ずっと、お菓子を作り続けてきました。
その間、本当にたくさんの方とお話しする機会がありました。
お菓子の作り方を質問されることもあれば、
「なかなか時間が取れないんです。」
というご相談を受けることもありました。
そのたびに思うことがあります。
お菓子作りは、時間がある人の趣味ではないということです。
むしろ、忙しい毎日の中に、小さなその余白をつくるための趣味なのかもしれません。
〜台所へ立つと、少しだけ時計がゆっくりになります〜
粉を量る。
卵を割る。
生地を混ぜる。
どれも特別なことではありません。
でも、不思議とその時間だけは、仕事や家事とは違う流れになります。
急いでも、生地は急いでくれません。
焼き時間も短くはなりません。
だから自然と、自分の気持ちも少しだけ落ち着いてくるのです。
〜「何もしない時間」は、意外とありません〜
現代は、何かをしながら何かをすることが増えました。
動画を見ながら。
音楽を聴きながら。
スマートフォンを見ながら。
それも悪いことではありません。
でも、お菓子作りをしていると、ときどき手元だけに意識が向く瞬間があります。
その静かな時間が、私はとても好きです。
〜焼き上がるまで待つことも、大切な時間です〜
オーブンへ入れたら、あとは待つしかありません。
以前の私は、その時間を「空いた時間」だと思っていました。
でも今は違います。
少し部屋を片づけたり。
お茶の準備をしたり。
焼けてくる香りを楽しんだり。
待つ時間まで含めて、お菓子作りなのだと思うようになりました。
〜ハーブは、急がせない植物です〜
ハーブと向き合っていると、「ゆっくりでいいですよ」と言われているような気持ちになります。
香りは強く主張しません。
そっと寄り添います。
だから焼き菓子とも、よく似合います。
私がハーブスイーツを好きなのは、香りだけではなく、その穏やかな存在感にも惹かれているからなのかもしれません。
〜お客様から教えていただいた言葉があります〜
ある日、お客様がこんなことをおっしゃいました。
「お菓子を作る日は、なんだか一日が長く感じるんです。」
その言葉を聞いたとき、とても印象に残りました。
時間が増えたわけではありません。
でも、一日を丁寧に過ごしたという実感があったのだと思います。
私も、その気持ちはよく分かります。
〜30年経って思うこと〜
若い頃は、お菓子を上手に作ることばかり考えていました。
でも今は、少し違います。
厨房へ立ち、
焼き上がる香りを感じ、
お茶を淹れて、
「今日はいい一日だったな。」
と思えること。
その積み重ねが、暮らしを豊かにしてくれるのだと感じています。
だから私は、お菓子作りを「何かを完成させる趣味」とは思っていません。
忙しい毎日の中に、小さな余白をつくる時間。
たくさんのお客様を見続けてきて、今の私はそう考えるようになりました。
もし最近、少し慌ただしい日が続いているなら、焼き菓子を一つ焼いてみませんか。
きっと、お菓子だけではなく、穏やかな時間も一緒に焼き上がると思います。
一一一一一一一一一一一
はじめての方へ
■まず最初に、ハーブスイーツや、当講座についてはこちらへどうぞ▼
https://www.herbsweets-japan.com/blog/173534/
私の30年のパティシエとしての経験の中で大切にしてきたこと、感じてきたことについて書き綴っています▼
https://www.herbsweets-japan.com/blog/185578/
日本ハーブスイーツ協会
やさしく学ぶハーブスイーツの小さなお便りを、
無料で、7通にわたってお届けしています。
▼
https://m1-v3.mgzn.jp/sys/doubleOptReg.php?cid=G6032222