オーブンを開けると、甘く香ばしい香りの奥から、ふわりと華やかな薔薇の気配が立ち上ります。
ミルしたドライレッドローズを練り込み『レッドローズの抜き型クッキー』を焼き上げました。
最初は、友達に渡していただけだったんです。
家のおやつの延長みたいな感じですから、パティシエのお店みたいに立派にはできないんですよね。
それでも、小さな台所から始まる仕事の景色は、思いのほか心地よくて。
袋を折りながら焼き上がりを待つ時間に、なんだかじんわりとした幸せを感じたりします。
大きく広げようと頑張らなくても、無理なく続けられる形が、今の私にはちょうどよかったみたいです。
「売る」という大層なことではなくて、自分の好きな香りを、誰かへそっと手渡していくような感覚。
暮らしのバランスを壊さないまま、小さな灯りをともすように働き続ける。
そんな静かな営みが、慌ただしい日々の中で、私自身の心を一番整えてくれているのかもしれません。
今回のクッキーは、焼き上がりのやさしい茶色の中に、細かな薔薇の花びらが静かに混ざり合っています。
お気に入りの紅茶を淹れて、袋を開けた瞬間の、あの香りの余韻。
それを受け取ってくださった誰かの、ほっと息をつくティータイムを想像するだけで、胸の奥が温かくなります。
「美味しい」という言葉も嬉しいけれど、その人の日常のひとコマに、私の作ったお菓子がそっと馴染んでいることが、何より愛おしいんですよね。
最初から完璧な何かを目指さなくても、きっと大丈夫です。
自分の手の届く範囲で、お湯を沸かすような自然さで、少しずつ誰かと分かち合っていく。
そんな、暮らしを大切にしながらの働き方があってもいいんじゃないかな、と思うのです。
あなたの普段の日常に、穏やかなハーブの香りを。
日本ハーブスイーツ協会の『ハーブスイーツマイスター講座』にて、その入口を静かにご用意しています。
このレッドローズの抜き型クッキーの『趣味として楽しむハーブスイーツ』についての過去記事はこちら。
https://www.herbsweets-japan.com/blog/180522/
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■まず最初に、全体像を静かに読み進めたい方はこちらをどうぞ▼
[https://www.herbsweets-japan.com/blog/173534/]