『レシピを覚えることから、自分で創ることへ』

2026年09月07日 04:14
日本ハーブスイーツ協会

お菓子作りを学ぶとき、最初に頼りになるのはレシピです。

材料が書いてある。

分量が書いてある。

作る順番が書いてある。

焼く温度や時間が書いてある。

その通りに作れば、ひとつのお菓子が完成します。
これは、とても大切なことです。

特に最初のうちは、レシピという道しるべがあるからこそ、安心して作ることができます。
けれど、何度も作っているうちに、少しずつこんな気持ちが生まれることがあります。

「このハーブを、別のものに変えたらどうなるだろう」

「この果物も合いそう」

「もう少し香りを軽くしたい」

「季節に合わせて変えてみたい」

「今ある材料で、自分なりに作れないかな」

私は、この瞬間がとても大切だと思っています。

レシピを再現するところから、

自分で考えて作るところへ。

そこから、お菓子作りの楽しみはもう一段深くなっていきます。

〜レシピは、完成形であると同時に入口でもあります〜

レシピを見ると、つい「これが完成形」と考えてしまいます。

もちろん、そのレシピ自体は一つの完成形です。

何度も試作して、

材料の量を調整し、

焼き方を考え、

香りや食感を整えてできたものです。

けれど、その一方で、ひとつのレシピは、次のレシピへ進むための入口
にもなります。

たとえば、

カモミールを使ったマフィンがあるとします。

そのマフィンを一度作って終わりではありません。

オレンジを合わせたら。

リンゴを合わせたら。

ハチミツを使ったら。

紅茶を加えたら。

同じ生地を使って、別のハーブに変えたら。

そこから、いくつもの枝が伸びていきます。

ひとつのレシピの中には、実はたくさんの可能性が隠れています。

〜「変える」という経験が、レシピを理解させてくれます〜

レシピ通りに作ることと、

レシピを少し変えて作ること。

この二つは、似ているようで少し違います。

レシピ通りに作ると、まず完成した味を知ることができます。

一方で、何かを変えてみると、

元のレシピがなぜそうなっていたのかが見えてくることがあります。

ハーブを増やしたら、香りが強すぎた。

減らしたら、少し物足りなかった。

果物を変えたら、水分が増えた。

チョコレートを加えたら、香りの印象が落ち着いた。

油脂を変えたら、口どけが変わった。

こうした変化を経験すると、
材料が単なる「数字」ではなくなります。

それぞれが、役割を持っている
ことが分かってきます。

だから、アレンジというのは単なる遊びではありません。
レシピを深く理解するための、とても良い学びでもあります。

〜代用できるということは、自由になることでもあります〜

お菓子作りをしていると、
必要な材料がいつも全部そろっているとは限りません。

使いたかったハーブがない。

季節の果物が終わっている。

近くでは手に入りにくい。

そんなこともあります。

そのとき、

「この材料がないから作れない」

で終わるのか、

「では、何に置き換えられるだろう」

と考えられるのか。
この違いは、とても大きいと思います。
もちろん、何でも好きなものに変えてよいわけではありません。

香りの方向。

水分量。

甘味。

酸味。

油脂。

食感。

そうしたものを見ながら考える必要があります。

けれど、ひとつずつ理由を考えながら置き換えていくと、少しずつ、

「この場合なら、こちらでもいけそう」

という感覚が育っていきます。

レシピを守る力だけではなく、
レシピから少し離れても作れる力
が身についていきます。

〜ハーブスイーツには、特に「考えて作る」楽しさがあります〜

ハーブは、とても個性のある素材です。

香りの強さも違います。

方向性も違います。

同じ花の香りでも、

やさしいもの。

華やかなもの。

深いもの。

青さのあるもの。

さまざまです。

さらに、

果物。

チョコレート。

紅茶。

ナッツ。

スパイス。

乳製品。

そこへ別の素材が加わることで、
表情はまた変わります。

だからこそ、ハーブスイーツは、
決まった組み合わせだけを作るよりも、自分で考え始めたときに、
ぐっと面白くなります。

今日は何を焼こう。

このハーブなら何と合わせよう。

この季節なら、どんな味にしよう。

そんなことを考える時間そのものが、ハーブスイーツを作る楽しみになっていきます。

〜「オリジナルレシピを作る」というと、難しく聞こえます〜

自分でレシピを作る。

そう聞くと、少し身構えてしまう方もいるかもしれません。

ゼロからすべて考えなければいけない。

何度も失敗しなければいけない。

専門的な知識がないとできない。

そんなイメージを持つこともあると思います。

けれど、最初から完全に新しいものを作る必要はありません。

まずは、ひとつだけ変えてみる。
それで十分です。

カモミールをレモンバーベナへ。

オレンジをレモンへ。

チョコチップをナッツへ。

ジャムを季節の果物へ。

その小さな変更も、立派なレシピクリエーションの始まりです。
少しずつ変えていく。

作ってみる。

