「お菓子って、誰かにあげるために作るものですか?」
このご質問は、お客様とお話しする中で何度もいただきました。
「家族もあまり甘いものを食べなくて。」
「一人暮らしなので。」
「自分のためだけに作るのは、少し贅沢な気がして。」
そんなふうに話される方もいらっしゃいました。
私は、そのたびにこうお答えしています。
「もちろん、一人のためでもいいんですよ。」
〜自分のために焼くお菓子があってもいいと思います〜
誰かに喜んでもらうお菓子は、とても素敵です。
「おいしかった。」
その一言は、作る人にとって大きな喜びになります。
でも、お菓子作りには、もう一つの楽しみ方があります。
それは、自分自身のために焼くことです。
お気に入りの紅茶を淹れて、
焼きたてのクッキーを一枚味わう。
そんな午後があってもいいのではないでしょうか。
〜誰かのためだけでは、疲れてしまうこともあります〜
30年間、色々なお客様を見てきて感じることがあります。
いつも誰かのために頑張っている方ほど、自分の時間を後回しにしてしまいがちです。
だからこそ、ときには、
「今日は自分のために焼こう。」
そんな日があってもいいと思うのです。
〜一人のお茶の時間にも、豊かさがあります〜
静かな部屋で、
お気に入りのカップを選び、
焼き菓子をお皿にのせる。
誰かと過ごす時間とは違う、穏やかな時間があります。
私は、その時間も、とても大切だと思っています。
〜ハーブの香りは、一人の時間にもよく似合います〜
ハーブスイーツを焼いていると、
オーブンからやさしい香りが広がります。
その香りを感じながら、お茶を淹れる。
急がずに過ごす時間は、一人だからこそ味わえる豊かさもあります。
ハーブは、誰かに見せるためではなく、自分自身の心をゆるめるためにも寄り添ってくれるように感じています。
〜お客様から教えていただいたこと〜
印象に残っている言葉があります。
あるお客様が、
「家族のために作り始めたのですが、今は自分の時間も好きになりました。」
と話してくださいました。
私は、その言葉がとても嬉しかったのを覚えています。
お菓子作りは、誰かを幸せにするだけではありません。
作る人自身にも、穏やかな時間を届けてくれるのです。
〜自分を大切にする時間も、暮らしの一部です〜
長年、お菓子を作り続けてきて思うことがあります。
お菓子は、特別な日のためだけのものではありません。
何気ない平日の午後にも、
少し疲れた日の夕方にも、
そっと寄り添ってくれます。
だから、一人で楽しむお菓子作りも、少しも贅沢ではありません。
それは、自分自身をいたわる時間でもあるのです。
もし今、
「一人だから作る理由がない。」
そう思っておられるなら、どうか安心してください。
焼きたての香りは、一人にも、やさしく寄り添ってくれます。
様々なお客様を見続けてきて、私はそのことを何度も教えていただきました。
だから今日も、ご自身のためのお茶の時間を、どうか大切になさってください。
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