『焼き菓子にハーブを使うとき、失敗しにくいポイントは?』

2026年09月03日 02:47
日本ハーブスイーツ協会

ハーブを使ったお菓子を作ってみたい。

そう思ったとき、最初に取り入れやすいのが、クッキーやスコーン、マフィン、パウンドケーキなどの焼き菓子です。

生地にハーブを混ぜ込むことができ、特別な道具がなくても始めやすい。

一方で、

「思ったより香らなかった」
「ハーブの味が強く出すぎた」
「葉の食感が気になった」

といったことも起こります。

ハーブは、いつものお菓子に少し加えるだけでも印象を大きく変えてくれる素材です。

だからこそ、最初は少しだけポイントを押さえておくと、ぐっと扱いやすくなります。

今回は、焼き菓子にハーブを使うときに知っておきたい、失敗しにくい基本の考え方をご紹介します。

〜まずは食用のハーブを選びましょう〜

いちばん最初に確認したいのは、そのハーブが食用として使えるものかどうかです。

ハーブという名前で販売されていても、観賞用や園芸用のものが、すべて食品として使えるわけではありません。

ドライハーブなら、ハーブティー用や食品用として販売されているもの。

フレッシュハーブなら、食用として販売・栽培されているもの。

まずは、安心して食べられるハーブを選ぶことが基本です。

お菓子に使う以前に、大切にしておきたい部分ですね。

〜最初は香りの分かりやすい焼き菓子から〜

初めてハーブを使うなら、シンプルな焼き菓子がおすすめです。

たとえば、

クッキー。

スコーン。

マフィン。

パウンドケーキ。

こうしたお菓子は、生地そのものが比較的シンプルなので、ハーブの香りを確かめやすくなります。

普段から作り慣れているレシピがあれば、そこへ少量のハーブを加えてみるのもよいでしょう。

一度に新しいレシピと新しいハーブの両方へ挑戦するより、

「いつものお菓子に、ハーブだけを加えてみる」

ほうが、香りや食感の変化を分かりやすく確認できます。

〜ハーブは少量から始める〜

焼き菓子で失敗しにくくするために、特に大切なのが、最初からたくさん入れないことです。

ハーブの香りには、それぞれ強さがあります。

ほんの少しでも存在感のあるものもあれば、比較的穏やかに香るものもあります。

また、同じハーブでも、ドライとフレッシュでは香りの強さが違います。

「しっかりハーブのお菓子にしたいから」

と最初から多く入れてしまうと、苦味や青臭さ、食べにくさにつながることがあります。

まずは控えめに。

一度焼いて、食べてみる。

そして、

「もう少し香ってもよさそうだな」

と思ったら、次回少し増やしてみる。

このくらいの進め方が、失敗しにくいと思います。

〜ドライハーブは細かさも大切です〜

ドライハーブをそのまま生地へ加えると、種類によっては葉や茎の食感が残ることがあります。

クッキーを食べたときに大きな葉が口に残ったり、繊維が気になったりすると、せっかくの香りを楽しみにくくなります。

必要に応じて、指ですりつぶしたり、ミルなどを使ったりして細かくしておくと、生地になじみやすくなります。

ただし、すべてを粉末状にする必要があるわけではありません。

少し葉が見えることが、お菓子の表情になる場合もあります。

食感を残したいのか。

香りだけをなじませたいのか。

作りたいお菓子に合わせて調整してみましょう。

〜フレッシュハーブは水気をしっかり取る〜

庭や鉢植えで育てたフレッシュハーブをお菓子に使うのも楽しいものです。

摘みたての葉を洗うと、ふわっと爽やかな香りが立ちます。

けれど、焼き菓子に使うときには、洗ったあとの水気に注意します。

葉に水分が多く残っていると、生地の状態へ影響することがあります。

キッチンペーパーなどでやさしく水気を取り、必要に応じて細かく刻んでから使います。

とくにクッキーやスコーンなど、水分量が仕上がりに影響しやすい焼き菓子では、ちょっとしたひと手間が大切です。

〜焼く前の香りだけで判断しない〜

ハーブを混ぜた生地を作っていると、

「いい香り。これならちょうどよさそう」

と思うことがあります。

ところが、オーブンで焼いてみると、思っていたより香りが弱くなることもあります。