食べてみる。

また考える。

その積み重ねの先に、いつの間にか、「自分で作った一品」
が生まれてきます。

〜真似ることから始めていい〜

お菓子作りに限らず、
何かを学ぶときは、
最初は真似るところから始まります。

基本を知る。

手順を知る。

完成形を知る。

そこから少しずつ、自分の好みや
感覚を加えていきます。

私は、オリジナルであることを急ぐ必要はないと思っています。

まずは、しっかり作れること。

おいしさの基準を知ること。

香りのバランスを知ること。

素材の組み合わせを知ること。

その土台があれば、

自然と、

「こうしてみたい」

という気持ちが出てきます。

レシピクリエーションは、無理に
発明することではありません。

分かってきたから、変えたくなる。

その自然な流れの先にあるものです。

〜香りのバランスと、フレーバーペアリングが土台になります〜

私たちが考えるHerb Sweets Methodには、

三つの柱があります。

『香りのバランス』

『フレーバーペアリング』

『レシピクリエーション』

です。

この三つは、順番に独立しているわけではありません。

けれど、
レシピクリエーションへ進むとき、
前の二つが大切な土台になります。
まず、

ハーブの香りをどのくらいにするのか。

これが、

香りのバランスです。

次に、

そのハーブを何と組み合わせるのか。

これが、

フレーバーペアリングです。

そして、

それらを使って、

どんなお菓子にするのか。

ここで、

レシピクリエーションへ進みます。

つまり、
香りを整え、素材を組み合わせ、それを一つのお菓子として形にする。

三つの柱がつながったところに、
自分のハーブスイーツが生まれます。

〜32種類のレシピ、その先へ〜

講座の中でさまざまなレシピを学ぶのは、もちろん大切なことです。

ひとつひとつのお菓子には、
それぞれ違う学びがあります。

けれど、私はレシピの数そのものをゴールにはしていません。

32種類のレシピを学んだら、
そこで終わり。ではなく、

そこから、33番目を自分で考える。

34番目を作る。

35番目は季節に合わせて変えてみる。

そんなふうに、
その先へ進んでいけることの方が、
ずっと豊かだと思っています。

32種類の基本があるからこそ、
その先に何百、何千という可能性が広がります。

その可能性を、自分の手でひとつずつ見つけていく。

それが、私たちが大切にしている学び方です。

〜レシピから自由になるために、レシピを学ぶ〜

少し不思議な言い方ですが、
私たちは、いつかレシピから自由になるために、まずレシピを学ぶ
のだと思っています。

基本を知らずに自由になることは、
なかなか難しいものです。

けれど、

基本を知り、

材料の役割を知り、

香りを知り、

組み合わせを知っていくと、

少しずつ自分で判断できることが増えてきます。

このハーブなら、このくらい。

この素材なら、ここを調整する。

この生地なら、こちらへ置き換えられる。

そうして、レシピに書いていないことまで、少しずつ考えられるようになります。

そのとき、レシピは
「守らなければならないもの」
から、自分で考えるための土台
へ変わります。

Herb Sweets Methodの三つ目の柱、「レシピクリエーション」

私たちがレシピクリエーションと呼んでいるものは、
奇抜なお菓子を作ることでも、
誰も見たことのないものを発明することでもありません。

学んだことを使いながら、

自分で少し考えてみること。

自分の好きな香りを選ぶこと。

季節に合わせて素材を変えること。

食べる人を思い浮かべること。

自分の暮らしや仕事に合う形へ整えること。

そうして、
ひとつのお菓子を自分の手で組み立てていくことです。

その小さな積み重ねが、やがて、

「この人らしいハーブスイーツ」

へつながっていきます。

〜作る人から、創る人へ〜

最初は、レシピを見ながら作る。

それでいいのです。

そこから、少し香りを変えてみる。

素材をひとつ変えてみる。

季節に合わせて考えてみる。

そして、

「こんなお菓子を作ってみたい」

と思うようになる。

その瞬間、お菓子作りは少しずつ、
再現から創造へ変わっていきます。

Herb Sweets Methodにおけるレシピクリエーションは、
そのための考え方です。

レシピを覚えることから、

レシピを理解することへ。

レシピを理解することから、

自分で考えることへ。

そして、

自分で考えることから、

自分で創ることへ。

少しあとのブログにて、このレシピクリエーションについてもう少し具体的に掘り下げていきたいと思います。

基本レシピをどう読み取るのか。

どこからアレンジを始めるのか。

どんなふうに自分の一品へ育てていくのか。

レシピの向こう側にある、

もっと自由で、もっと豊かなハーブスイーツの世界へ。
そこからまた、新しい楽しみが始まります。

日本ハーブスイーツ協会
 白水


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