ハーブスイーツを仕事にしたい。
そう思ったとき、
お店を持つ。
たくさん販売する。
教室を大きくする。
たくさんの人に知ってもらう。
そんな姿を思い浮かべることがあります。
もちろん、それもひとつの形です。
でも、仕事は大きく始めなければならないわけではありません。
月に数回だけ。
少人数だけ。
ひとつの商品だけ。
小さな教室から。
自分の暮らしに無理のない範囲から。
そんな始め方もあります。
むしろ、ハーブスイーツのように、香りや季節、手仕事を大切にするものだからこそ、小さく丁寧に届ける働き方が似合うこともあります。
今回は、「小さく始める」という視点から、ハーブスイーツを仕事にする形をやさしく考えてみたいと思います。
〜小さく始めることは、消極的な選択ではありません〜
「小さく始める」
と聞くと、
まだ自信がないから。
資金がないから。
本格的ではないから。
そんな印象を持つことがあるかもしれません。
でも、小さく始めることは、必ずしも消極的な選択ではありません。
自分が見られる範囲で。
責任を持てる範囲で。
丁寧に届けられる範囲で。
まず始めてみる。
それは、とても現実的な働き方です。
〜最初から大きな場所は必要ありません〜
ハーブスイーツの仕事というと、
店舗。
工房。
専用の教室。
立派な設備。
そんなものを想像することがあります。
でも、仕事内容によっては、最初から大きな場所を持つ必要はありません。
少人数の教室。
レンタルキッチン。
イベントへの参加。
レシピづくり。
オンラインで伝える活動。
文章や写真での発信。
いろいろな形があります。
まずは、自分が本当に必要とする場所を考えます。
〜商品も、最初からたくさんなくていい〜
販売を考えると、
クッキー。
スコーン。
パウンドケーキ。
マフィン。
季節の商品。
ギフト。
たくさん並べたくなることがあります。
でも、商品が増えるほど、
材料。
仕込み。
在庫。
包装。
表示。
管理。
考えることも増えます。
最初は、
「これなら丁寧に作れる」
という一品からでも構いません。
〜一つの商品を深く育てる方法があります〜
たとえば、
ローズマリーのスコーン。
ひとつに絞ってみます。
何度も作る。
香りを調整する。
焼き方を整える。
包装を考える。
食べた人の感想を聞く。
少しずつ完成度を高める。
商品を増やす前に、ひとつを育てる。
そんな仕事の作り方もあります。
〜教室なら、一人や二人からでも始められます〜
教室も同じです。
最初から十人を集めなくても構いません。
一人。
二人。
少人数なら、
参加者の手元を見ることができます。
質問も聞きやすい。
香りの違いも一緒に確かめやすい。
初めて教える側にとっても、学ぶことがたくさんあります。
小さいからこそできる教室があります。
〜月に一度でも、仕事にはなります〜
仕事というと、
毎日。
毎週。
たくさん。
そんなイメージがあります。
でも、
月に一度の教室。
季節ごとのワークショップ。
月に数回だけの販売。
そうした形もあります。
大切なのは、回数ではなく、
仕事としてきちんと届けること。
そして、自分が続けられることです。
〜本業を続けながら始める方法もあります〜
ハーブスイーツを仕事にしたいからといって、
今の仕事をすぐ辞めなければならないわけではありません。
本業を続けながら。
子育てをしながら。
家族との暮らしを守りながら。
空いている時間で、小さく始める。
その方法もあります。
実際にやってみることで、
どのくらい時間が必要なのか。
自分に合っているのか。
続けたいのか。
少しずつ見えてきます。
〜小さく始めると、修正しやすくなります〜
最初の考えが、そのまま正解とは限りません。
販売したかったけれど、教えるほうが好きだった。
教室をしたかったけれど、レシピづくりが楽しかった。
焼き菓子をたくさん作るより、少人数に丁寧に届けたいと思った。
実際に始めてみると、自分でも知らなかったことが見えてきます。
小さく始めていれば、方向を変えやすくなります。
〜失敗も、小さく経験できます〜
仕事を始めれば、思い通りにならないこともあります。
売れなかった。
人が集まらなかった。
準備に時間がかかりすぎた。
価格が合っていなかった。
香りの好みが分かれた。
それでも、最初の規模が小さければ、
原因を見る。
少し直す。
もう一度試す。
ということがしやすくなります。
失敗しないために小さくするのではなく、学びやすくするために小さくする。
そんな考え方もできます。
〜ハーブスイーツは、大量に作ることだけが価値ではありません〜
ハーブスイーツには、香りがあります。
植物による違いがあります。
季節があります。
一種類ずつ確かめながら作る楽しさがあります。
そのため、
たくさん作ったから価値が高い。
たくさん売ったからよい。
とは限りません。
少量だからこそ、香りを丁寧に見られることもあります。
〜季節に合わせて仕事量を変えてもいい〜
ハーブは、季節とのつながりを楽しめる素材です。
春。
初夏。
秋。
冬。