ハーブの香りは、加熱によって変化するからです。

反対に、焼くことで青さが穏やかになり、バターや小麦、砂糖の香りとなじんで、ちょうどよい風味になることもあります。

ですから、本当の仕上がりは焼いてから確認します。

生地の香り。

焼き上がったときの香り。

実際に食べたときの香り。

この三つを見てみると、そのハーブの特徴が少しずつ分かってきます。

〜組み合わせる素材を増やしすぎない〜

ハーブスイーツを作り始めると、

「これも合いそう」
「あれも入れてみたい」

と、いろいろな素材を組み合わせたくなることがあります。

ハーブに果物。

そこへナッツ。

さらにチョコレート。

スパイスも少し。

もちろん、そうした組み合わせがおいしくなることもあります。

けれど、最初のうちは素材を増やしすぎないほうが、失敗の原因を見つけやすくなります。

たとえば、

カモミールとりんご。

ローズマリーとレモン。

ミントとチョコレート。

レモンバームと柑橘。

まずは、ハーブと一つの素材。

そこから始めてみると、それぞれの香りがどのように重なるのかを感じやすくなります。

〜ハーブの香りと焼き菓子の香りを一緒に考える〜

焼き菓子には、焼き菓子そのもののおいしい香りがあります。

バター。

小麦。

卵。

砂糖。

焼けた生地の香ばしさ。

ハーブを使うときも、それらを消してしまう必要はありません。

むしろ、

「焼き菓子のおいしさの中に、ハーブがどう入るか」

という視点で考えてみます。

ひと口食べたとき、まずバターの香り。

そのあと、ふっとローズマリーが鼻へ抜ける。

あるいは、カモミールの穏やかな香りと果物の甘さが一緒に広がる。

そんなふうに、それぞれの素材が無理なく感じられる状態を目指すと、まとまりやすくなります。

〜ハーブによって向いている使い方は違います〜

すべてのハーブを同じように扱う必要はありません。

細かく刻んで生地へ混ぜると扱いやすいもの。

液体へ香りを移したほうが穏やかに仕上がるもの。

果物などと組み合わせることで魅力が分かりやすくなるもの。

ハーブごとに特徴があります。

「ハーブを使う方法はこれ」

と一つに決めるのではなく、そのハーブに合った使い方を探していくことが大切です。

同じハーブでも、

クッキーでは少し細かく。

マフィンでは果物と一緒に。

クリームでは香りを抽出して。

そんなふうに使い分けることができます。

〜一度で完成させようとしなくても大丈夫です〜

ハーブスイーツで大切なのは、一回目から完璧な配合を見つけることではありません。

焼いてみる。

香りを確かめる。

食べてみる。

「少し強かったな」

「もう少し香ってもいいかな」

「この果物との組み合わせは好きだな」

そうした小さな気づきを次へつなげていきます。

お菓子作りそのものもそうですが、ハーブの扱いも、実際に触れてみることで少しずつ分かってくるものです。

レシピの数字だけでは分からない、香りの感覚もあります。

〜失敗しにくい一番の方法は、シンプルに始めること〜

焼き菓子にハーブを使うとき、覚えておきたいことはそれほど複雑ではありません。

食用のハーブを選ぶ。

少量から使う。

必要に応じて細かくする。

フレッシュなら水気を取る。

組み合わせる素材を増やしすぎない。

そして、焼き上がったものを実際に食べて確かめる。

まずは、このくらいで十分です。

いつものクッキーに、少しだけハーブを加えてみる。

スコーンの生地へ、庭で摘んだローズマリーを刻んで混ぜてみる。

マフィンにカモミールと果物を合わせてみる。

オーブンから漂ってくる、いつもとは少し違う香り。

焼き上がったお菓子をまだ温かいうちにひと口食べて、

「あ、このくらいが好きかも」

と思えたら、それも立派な一歩です。

難しく考えすぎず、まずはシンプルに。

ひとつのハーブと、ひとつの焼き菓子から。

少しずつ香りの個性を知っていくことで、ハーブを使ったお菓子作りは、もっと身近で楽しいものになっていきます。


日本ハーブスイーツ協会
白水

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