ハーブスイーツという言葉を聞くと、
「ハーブスイーツ専門店を開くのですか?」
そんなふうに思われる方もいらっしゃるかもしれません。
もちろん、ハーブスイーツを専門に扱うお店という形も、とても素敵だと思います。
けれど、ハーブスイーツの可能性は、それだけではありません。
今すでに営んでいるお店や教室、カフェや焼き菓子店などに、ひとつの新しい専門性として加える。
そんな取り入れ方もできます。
たとえば、ドーナツ屋さん。
いつものドーナツの中に、ハーブを使った季節限定の商品を数種類だけ加えてみる。
焼き菓子店なら、マフィンやスコーン、クッキーの一部をハーブスイーツとして展開してみる。
カフェなら、デザートやドリンクにハーブの香りを添えてみる。
料理教室やお菓子教室なら、季節のハーブスイーツ講座を新しく設けてみる。
すべてを変えなくてもいいのです。
今ある事業の中に、小さな新しい世界をひとつ加える。
それが、ハーブスイーツの面白いところだと思っています。
〜埋もれやすい業種だからこそ、「違い」が大切になる〜
お菓子や飲食の世界には、魅力的なお店がたくさんあります。
焼き菓子店も、カフェも、ケーキ店も、パン屋さんも、教室もあります。
だからこそ、お客様から見たときに、
「このお店は何が特徴なのだろう」
という部分が、とても大切になります。
味がおいしいこと。
丁寧に作られていること。
素材にこだわっていること。
もちろん、それらはとても大切です。
けれど、それだけではお客様に違いが伝わりにくいこともあります。
そんなとき、
「ハーブを使ったお菓子があるお店」
という特徴は、ひとつの分かりやすい違いになります。
たとえば、
「オレンジのマフィン」
と、
「カモミールとオレンジのマフィン」
では、受ける印象が少し違います。
「チョコレートケーキ」
と、
「ローズとカカオのチョコレートケーキ」
でも、そこから想像される世界は変わります。
ハーブは、味や香りを加えるだけの素材ではありません。
商品に背景を与えたり、季節を感じさせたり、お客様との会話を生んだりする素材でもあります。
〜季節ごとに変化をつけやすい〜
ハーブスイーツのもうひとつの魅力は、季節との相性の良さです。
春には、カモミールやローズ。
初夏から夏には、ミントやレモンバーベナ、レモングラス。
秋には、ローズマリーやタイム。
冬には、チョコレートやスパイスとハーブを組み合わせる。
同じスコーンでも、同じマフィンでも、合わせるハーブを変えることで季節ごとの表情を作ることができます。
毎回まったく新しい商品を一から考えなくても、
「基本となるお菓子+季節のハーブ」
という考え方を持っていると、商品展開もしやすくなります。
お客様にとっても、
「今度は何が出るのだろう」
という楽しみにつながります。
作り手にとっては、季節ごとの発信材料にもなります。
春の庭。
夏の畑。
秋の香り。
冬の焼き菓子。
ハーブは、商品だけではなく、そのまわりにある景色まで含めて伝えやすい素材です。
〜すべての商品をハーブスイーツにしなくてもいい〜
ここは、とても大切なところです。
ハーブスイーツを取り入れるからといって、お店の商品をすべてハーブスイーツに変える必要はありません。
むしろ、最初は数種類から始める方が自然です。
10種類の商品があるなら、そのうち2種類だけ。
20種類あるなら、その中に季節限定として数種類。
それくらいでも十分です。
少量から始めることができれば、仕込み量も調整しやすくなります。
売れ方を見ながら増やすこともできますし、季節ごとに入れ替えることもできます。
大きな設備投資をして、新しい業態を一から始めるのとは違います。
今ある設備。
今あるレシピ。
今あるお客様。
そこに、新しい香りや考え方を少し加える。
そのくらいの距離感から始められるのも、ハーブスイーツの良さだと思います。
〜ロスを抑えながら試しやすい〜
事業として考えたとき、作りたいものだけではなく、
「作ったものがきちんと売れるか」
という視点も欠かせません。
新しい商品を大量に仕込んでも、売れなければロスになります。
その点、焼き菓子を中心としたハーブスイーツなら、小さなロットから試しやすいものも多くあります。
まず少量だけ作ってみる。
お客様の反応を見る。
人気があれば増やす。
反応が弱ければ、別の組み合わせに変えてみる。
この調整がしやすいことは、小さなお店にとって大きなメリットです。
特に、すでに販売しているスコーンやクッキー、マフィン、パウンドケーキなどがある場合は、その一部をハーブアレンジすることもできます。
基本の製法を大きく変えずに、商品に新しい特徴を加えることができる場合もあります。
〜「作りやすい・管理しやすい」という視点〜
事業は、見た目の華やかさだけでは続きません。
仕込み。
保存。
在庫。
材料管理。
製造時間。
作業動線。
こうした日々の積み重ねがあります。
商品が複雑すぎると、作る側の負担が大きくなります。
ハーブスイーツは、取り入れ方次第では既存の商品構成の中に組み込みやすく、比較的管理しやすい形に整えることができます。
たとえば、基本となる生地は共通にして、ハーブや副素材だけを変える。
季節ごとに使用するハーブを絞る。
仕入れるハーブの種類を増やしすぎない。
こうした設計をすることで、商品の種類を増やしながら、厨房の複雑さを増やしすぎないこともできます。
これは、小さなお店ほど大切な考え方です。
〜商品だけではなく、「世界観」を加えることができる〜
ハーブスイーツを事業に取り入れる面白さは、商品そのものだけではありません。
お店全体の世界観にもつながります。
たとえば、
庭で育てたハーブ。
季節の草花。
ハーブを摘む時間。
焼き上がるお菓子。
ハーブティーと一緒に楽しむ時間。
こうした風景は、そのままお店の発信になります。
SNSにも使えます。
ブログにも書けます。
店頭でお客様に説明することもできます。
ひとつの商品から、いくつもの物語が生まれます。
