【30年間、お客様を見続けて気づきました】お菓子作りは、暮らしに「余白」をつくる趣味でした

2026年07月18日 11:50
日本ハーブスイーツ協会

ずっと、お菓子を作り続けてきました。

その間、本当にたくさんの方とお話しする機会がありました。

お菓子の作り方を質問されることもあれば、

「なかなか時間が取れないんです。」

というご相談を受けることもありました。

そのたびに思うことがあります。

お菓子作りは、時間がある人の趣味ではないということです。

むしろ、忙しい毎日の中に、小さなその余白をつくるための趣味なのかもしれません。

〜台所へ立つと、少しだけ時計がゆっくりになります〜

粉を量る。

卵を割る。

生地を混ぜる。

どれも特別なことではありません。

でも、不思議とその時間だけは、仕事や家事とは違う流れになります。

急いでも、生地は急いでくれません。

焼き時間も短くはなりません。

だから自然と、自分の気持ちも少しだけ落ち着いてくるのです。

〜「何もしない時間」は、意外とありません〜

現代は、何かをしながら何かをすることが増えました。

動画を見ながら。

音楽を聴きながら。

スマートフォンを見ながら。

それも悪いことではありません。

でも、お菓子作りをしていると、ときどき手元だけに意識が向く瞬間があります。

その静かな時間が、私はとても好きです。

〜焼き上がるまで待つことも、大切な時間です〜

オーブンへ入れたら、あとは待つしかありません。

以前の私は、その時間を「空いた時間」だと思っていました。

でも今は違います。

少し部屋を片づけたり。

お茶の準備をしたり。

焼けてくる香りを楽しんだり。

待つ時間まで含めて、お菓子作りなのだと思うようになりました。

〜ハーブは、急がせない植物です〜

ハーブと向き合っていると、「ゆっくりでいいですよ」と言われているような気持ちになります。

香りは強く主張しません。

そっと寄り添います。

だから焼き菓子とも、よく似合います。

私がハーブスイーツを好きなのは、香りだけではなく、その穏やかな存在感にも惹かれているからなのかもしれません。

〜お客様から教えていただいた言葉があります〜

ある日、お客様がこんなことをおっしゃいました。

「お菓子を作る日は、なんだか一日が長く感じるんです。」

その言葉を聞いたとき、とても印象に残りました。

時間が増えたわけではありません。

でも、一日を丁寧に過ごしたという実感があったのだと思います。

私も、その気持ちはよく分かります。

〜30年経って思うこと〜

若い頃は、お菓子を上手に作ることばかり考えていました。

でも今は、少し違います。

厨房へ立ち、

焼き上がる香りを感じ、

お茶を淹れて、

「今日はいい一日だったな。」

と思えること。

その積み重ねが、暮らしを豊かにしてくれるのだと感じています。

だから私は、お菓子作りを「何かを完成させる趣味」とは思っていません。

忙しい毎日の中に、小さな余白をつくる時間。

たくさんのお客様を見続けてきて、今の私はそう考えるようになりました。

もし最近、少し慌ただしい日が続いているなら、焼き菓子を一つ焼いてみませんか。

きっと、お菓子だけではなく、穏やかな時間も一緒に焼き上がると思います。



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