季節によって使いたいハーブも変わります。
働き方も同じように、
忙しい季節は少なく。
余裕のある季節は少し増やす。
そんな変化があっても構いません。
一年中、同じ仕事量を保たなければならないわけではありません。
〜暮らしを守れる大きさを考える〜
仕事を始めると、
もっと。
もう少し。
せっかくだから。
と広げたくなることがあります。
でも、そのために、
家族との時間がなくなる。
休む時間がなくなる。
好きだったお菓子作りが苦しくなる。
それでは、長く続けるのが難しくなります。
自分の暮らしを守れる大きさを知ることも、働き方を考えるうえで大切です。
〜「できる量」と「続けられる量」は違います〜
一週間だけなら、たくさん作れる。
一か月だけなら、頑張れる。
でも、それを一年続けられるか。
これは別の話です。
仕事にするなら、
最大でどれだけできるか。
ではなく、
無理なく続けられる量はどのくらいか。
と考えます。
続けられる量のほうが、自分にとって本当の仕事量かもしれません。
〜小さい仕事でも、責任は小さくなりません〜
規模が小さいからといって、仕事としての責任がなくなるわけではありません。
販売するなら、
衛生。
表示。
アレルギー。
保存。
必要な許可やルール。
教室なら、
安全。
使用する材料。
開催場所。
参加者への説明。
必要な確認をします。
小さく始めることと、曖昧に始めることは違います。
〜お金をいただくなら、価格を考えます〜
少量だから安く。
知り合いだから安く。
最初だから安く。
そうした気持ちになることがあります。
でも、仕事として続けるなら、
材料。
包材。
場所。
光熱。
準備。
片付け。
自分の時間。
そうしたものを含めて考えます。
小さな仕事だからこそ、一回一回を無理のない形にすることが大切です。
〜利益が小さくても、赤字で続ける必要はありません〜
始めたばかりだから、
利益がなくても仕方ない。
と思うことがあります。
試作や学びの期間には、費用がかかることもあります。
でも、仕事として続けるなら、
続けるほど苦しくなる形。
持ち出しが増え続ける形。
には注意が必要です。
小さくても、きちんと循環する形を考えます。
〜大きくすることを目標にしなくてもいい〜
仕事を始めると、
次は売上を増やそう。
次は人数を増やそう。
次は店舗を持とう。
という流れを想像しがちです。
でも、必ずしも大きくし続ける必要はありません。
月に二回の教室が心地よい。
少量の焼き菓子販売がちょうどよい。
その規模を長く続ける。
それも立派な仕事です。
〜「小さいまま完成している」という形もあります〜
小さな仕事は、
大きな仕事へ進む途中。
とは限りません。
一人でできる範囲。
顔が見える人数。
季節ごとの開催。
少量の販売。
その形自体が自分に合っているなら、そこが完成形でもよいのです。
成長とは、必ずしも規模を増やすことだけではありません。
〜深くなることも、成長です〜
商品数は増えていない。
教室の人数も変わらない。
でも、
説明が分かりやすくなった。
香りの調整が上手になった。
常連の方が増えた。
自分の定番が育った。
仕事の流れが整った。
これも成長です。
横へ広げなくても、縦に深くなることがあります。
〜自分の得意な部分へ寄せていく〜
始めてみると、
自分は販売が好き。
教室が好き。
文章を書くことが好き。
企画を考えることが好き。
そんなことが見えてきます。
全部を自分でしなくても構いません。
自分の得意な部分を少しずつ中心にしていく。
小さな仕事だからこそ、自分らしい形へ調整しやすい面があります。
〜ハーブスイーツには、いろいろな仕事の形があります〜
販売。
教室。
ワークショップ。
レシピ作成。
記事執筆。
撮影。
商品開発。
講座。
イベント。
組み合わせることもできます。
でも、最初から全部する必要はありません。
一つ試してみる。
合わなければ変える。
楽しかったら続ける。
その繰り返しから、自分の働き方が見えてきます。
〜発信も、小さく始められます〜
仕事を始めるなら、
毎日SNSを更新しなければ。
動画も必要。
ホームページも必要。
そう思うかもしれません。
でも、発信も自分が続けられる形で構いません。
教室の日程を伝える。
作ったお菓子を紹介する。
ハーブについてひとつ書く。
必要な人へ、必要なことを届ける。
まずはそのくらいでもよいのです。
〜すべての人へ届けようとしない〜
小さな仕事では、
「誰に届けるのか」
が大切になります。
ハーブ初心者。
焼き菓子が好きな人。
季節の暮らしを楽しみたい人。
少人数で学びたい人。
相手が見えるほど、伝える内容も整いやすくなります。
たくさんの人に知られることより、
必要な人に見つけてもらうこと。
そんな考え方もあります。
〜一人のお客さまを大切にするところから〜
仕事を始めると、
何人来た。
何個売れた。
数字が気になります。
もちろん、数字も大切です。
でも、最初の一人。
最初に買ってくれた人。
最初に教室へ来てくれた人。
その人が、
「おいしかった」
