【30年間、お客様を見続けて気づきました】上手になることより、大切にしたいものがあります

2026年07月18日 09:47
日本ハーブスイーツ協会

ひたすらにお菓子を作り続けてきました。

たくさんのお客様と出会い、たくさんのお話を伺ってきました。

その中で、こんな言葉を耳にすることがあります。

「もっと上手に作れるようになりたいんです。」

そのお気持ちは、とてもよく分かります。

私も若い頃は、毎日のようにそう思っていました。

でも30年という時間を振り返ると、今は少し違う景色が見えています。

〜上手になることは、もちろん嬉しいことです〜

昨日よりきれいに焼けた。

思いどおりの食感になった。

家族から「おいしいね」と言ってもらえた。

そんな日は、とても嬉しいものです。

技術が身につくことは、お菓子作りの楽しさの一つでしょう。

〜でも、本当に続いている方は別の喜びを見つけています〜

長くお菓子作りを楽しんでいる方を見ていると、ある共通点があります。

「今日は焼こう。」

と思う時間そのものを楽しんでおられるのです。

お気に入りのエプロンをつける。

粉を量る。

オーブンを温める。

焼き上がる香りを待つ。

そうした一つひとつが、暮らしの楽しみになっています。

〜暮らしの中にある趣味は、ゆっくり育ちます〜

趣味は、急いで完成させるものではありません。

毎日の中に少しずつ溶け込み、

気づけば「あって当たり前」になっている。

そんな趣味ほど、長く続いていきます。

お菓子作りも、その一つだと思っています。

〜ハーブを使うようになって、さらに思うようになりました〜

ハーブは、結果を急がせる植物ではありません。

香りは季節によって少し変わります。

乾燥の具合でも印象が変わります。

その違いを楽しむには、少しだけ立ち止まる時間が必要です。

だから私は、ハーブスイーツを作るようになってから、以前より「急がなくていい」と思えるようになりました。

〜お客様から教えていただいたこと〜

長いことお客様とお話ししてきて、一番心に残っているのは、お菓子の出来栄えではありません。

「久しぶりに家族でゆっくりお茶を飲みました。」

「休日が少し楽しみになりました。」

そんな言葉です。

そのたびに、お菓子は食べ物である前に、時間をつくるものなのだと教えられました。

〜今の答えです〜

もし今、

「もっと上手になりたい。」

と思っておられるなら、その気持ちはどうか大切になさってください。

でも、それと同じくらい、

「今日はいい時間だった。」

と思える一日も、大切にしていただけたら嬉しく思います。

お菓子を作り続けてきた今の私は、技術だけでは残らないものがあることを知りました。

焼き上がる香り。

お茶を囲む笑顔。

台所に流れる静かな時間。

そうしたものが積み重なって、お菓子作りは暮らしの一部になっていくのだと思います。

だから今日も、私はお菓子を焼きます。

上手になるためだけではなく、大切な時間を育てるために。



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