『教室を開きたい方へ、最初の一歩 』

2026年09月12日 01:32
日本ハーブスイーツ協会

ハーブスイーツを作ることが好き。

誰かと一緒に作る時間も好き。

自分が学んできたことを、いつか誰かに伝えてみたい。

そんな気持ちが少しずつ育ってくると、

「教室を開いてみたいな」

と思うことがあります。
でも、そう思った瞬間に、

どこで開くの?

何人集めるの?

料金はいくら?

道具はどれくらい必要?

資格は?

集客は?

SNSは?

と、急に考えることが増えてしまいます。
すると、

「やっぱり私にはまだ早いかな」

と思ってしまうこともあるでしょう。
けれど、教室を開く最初の一歩は、いきなり大きく始めることではありません。
まず、

「誰に、どんな時間を届けたいのか」

を考えるところから始まります。

今回は、ハーブスイーツの教室をいつか開いてみたい方へ、最初に考えておきたいことをやさしく整理してみたいと思います。

〜まず「なぜ教室を開きたいのか」を考えてみる〜

教室を開きたいと思ったら、最初に少しだけ自分へ問いかけてみます。

なぜ、教室をしてみたいのだろう。

ハーブスイーツの楽しさを伝えたい。

作る時間を誰かと共有したい。

自分が学んできたことを役立てたい。

家で楽しめるお菓子を伝えたい。

誰かの新しい趣味のきっかけになれたらうれしい。

理由は何でも構いません。
でも、この理由が少し見えていると、そのあとの教室づくりがぶれにくくなります。

〜「教えること」が本当に好きかを考えてみる〜

お菓子を作ることが好き。

それと、

人に教えることが好き。

これは、少し違います。
自分で作るなら、自分のペースで進められます。

でも教室では、

相手がどこで迷っているかを見る。

手を止めて説明する。

同じことを別の言葉で伝える。

待つ。

一緒に確認する。

そんな時間があります。

だから、

「私は作ることだけでなく、人と一緒に作ることも好きかな」

と考えてみます。

〜上手に話せなくても、教室はできます〜

教室というと、

説明が上手。

人前で話すのが得意。

何でも答えられる。

そんな人を想像するかもしれません。

でも、大切なのは話術だけではありません。

相手の様子を見る。

分からなそうなら立ち止まる。

質問を聞く。

必要なところを丁寧に説明する。

そうしたことも、教える力です。

たくさん話すことより、

「この人なら安心して聞ける」

と思ってもらえることのほうが大切な場合もあります。

〜最初から大人数を集めなくてもいい〜

教室を開くというと、

六人。

八人。

十人。

たくさんの人が集まる風景を思い浮かべることがあります。

でも、最初は一人でも構いません。
二人でも十分です。

むしろ少人数なら、

どこでつまずくのか。

どんな質問が出るのか。

どのくらい時間がかかるのか。

よく見ることができます。

最初の教室は、教える側にとっても学びの時間です。

〜まず一回だけ開いてみる方法もあります〜

「教室を始める」

と考えると、毎月続けなければならないように感じます。

でも、
まず一回。

それでもよいのです。

一度やってみる。
終わったあとに考える。

楽しかった?

時間は足りた?

説明しにくいところはあった?

またやってみたい?

