妻は、長くお菓子を作ってきました。
ただ甘いものを作る、というよりも、
その時その時の暮らしや、気持ちや、季節の空気まで一緒に焼き上げるような人です。
ハーブスイーツも、そうでした。
香りがやさしいこと。
見た目がきれいなこと。
食べると、ふっと気持ちがほどけること。
そういう一つ一つを大切にしながら、少しずつ形にしてきたのが、妻のレシピです。
だから私は、それをただのレシピとして終わらせたくありませんでした。
もちろん、レシピは大事です。
分量や手順があるからこそ、同じお菓子を形にすることができます。
けれど、本当に伝わってほしいものは、それだけではありませんでした。
なぜこのハーブを選んだのか。
なぜこの焼き菓子の形だったのか。
なぜ強い香りではなく、やさしい余韻を選んだのか。
どんな場面で食べると、このお菓子がいちばん自然に馴染むのか。
そういうものは、材料表や作り方だけでは、なかなか残りません。
お菓子には、その人の感覚や、美意識や、暮らし方がにじむのだと思います。
妻のハーブスイーツにも、それがありました。
私はずっとそばで見てきたからこそ、なおさらそう感じます。
せっかく時間をかけて育ててきたものを、
「作り方」だけにしてしまうのは、少し違う気がしていました。
もっと言えば、妻が積み重ねてきたものは、
単なるお菓子作りの工夫ではなくて、
ひとつの小さな文化のようなものだと思ったのです。
ハーブをお菓子にすること。
香りを味わいに変えること。
誰かの午後や、贈り物の時間や、静かな休息に寄り添うこと。
そういう世界ごと、きちんと残したいと思いました。
だから、講座という形にしました。
そしてブログでも、レシピだけではない言葉を重ねています。
ハーブスイーツそのもののこと。
ハーブのこと。
香りのこと。
季節のこと。
味わいの余韻のこと。
暮らしの中で、どう楽しめるかということ。
少し遠回りに見えるかもしれません。
けれど私たちにとっては、この遠回りこそが必要でした。
ただ作れる、で終わるのではなく、
なぜそれを作るのかまで伝わる形にしたかったからです。
レシピは、たしかに大切です。
でも、本当に残したかったのは、レシピの向こう側にあるものです。
妻が長く大切にしてきた感覚。
お菓子に込めてきたやさしさ。
そして、ハーブスイーツのある時間の豊かさ。
それらを、ただの一枚の作り方で終わらせず、
ひとつの世界として手渡していきたい。
そんな思いから、今の形になっていきました。
もしこのブログを通して、
ハーブスイーツの奥にある空気まで少しでも伝わったなら、
それは私たちにとって、とても嬉しいことです。
日本ハーブスイーツ協会
事務局長
白水諭
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