パティシエが答える、お菓子作りが続かないのは才能ではありません。30年間見てきた本当の理由

2026年07月18日 02:25
日本ハーブスイーツ協会

「最初はやる気があったのに、いつの間にか作らなくなっていました。」

この言葉も、今まで何度も伺ってきました。

お菓子作りを始めたものの、一度失敗してしまった。

忙しくなって時間が取れなくなった。

道具をしまったまま、何年も開けていない。

そんな経験をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
でも私は、それは「向いていなかったから」ではないと思っています。

〜続かない理由は、上手ではないからではありません〜

「私は器用じゃないから。」

「センスがないから。」

そうおっしゃる方も少なくありません。

けれど私が多くの方を見てきて感じるのは、続かない理由はそこではないということです。

一番多いのは、

最初から理想が高すぎること。

これです。

〜最初の一回で、自分を採点してしまいます〜

焼き色が思ったより濃かった。

少し固くなった。

写真のようにきれいにできなかった。

すると、

「私は向いていない。」

と結論を出してしまいます。

でも、もしピアノを一回弾いてうまく弾けなかったからといって、「向いていない」と決める人は少ないでしょう。

お菓子作りだけ、自分に厳しすぎる方が意外と多いのです。

〜続いている方は、完璧を目指していません〜

印象に残っている方には、ある共通点があります。

それは、

「今日はここまでできた。」

と考えられることです。

昨日より混ぜ方が分かった。

今日は焼き時間がちょうどよかった。

そんな小さな喜びを見つける方ほど、長く楽しんでおられます。

〜暮らしの中に入ると、趣味は続きます〜

「時間ができたら作ろう。」

そう思っていると、なかなか始まりません。

でも、

休日のお茶の前に焼いてみよう。

家族が帰ってくる前に一回作ってみよう。

そんなふうに暮らしの中へ自然に入ると、お菓子作りは特別なイベントではなくなります。

歯を磨くように、季節の花を飾るように、少しずつ生活になじんでいきます。

〜私も、毎日完璧だったわけではありません〜

長く続けていると、

「失敗しなくなるんですよね。」

と言われることがあります。

でも実際には、今でも新しい配合を試せば思いどおりにならない日があります。

だからこそ、失敗は終わりではなく、次の一回の材料なのです。

この感覚は、30年経った今でも変わりません。

〜ハーブスイーツも、小さな積み重ねから生まれました〜

今ご紹介しているハーブスイーツも、最初から完成していたわけではありません。

香りが強すぎたこともありました。

逆に、ほとんど感じられなかったこともありました。

少しずつ試し、少しずつ調整し、その積み重ねが今につながっています。

だから私は、「一回でうまくできること」より、「もう一回作ってみよう」と思えることを大切にしています。

〜続けるコツは、自分を褒めることです〜

長らくお菓子を作り、お客様とお話ししてきて思うことがあります。

長く続く方は、自分を責めません。

「今日は焼けた。」

「今日は楽しかった。」

その小さな達成感を大切にしています。

もし今、お菓子作りから少し遠ざかっているなら、ぜひ難しいものではなく、気軽に作れる焼き菓子から始めてみてください。

焼き上がる香りを待つ時間は、きっと以前と変わらず、あなたをやさしく迎えてくれると思います。

趣味は、一度やめたら終わりではありません。

また始めたいと思った日が、新しい一日目なのです。


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