『レッドローズの抜き型クッキー』
このハーブスイーツに使用しているハーブ、バラの歴史について少しお話しさせていただきますね。
古くから「花の女王」として世界中で愛されてきたバラは、単にその美しさを愛でるだけでなく、人々の心と体を癒やすハーブとしても大切に受け継がれてきました。
バラと人類の関わりは驚くほど古く、数千万年前の化石が見つかっているほどですが、ハーブとして重宝され始めたのは古代メソポタミアやエジプトの時代と言われています。
当時の人々は、バラの芳醇な香りに神聖な力を感じ、香油として身にまとったり、お祝いの儀式に用いたりしていました。
絶世の美女として知られるクレオパトラも、バラの香りをこよなく愛し、お風呂に花びらを浮かべるだけでなく、寝室を膝の高さまでバラの花びらで埋め尽くしたという華やかな逸話が残っています。
中世ヨーロッパに入ると、バラは修道院の薬草園で「薬用植物」として栽培されるようになります。
修道士たちはバラの花びらから蒸留水を作り、貴族や庶民の心身のケアに役立てていました。
特に赤いバラは情熱や愛の象徴とされる一方で、その成分には収れん作用やリラックスをもたらす力があると考えられ、心に安らぎを与えるハーブとして珍重されてきたのです。
観賞用のバラが品種改良を経て香りを失っていく中で、香りの強い「原種」に近いバラは、エディブルフラワー(食用花)やハーブティーの原料として、今もなお私たちの食卓に彩りを与えてくれています。
今回のようにドライにしたレッドローズをミルで細かくして生地に練り込む手法は、バラが持つ高貴な香りと繊細な風味を余すことなく楽しむための、とても贅沢で優しい知恵と言えるでしょう。
焼き上がる瞬間にオーブンから漂う香りは、かつて王侯貴族たちが愛した歴史の香りそのものです。
一枚のクッキーの中に閉じ込められた長い歴史の物語に思いを馳せながら、温かいお茶と一緒にゆっくりとしたティータイムを過ごしてみてくださいね。
バラの持つ優雅なエネルギーが、あなたの日常をふんわりと包み込んでくれるはずです。
詳しいレシピなどは、日本ハーブスイーツ協会の『ハーブスイーツマイスター講座』のホームページにてご紹介しています。
このハーブスイーツの『お菓子とハーブの親和性』についての過去記事はこちら。
https://www.herbsweets-japan.com/blog/171763/
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■まず最初に、全体像を静かに辿りたい方はこちら▼
https://www.herbsweets-japan.com/blog/173534/