実際に一回開くことで、頭の中だけでは分からなかったことが見えてきます。

〜誰に来てほしいのかを考える〜

教室を作るとき、

「誰でも歓迎」

と考えたくなることがあります。

でも最初は、
どんな人に来てもらいたいのか。
ここを少し具体的に考えると分かりやすくなります。

ハーブを初めて使う人。

お菓子作り初心者。

家庭で楽しみたい人。

親子で作りたい人。

すでにお菓子作りが好きな人。

相手が違えば、教える内容も変わります。

〜初心者向けなら、安心できることが大切です〜

初めてハーブスイーツを作る方なら、

「失敗しないかな」

「ハーブを使ったことがないけれど大丈夫?」

と不安に感じるかもしれません。

そんな方へ向けた教室なら、
難しい知識をたくさん伝えることより、

まず一つ作れる。

ひとつのハーブを知る。

楽しかったと思える。

そのくらいを目標にしてもよいでしょう。

〜経験者向けなら、少し深い内容も考えられます〜

すでにお菓子作りをしている人なら、

香りの組み合わせ。

ハーブの量。

素材との相性。

アレンジ。

そうしたところまで深めることもできます。

大切なのは、

初心者にも経験者にも同じ内容を届けようとしないことです。
誰に向けた時間なのかが見えると、内容も決めやすくなります。

〜最初のメニューは一つで十分です〜

教室を始めるなら、

たくさんのメニューが必要。

そう思うかもしれません。

でも、最初は一つで構いません。

カモミールのクッキー。

ローズマリーのスコーン。

ミントとチョコレートの焼き菓子。

自分が作り慣れていて、

説明しやすく、

参加者にも作りやすい。
そんな一品を選びます。

〜「自分が作れる」と「教えられる」は少し違います〜

何度も作っているお菓子でも、
教えるとなると新しいことに気づきます。

なぜここで混ぜすぎないのか。

どの状態になったら次へ進むのか。

どのくらい細かくハーブを刻むのか。

どこを見れば焼き上がりが分かるのか。

普段は感覚でやっていることを、言葉にする必要があります。

一度、

「初めての人へ説明するとしたら」

と考えながら作ってみるとよいでしょう。

〜一度、誰かに説明しながら作ってみる〜

本番の前に、

家族。

友人。

知人。

誰か一人に協力してもらい、
説明しながら一緒に作ってみる方法があります。

すると、
自分では当たり前だったところで質問が出る。

思ったより時間がかかる。

説明が足りないところがある。

そんなことに気づきます。

これはとてもよい練習になります。

〜教室では「待つ時間」もあります〜

自分一人なら、どんどん作業を進められます。

でも教室では、

参加者が混ぜる。

量る。

成形する。

考える。

その時間があります。

こちらがすぐ手を出してしまうと、参加した人が自分で作る時間がなくなってしまいます。
必要なところだけ伝え、少し待つ。

教室では、この「待つ」ことも大切です。

〜すべてを直さなくてもいい〜

クッキーの形が少し不揃い。

スコーンの大きさが少し違う。

生地のまとめ方が、自分とは少し違う。

安全や仕上がりに大きく影響しないなら、全部を直さなくてもよいことがあります。
参加者自身が作ったものだからこその楽しさがあります。
教室は、先生と同じ形にする場所だけではありません。