価格だけで比べられる商品ではなく、
「このお店だから食べてみたい」
と思っていただくための世界観をつくる。
そこにも、ハーブスイーツの可能性があります。
〜女性のお客様との接点にもなりやすい〜
ハーブや植物、季節の香り、焼き菓子。
こうした世界観に惹かれる方は少なくありません。
だからこそ、
「もう少し女性のお客様に来ていただきたい」
「店内や商品の雰囲気に、やわらかさを加えたい」
というお店にとっても、ハーブスイーツはひとつの選択肢になるかもしれません。
ただし、単にハーブを使えば女性のお客様が増える、という単純な話ではありません。
大切なのは、
どんな商品として見せるのか。
どんな写真で伝えるのか。
どんな言葉で説明するのか。
どんな空間で提供するのか。
そうしたものが重なって、ひとつの世界観になります。
ハーブは、その世界を組み立てるための、とても面白い素材です。
〜教室にも取り入れやすい〜
これは、飲食店や菓子店だけの話ではありません。
料理教室やお菓子教室にも、ハーブスイーツは取り入れることができます。
すでにお菓子教室をしている方なら、
「季節のハーブスイーツ」
という新しい講座をつくることができます。
料理教室なら、食事だけでなく、食後のお菓子やおもてなしの一品として提案することもできます。
ハーブ教室をしている方なら、
「育てる」「学ぶ」だけではなく、
「お菓子にして味わう」
という出口をつくることもできます。
教室という事業では、
「何を教えている教室なのか」
が分かりやすいことも大切です。
ハーブスイーツという専門性を持つことで、
一般的なお菓子教室とは少し違う印象をつくることもできます。
〜まだ大きな市場ではないからこその可能性〜
ハーブスイーツは、まだ誰もが知っている大きなジャンルではありません。
だからこそ、
「ハーブのお菓子って、どんな味なんだろう?」
と思われることもあります。
これは、難しさのひとつです。
知られていないものは、説明が必要です。
味を想像していただく工夫も必要です。
試食や体験の機会も役立ちます。
けれど、見方を変えれば、それはとても大きな可能性でもあります。
すでに成熟した大きなジャンルでは、同じ商品を扱う競合も多くなります。
一方で、ハーブスイーツを本格的に扱っているお店や教室は、地域によってはまだ多くありません。
だからこそ、
「地域でハーブスイーツといえば、このお店」
という立ち位置をつくれる可能性があります。
もちろん、競合が少ないから必ず売れるということではありません。
まだ知られていないものだからこそ、知っていただく努力は必要です。
ただ、
「競合が少ない」
「まだ知られていない」
という二つは、表裏一体でもあります。
だからこそ、これから育てることのできるジャンルなのだと思います。
〜ハーブスイーツ専門店だけが答えではありません〜
私は、ハーブスイーツを仕事にするとき、
必ずしも専門店をつくる必要はないと思っています。
もちろん、専門店という道もあります。
けれど、
ドーナツ屋さんにハーブドーナツが数種類ある。
カフェに季節のハーブスイーツがある。
焼き菓子店に、ハーブを使った商品が並ぶ。
お菓子教室に、ハーブスイーツの講座がある。
そんな形でもいい。
今ある仕事を捨てて、新しいことを始めるのではなく、
今ある仕事に、新しい引き出しをひとつ増やす。
そのくらいからでも始めることができます。
〜「小さな専門性」が、事業の景色を変えることがある〜
事業をしていると、
「もっと何か特徴が必要なのではないか」
と感じることがあります。
でも、すべてを変える必要はないのかもしれません。
新しい看板を掲げなくてもいい。
新しい店舗をつくらなくてもいい。
商品を全部入れ替えなくてもいい。
今ある仕事の中に、
ひとつだけ新しい専門性を加えてみる。
その小さな違いが、お客様に見つけてもらう理由になることがあります。
ハーブスイーツは、
独立したひとつのジャンルであると同時に、
既存の事業に加えることのできる「小さな専門性」でもあります。
今のお店に、もうひとつ特徴を加えたい方。
季節ごとに商品に変化をつけたい方。
お客様に覚えていただける世界観をつくりたい方。
教室に新しい講座を加えたい方。
そんな方にとって、
ハーブスイーツという選択肢があることを知っていただけたらうれしく思います。
日本ハーブスイーツ協会では、ハーブスイーツについて、素材の特徴や組み合わせ方、香りの考え方、レシピづくりなど、さまざまな角度からお伝えしています。
「ハーブをお菓子に使う」ということが、一時的なアレンジではなく、ひとつの技術や専門性として広がっていく。
その可能性を、これからも少しずつお伝えしていきたいと思います。
そして、受講中も修了後も、各講座に設けたサポート期間を通して、専門講師による無料メールサポートにて、レシピ開発のアドバイス、事業へ無理なく落とし込む方法なども丁寧にお伝えしています。
日本ハーブスイーツ協会
白水
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あなたの普段の日常に、穏やかなハーブの香りと学びを。
ご自宅で気軽に楽しむ初級講座から、資格取得を目指す講座まで。講座の内容やそれぞれの学び方は、『ハーブスイーツマイスター講座のご案内』にてご覧いただけます。
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https://www.herbsweets-japan.com/
他の記事もお読みになりたい方へ。私たち日本ハーブスイーツ協会の活動や、私たちがハーブスイーツを好きになったきっかけなどをまとめています。
https://www.herbsweets-japan.com/blog/cate/15677/
やさしく学ぶハーブスイーツの小さなお便りを、
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