甘いものが好きなのに、お菓子作りを始めない人が多いのはなぜ?パティシエが感じてきたこと

2026年07月17日 09:09
日本ハーブスイーツ協会

「お菓子を食べるのは大好きなんです。」

そうおっしゃる方は、本当にたくさんおられます。
でも、そのあとに続く言葉は、意外と同じです。

「でも、自分で作るのは難しそう。」

30年間、お菓子に携わってきて、この言葉を何度聞いたか分かりません。

甘いものが好きな人はたくさんいる。

それなのに、お菓子作りを始める方は、思っているほど多くありません。
なぜなのでしょうか。

今日は、その理由について、私なりに感じてきたことをお話しします。

〜「失敗したくない」が最初の壁〜

一番多い理由は、とてもシンプルです。

「失敗したらどうしよう。」

その気持ちです。

レシピを見ても、

「ちゃんと膨らむかな。」

「固くならないかな。」

「材料がもったいないかな。」

そんな不安が先に立ってしまいます。
でも、それはとても自然なことです。

誰でも初めては初心者です。

〜お店の完成形を見すぎている〜

今は、おいしそうなお菓子の写真を毎日のように目にします。
お店に並ぶ、美しく仕上がったケーキや焼き菓子。

それを見ていると、

「こんなにきれいには作れない。」

と思ってしまうことがあります。

でも、家のお菓子は違います。

少し形が不揃いでも、

少し焼き色が濃くても、

焼きたてのおいしさは、家庭ならではの魅力です。

〜「作ること」より「食べること」を想像してしまう〜

お菓子作りを始めて長く続く方は、

完成だけを楽しみにしているわけではありません。

粉を量る。

生地を混ぜる。

焼き上がる香りを楽しむ。

その時間そのものが好きなのです。
だから続きます。

逆に、完成だけを目標にすると、失敗したときに苦しくなってしまいます。

〜小さく始めると世界が変わる〜

私は初心者の方へ、

いつも「難しいものから始めなくて大丈夫ですよ」とお伝えしています。

クッキーでも十分です。

マフィンでも十分です。

一回焼いてみる。

それだけで、お菓子作りへの印象は大きく変わります。

〜ハーブは「特別なもの」ではありません〜

お菓子作りに少し慣れてくると、

「香りも楽しんでみたい。」

そう思われる方もいらっしゃいます。

そこで出会うことがあるのがハーブです。

植物の香りが少し加わるだけで、
いつもの焼き菓子が、少し違う表情を見せてくれます。

それは難しい技術ではありません。
暮らしの楽しみが、一つ増える感覚です。

〜私がキャリアで一番感じたこと〜

お菓子を作り続けてきて思うことがあります。

お菓子作りが得意な人と、苦手な人の違いではありません。
長く楽しめる人は、

「今日は楽しかった。」

と言える人です。

その一言があるから、また次も作りたくなります。

もし今、

「いつか作ってみたい。」

そう思っておられるなら、その「いつか」は今日でもいいのかもしれません。
完璧なお菓子ではなくても構いません。

焼き上がる香りを楽しみながら過ごした時間は、きっと思っている以上に心に残ります。

その一歩が、やがて暮らしの中の大切な楽しみになっていくと、私は信じています。


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