お客様を見続けて気づいた事。暮らしが豊かな人は、特別な毎日を過ごしているわけではありません

2026年07月18日 13:55
日本ハーブスイーツ協会

長年、お菓子を作り、お客様とお話をしてきました。

その中で、

「素敵な暮らしですね。」

と言われるような方にも、たくさん出会いました。

最初は私も、何か特別な毎日を送っているのだろうと思っていました。
でも、長くお付き合いするうちに、その印象は少しずつ変わっていきました。

〜特別なのは、毎日ではありませんでした〜

素敵な暮らしをされている方も、忙しい日はあります。

疲れる日もあります。

思うようにいかない日もあります。

それは誰でも同じです。

違っていたのは、その中に小さな楽しみを持っておられることでした。

〜「楽しみ」を後回しにしません〜

お茶を一杯ゆっくり飲む。

花を一輪飾る。

お気に入りの器を使う。

焼き菓子を一つ焼いてみる。

一つひとつは、とても小さなことです。

でも、その小さな時間を大切にしている方ほど、

「今日もいい一日だった。」

と穏やかに笑っておられるように感じました。

〜お菓子は、暮らしの真ん中ではありません〜

私は長い間、お菓子を作ってきました。

だからこそ思います。

お菓子は人生の主役ではありません。

でも、暮らしの中で誰かを笑顔にしたり、自分の気持ちを少しほぐしたりする力があります。

主役ではないけれど、大切な脇役です。

だから私は、お菓子を作る時間が好きなのだと思います。

〜ハーブは、季節を運んできます〜

ハーブスイーツを焼いていると、季節を感じます。

春のやわらかな香り。

夏の爽やかな風。

秋の落ち着いた空気。

冬の温かいお茶。

植物は、季節の移ろいを静かに教えてくれます。

だから同じレシピでも、その日だけの一皿になります。

〜お客様から教えていただいた「豊かさ」〜

あるお客様が、こんなことを話してくださいました。

「特別な旅行より、家で焼いたクッキーを食べながら家族と話した日のほうが、よく覚えているんです。」

その言葉を聞いたとき、私はとても印象に残りました。

豊かさは、大きな出来事だけでは生まれない。

何気ない午後にも、ちゃんとあるのだと教えていただいた気がしました。

〜30年経った今の私の答えです〜

30年前の私は、お菓子を上手に作ることばかり考えていました。

でも今は少し違います。

焼き上がる香り。

湯気の立つお茶。

「おいしいね。」

という何気ない会話。

そんな時間が、暮らしを少しずつ豊かにしてくれるのだと思っています。

だから私は、今日もお菓子を焼きます。

特別な日を作るためではありません。

いつもの一日を、少しだけ愛おしく感じられるように。

ずっとお客様を見続けてきて、私が一番大切だと思うようになったのは、その小さな積み重ねでした。


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