難しく考えなくても大丈夫です。
いつものクッキーにカモミール。
いつものスコーンにローズマリー。
チョコレートにミント。
果物のマフィンにレモン系のハーブ。
そんなところから始められます。
ハーブスイーツは、特定の食生活や製菓スタイルだけのものではありません。
一般的なお菓子作りの中にも。
素材を大切にしたお菓子作りの中にも。
それぞれの暮らしに合わせて取り入れることができます。
ナチュラルスイーツと重なるところもあれば、違うところもある。
その違いを知ったうえで、
「私はハーブの香りを、こんなお菓子で楽しんでみたい」
と思えるものをひとつ見つけてみる。
そこから、ハーブスイーツの楽しみは自然に広がっていくのだと思います。
日本ハーブスイーツ協会
白水
■あわせて読みたい
ハーブスイーツとスパイススイーツの違いについて、丁寧にお話しています
▼
https://www.herbsweets-japan.com/blog/189982/
一一一一一一一一一一一
あなたの普段の日常に、穏やかなハーブの香りと学びを。
ご自宅で気軽に楽しむ初級講座から、資格取得を目指す講座まで。講座の内容や、それぞれの学び方は、『ハーブスイーツマイスター講座のご案内』にてご覧いただけます。
▼
https://www.herbsweets-japan.com/
他の記事もお読みになりたい方へ。私たち日本ハーブスイーツ協会の活動や、私たちがハーブスイーツを好きになったきっかけなどをまとめています。
https://www.herbsweets-japan.com/blog/cate/15677/