【パティシエが答えます】お菓子作りに必要なのは才能ですか?私が30年間で変わった考え

2026年07月18日 04:32
日本ハーブスイーツ協会

「お菓子作りって、才能がある人だからできるんですよね。」

長くお菓子を作り続けてきて、この言葉を何度も聞いてきました。

初めて作ったクッキーが固くなった。

ケーキが思うように膨らまなかった。

そんな経験をすると、「自分には才能がない」と思ってしまう方もいらっしゃいます。

でも、今の私は、その考えとは少し違います。

〜若い頃の私は、才能が大切だと思っていました〜

お菓子作りを始めた頃は、器用な人を見るたびに、

「やっぱり才能があるんだな。」

と思っていました。

きれいなナッペ。

美しい絞り。

均一な焼き色。

技術がある人は、特別に見えたものです。
けれど長いキャリアの中で、多くの人を見てきた今は、違う答えにたどり着きました。

〜才能よりも「続ける力」のほうが大きい〜

最初から上手だった人が、必ず長く続くとは限りません。

反対に、

「失敗しちゃいました。」

と笑いながら何度も挑戦する方が、数年後には驚くほど上達していることがあります。

一回のお菓子では分からないことも、十回、二十回と作るうちに自然と身についていきます。

それが、お菓子作りの面白さです。

〜上達は、昨日の自分との比較です〜

お菓子作りを始めると、どうしても誰かと比べたくなります。

写真がきれいな人。

器用な人。

プロの作品。

でも、本当に比べる相手は、昨日の自分です。

今日は混ぜ方が少し分かった。

今日は焼き色がちょうどよかった。

そんな小さな変化を見つけられるようになると、お菓子作りはぐっと楽しくなります。

〜「好き」が一番の才能かもしれません〜

日々教室等でお客様を見てきて思うことがあります。

長く続く方には、ある共通点があります。

それは、

「焼き上がる香りが好き。」

「家族が喜ぶ顔を見るのが好き。」

「休日に台所へ立つ時間が好き。」

そんな「好き」があることです。

この気持ちは、誰かと競争して身につくものではありません。

だから私は、「好き」でいられること自体が、大きな才能なのだと思っています。

〜ハーブとの出会いも、同じでした〜

ハーブスイーツも、最初からうまくできたわけではありません。

香りが強すぎたこともあれば、思ったように個性が出なかったこともあります。

一つずつ試し、少しずつ調整しながら、今の形になりました。

だから、新しいことに挑戦するときも、「最初からうまくいかなくて当たり前」と思えるようになりました。

〜いつしか、私の答えは変わりました〜

もし、かつての私に、

「お菓子作りには才能が必要ですか。」

と聞かれたら、少し違う答えをしていたかもしれません。

でも今なら、こうお答えします。

才能があるかどうかよりも、

「また作ってみたい。」

と思えることのほうが、ずっと大切です。

その気持ちがある限り、人は少しずつ上達していきます。

だから、どうか最初からご自身に厳しくなりすぎないでください。

お菓子を作り、お客様を見続けてきた私が一番お伝えしたいのは、「好き」という気持ちは、技術よりも長くあなたを支えてくれるということです。

その小さな一歩が、いつか暮らしの中の大きな楽しみへと育っていくことを、私は何度も見てきました。



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