「楽しかった」
「また来たい」
と思ってくれることも大切です。
小さな仕事は、一人との関係を丁寧に見ることができます。
〜口コミは、小さな仕事と相性があります〜
一人が楽しんでくれる。
誰かへ話してくれる。
また来てくれる。
少しずつつながる。
小さな教室や販売では、こうした広がり方もあります。
急に大勢へ届けるのではなく、一人ずつ知ってもらう。
時間はかかるかもしれません。
でも、そこから育つ仕事もあります。
〜急いで結果を求めすぎない〜
仕事を始めると、
すぐに申し込みがほしい。
すぐに売れたい。
早く形にしたい。
そう思うことがあります。
でも、新しい仕事は、知ってもらうまでにも時間がかかります。
自分自身も、始めてみなければ分からないことがあります。
小さく試しながら、少しずつ整えていく。
その時間も、仕事を育てる一部です。
〜必要になったら、少しだけ大きくする〜
教室が満席になるようになった。
もう少し開催しても無理がなさそう。
商品を増やしてほしいという声がある。
そんな変化が出てきたら、少し広げることもできます。
一人増やす。
一日増やす。
一商品増やす。
必要な分だけ。
大きくすることを先に決めるのではなく、必要が生まれてから考えます。
〜大きくしたあと、小さく戻してもいい〜
一度広げたからといって、その規模を守り続けなければならないわけではありません。
忙しくなりすぎた。
暮らしとのバランスが変わった。
もう少し丁寧に作りたい。
そう思ったら、減らしても構いません。
働き方は、自分の人生に合わせて変わっていくものです。
〜小さく始めると、自分の仕事を観察できます〜
何が喜ばれたか。
何に時間がかかったか。
自分は何が楽しかったか。
何が負担だったか。
どのくらいなら続けられるか。
仕事を小さくしておくと、こうしたことを見やすくなります。
まず動く。
そして観察する。
必要なところだけ整える。
その繰り返しで、仕事は自分に合った形へ近づいていきます。
〜好きなものを、嫌いにならない働き方を考える〜
ハーブスイーツが好きだった。
だから仕事にした。
でも、仕事にした途端、
毎日追われる。
数字ばかり気になる。
作ることが苦しい。
となってしまったら、少し寂しいものです。
仕事には責任があります。
楽しいことだけではありません。
それでも、
「この仕事を始めてよかった」
と思える余白を残しておくことは大切です。
〜休める仕組みも、仕事の一部です〜
自分一人で行う小さな仕事では、休むことも考えておきます。
休業日。
開催しない月。
注文数の上限。
受付期間。
できないときには受けない。
そうした決め方があります。
何でも受けることが仕事ではありません。
続けるために、受けないものを決めることも必要です。
〜自分に合った大きさは、やってみながら見つかります〜
始める前から、
「月に何人が正解」
「何個売るのが理想」
と決めることは難しいものです。
実際に始めてみる。
少し忙しい。
少し余裕がある。
ちょうどいい。
身体や暮らしの感覚も見ながら、自分に合った量を探します。
働き方にも、自分なりの適量があります。
〜小さな仕事にも、ちゃんと価値があります〜
一日に数個しか作らない。
月に一度しか教室をしない。
一度に二人しか受けない。
数字だけを見ると、小さく見えるかもしれません。
でも、
その数個を楽しみにしている人がいる。
その二人のために丁寧に準備する。
そこには、ちゃんと価値があります。
規模と価値は、同じものではありません。
〜ハーブスイーツだからこそ、小さく丁寧に届ける〜
ハーブスイーツには、
香りを感じる時間があります。
季節を感じる楽しみがあります。
一種類の植物を知るおもしろさがあります。
だからこそ、
急いでたくさん作るだけではなく、
一つずつ丁寧に届ける働き方もよく似合います。
今日はカモミール。
次の季節にはローズマリー。
少人数の教室で、一緒に香りを確かめる。
小さな焼き菓子を、必要な分だけ作る。
そんな仕事の形もあります。
〜小さく始めて、自分に合う形へ育てていく〜
ハーブスイーツを仕事にしたいと思ったとき、
最初から完成形を決めなくても構いません。
まず一つの商品。
まず一回の教室。
まず一人のお客さま。
そこから始めます。
やってみる。
振り返る。
少し直す。
またやってみる。
必要なら増やす。
多すぎたら減らす。
そうしながら、自分の暮らしと仕事がちょうどよく重なる場所を探していきます。
仕事は、大きくしなければ意味がないものではありません。
小さくても。
丁寧に続いている。
誰かに喜んでもらえている。
自分にも無理がない。
必要なものがきちんと循環している。
それも、ひとつの豊かな働き方です。
ハーブスイーツを通して、
自分の好きなことを。
自分にできる大きさで。
必要な人へ届けていく。
そんな小さな働き方から始めてもよいのだと思います。
日本ハーブスイーツ協会
白水
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