【30年のパティシエが答えます】「もっと早く始めればよかった」と言われる趣味があります

2026年07月18日 01:22
日本ハーブスイーツ協会

お菓子教室を続けていると、お客様から同じような言葉をいただくことがあります。

「もっと早く始めればよかった。」

この言葉です。

初めてお菓子を焼いた方。

退職をきっかけに趣味を見つけた方。

子育てが一段落して台所へ戻ってこられた方。

その理由はさまざまですが、不思議なくらい、同じ言葉を耳にします。
今日は、その理由についてお話ししたいと思います。

〜最初は「難しそう」と思っていました〜

多くの方は、お菓子作りに興味を持ちながらも、一歩を踏み出せずにいます。

「私には無理だと思っていました。」

「器用じゃないから。」

「道具もないし。」

そんなお話を、本当にたくさん聞いてきました。

だからこそ、初めて焼き上がったクッキーを見て笑顔になる瞬間は、何度見ても嬉しいものです。

〜上手になることより、暮らしが変わること〜

お菓子作りを始めると、変わるのは技術だけではありません。

休日の午後が少し楽しみになったり、

お気に入りのカップを探したくなったり、

季節の果物が気になったり。

暮らしの中に、小さな楽しみが増えていきます。

その変化は、とても穏やかです。
でも、長く続けるほど、その豊かさは少しずつ大きくなっていきます。

〜「完成」より「途中」が好きになります〜

最初は、完成したお菓子が楽しみで作ります。

でも、不思議なことに、続けている方ほど、

生地を混ぜる時間。

オーブンをのぞく時間。

焼き上がる香り。

そんな途中の時間も好きになっていきます。
私自身も、30年経った今は、その時間がとても好きです。

〜ハーブは、その時間を少しだけ豊かにしてくれます〜

お菓子作りに慣れてくると、

「今日は少し違う香りにしてみよう。」

そんな楽しみ方も生まれます。

カモミールのやさしさ。

レモングラスの爽やかさ。

レッドローズの華やかさ。

植物の香りが加わるだけで、同じ焼き菓子でも違う表情を見せてくれます。

それが、ハーブスイーツの面白さです。

〜色々なお客様を見ていて思うこと〜

私は、お菓子作りが人生を変えるとは思っていません。

でも、暮らしは変えると思っています。

ほんの少しだけ。

静かに。

気づかないくらいゆっくりと。

その積み重ねが、何年か後に振り返ったとき、

「ああ、始めてよかった。」

という気持ちにつながるのではないでしょうか。

〜「もっと早く始めればよかった」の本当の意味〜

この言葉は、

「もっと早く上手になりたかった。」

という意味ではありません。

「もっと早く、この時間を知っていたらよかった。」

という意味なのだと、私は思っています。

焼きたての香りを待つ時間。

お茶を淹れて、ゆっくり味わう時間。

誰かと「おいしいね」と笑い合う時間。

そうした何気ないひとときが、暮らしを少しずつ豊かにしてくれます。

だから、もし今、

「いつか始めよう。」

と思っておられるなら、その「いつか」は今日でもいいのかもしれません。

長年、お菓子を作り、お客様とお話ししてきて思うのは、趣味に遅すぎるということはない、ということです。

今日の一歩が、数年後に「始めてよかった」と思える時間につながっていくことを、私は何度も見てきました。


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