パティシエは家でもお菓子を作るの?30年作り続けてきた私がお答えします

2026年07月17日 08:06
日本ハーブスイーツ協会

「パティシエさんって、お休みの日も家でお菓子を作るんですか?」

お店で働いていた頃から、本当によくいただいたご質問です。

毎日仕事でお菓子を作っているのだから、家では作らないのでは。
そんなふうに思われる方も多いようです。

では、実際はどうなのでしょうか。
30年間、お菓子作りを仕事にしてきた私自身の経験から、お話しします。

〜若い頃は、正直あまり作りませんでした〜

仕事を始めたばかりの頃は、一日中お菓子を作っていました。
朝から晩まで生地を仕込み、焼き、仕上げる毎日です。

家へ帰る頃には、

「今日はもう泡立て器を持ちたくない。」

そんな日もありました。

ですから、若い頃は家でお菓子を作ることは、それほど多くありませんでした。

〜少しずつ、作る理由が変わりました〜

年齢を重ねるにつれて、お菓子作りとの向き合い方も変わってきました。

仕事として作るお菓子。

家族と楽しむお菓子。

その違いを感じるようになったのです。

家で作るお菓子は、売るためではありません。

評価されるためでもありません。

「今日はこれを焼いてみようかな。」

そんな気持ちから始まります。

〜家のお菓子は、少し気楽です〜

仕事では、毎回同じ品質が求められます。

焼き色も。

大きさも。

食感も。

でも家では違います。

少し形が不揃いでもいい。

焼き色が濃くても笑って食べられる。

その気楽さが、家で作るお菓子の魅力です。

〜最近は「香り」を楽しむ時間になりました〜

たくさんお菓子を作ってきて、最近特に好きになったのは、焼き上がる香りです。

オーブンを開けた瞬間の温かい空気。

バターの香り。

植物のやさしい香り。

その時間が、とても好きになりました。

お菓子を作るというより、その時間を味わっているのかもしれません。

〜ハーブスイーツとの出会い〜

そんな中で、私の暮らしに自然と溶け込んできたのがハーブでした。

カモミールのやさしい香り。

レモングラスの爽やかな印象。

レッドローズの華やかさ。

焼き菓子へ少し添えるだけで、いつものお茶の時間が少し違って感じられます。

「仕事」と「暮らし」は少し違います
仕事のお菓子作りは、多くの方に喜んでいただくためのものです。

一方、家のお菓子作りは、自分や家族のための時間です。
どちらも同じお菓子ですが、流れている時間は少し違います。

その違いがあるからこそ、今まで続けてこられたのだと思います。

〜今も変わらず好きなこと〜

「パティシエは家でもお菓子を作るのですか?」

もし改めて聞かれたら、私はこうお答えします。

「はい、作ります。」

でも、それは昔とは少し理由が違います。

誰かに評価してもらうためではなく、

家族と一緒に食べるため。

焼きたての香りを楽しむため。

そして、穏やかな時間を過ごすためです。

数え切れないくらいのお菓子を作り続けてきましたが、今でもオーブンから漂う香りには、自然と足が止まります。

その瞬間が好きだから、私は今日もお菓子を焼いているのだと思います。


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