〜成功体験を持ち帰ってもらう〜

教室を終えたとき、

「難しかった」

だけが残るより、

「家でも作れそう」

と思ってもらえるとうれしいものです。
そのためには、最初から難しすぎる内容にしないことも大切です。

ひとつ作れた。

香りを知った。

楽しかった。

また作ってみたい。

そんな小さな成功体験を持ち帰ってもらいます。

〜ハーブの説明は、必要な分だけでいい〜

ハーブについて知っていると、

あれも伝えたい。

これも知ってほしい。

となることがあります。

でも、情報を一度に詰め込みすぎると、参加者は覚えきれません。

今日はカモミール。

どんな香りか。

今回のお菓子でどう使うか。

まずはそのくらい。
必要なことから少しずつ伝えるほうが、分かりやすくなります。

〜ハーブスイーツ教室でも、お菓子としてのおいしさを大切に〜

ハーブについて学ぶ教室だからといって、
ハーブの知識だけが主役ではありません。

焼き上がったものを食べて、

「おいしい」

と思えること。

これはとても大切です。

ハーブが入っているから特別なのではなく、
お菓子としておいしく、その中に香りの楽しさがある。
その土台を忘れないようにします。

〜食用として適切なハーブを使う〜

教室では、自分以外の人が口にします。
そのため、使用するハーブについては丁寧に確認します。

食用として販売・栽培されているものを使う。

保存状態を確認する。

適切に扱う。

基本的なことですが、とても大切です。

「植物だから大丈夫」

と曖昧にしないことが安心につながります。

〜アレルギーの確認も大切です〜

お菓子には、

小麦。

卵。

乳。

ナッツ類。

などを使うことがあります。
参加者には事前に使用材料を伝え、必要な確認をします。
ハーブだけに意識が向きやすいですが、お菓子全体の材料を見ることが大切です。

誰かに教えるということには、安全への配慮も含まれます。

〜衛生面も、教室の大切な土台です〜

手洗い。

器具。

布巾。

作業台。

材料の保管。

温度管理。

お菓子教室では、衛生面も欠かせません。
華やかなレッスン内容より先に、
安心して作れる環境があること。
そこが基本です。

〜開催場所についても確認します〜

自宅。

レンタルキッチン。

貸しスペース。

公共施設。

教室を開く場所にはいろいろあります。
それぞれ利用条件があります。

とくに食品を扱う場合には、
どのような利用が可能なのか。
参加費を受け取る教室として使えるのか。

必要な確認事項はないか。
事前に確認しておくと安心です。

〜自宅教室なら、暮らしとの境目も考える〜

自宅で教室を開く場合には、家族の暮らしとの関係もあります。

どこまでを教室として使うのか。

開催時間。

駐車。

近隣への配慮。

家族の予定。

無理なく続けるには、教室だけでなく普段の暮らしも守ることが大切です。

〜レンタルスペースには違うよさがあります〜

自宅へ人を招くことに抵抗があるなら、レンタルキッチンなどを利用する方法もあります。

生活空間と分けられる。

設備が整っている場合がある。

場所によっては参加者も来やすい。

そんなよさがあります。

一方で、

利用料。

時間制限。

持ち込み。

片付け。

などもあります。
自分に合う形を考えます。

〜最初から立派な教室空間を作らなくてもいい〜

教室を始めるなら、

きれいな家具。

専用の食器。

たくさんの道具。

撮影用の飾り。

全部そろえなければと思うことがあります。
でも、最初から完璧な空間は必要ありません。

清潔。

安全。

作業しやすい。

落ち着いて過ごせる。

まずはそこが整っていれば十分です。

〜道具も、必要な数から〜

人数が二人なら、必要な道具もその分です。
まだ来るか分からない十人分を、先に全部そろえなくても構いません。
教室が育って必要になったら増やす。

最初は小さく。

設備投資を大きくしすぎないことも、続けやすさにつながります。

〜レッスン時間は、実際より少し余裕を持つ〜

自分が一人で作ると一時間。

だから教室も一時間。

とは限りません。

説明する。

質問を受ける。

参加者が作業する。

焼き上がりを待つ。

片付ける。

試食する。

いろいろな時間があります。

練習したときの時間より、少し余裕を持って考えます。

〜試食の時間も教室の一部です〜

焼き上がったら、

「では、おしまいです」

では少しもったいないものです。

まだ温かいお菓子を食べる。

香りを確かめる。

どんな感じだったか話す。

お茶を飲む。

この時間も、ハーブスイーツ教室の大切な部分です。
作るだけでなく、味わうところまで含めてひとつの体験になります。

〜レシピは、家でも分かる形に〜

教室では説明を聞きながら作れます。
でも、自宅へ戻ると先生はいません。

そのため、

材料。

分量。

工程。

大切なポイント。

できるだけ分かりやすくまとめておきます。

「家でもまた作れた」

と思ってもらえるレシピは、教室の価値を長く残してくれます。

〜料金は、遠慮だけで決めない〜

初めて教室を開くと、

「まだ初心者だから安くしないと」

と思うことがあります。

でも、レッスンには、

材料。

場所。

光熱。

資料。

準備。

片付け。

自分の時間。

いろいろなものが含まれます。
参加しやすさを考えながら、自分も無理なく続けられる金額を考えます。

〜無料で練習する時期があってもいい〜

もちろん、

最初は友人に協力してもらって練習したい。

そんな時期があっても構いません。

大切なのは、

今は練習なのか。

仕事としての教室なのか。

自分の中で区別しておくことです。
いつまでも自信がないから無料、となると続けにくくなります。

〜集客は、教室を作ってから考えても遅くありません〜

教室を開きたいと思った瞬間、

「Instagramを頑張らないと」

「フォロワーを増やさないと」

と思うことがあります。

でも、まず、

誰向けの教室なのか。

何を作るのか。

どんな時間なのか。

これが決まっていないと、何を発信すればよいかも分かりません。

中身を作る。
そのあと届ける。

順番はそれでも大丈夫です。

〜最初のお客さまは、身近なところからでも〜

知人。

友人。

以前から自分のお菓子に興味を持ってくれている人。
最初は、そんな小さなところから始まることもあります。
いきなり知らない人を何十人も集めなくても構いません。

一人の参加者と丁寧に時間を過ごす。
そこから学べることはたくさんあります。

〜人が来なかったら、内容を見直せばいい〜

募集しても、すぐに申し込みが入らないことがあります。
それだけで、

「教室に向いていない」

と決める必要はありません。

日時。

場所。

内容。

価格。

伝え方。

まだ知られていないだけ。
いろいろな理由があります。
一度で答えを出さず、少しずつ見ていきます。

〜参加者の声は、次の教室を育ててくれます〜

レッスンのあと、

どこが楽しかったか。

難しかったところはあったか。

時間はどうだったか。

家でも作れそうか。

聞いてみます。

全部をそのまま変更する必要はありません。
でも、実際に参加した人の声には、次の教室を考えるヒントがあります。

〜自分自身の振り返りも大切です〜

教室が終わったら、

うまく説明できたところ。

慌てたところ。

時間が足りなかったところ。

楽しかったところ。

簡単に書いておきます。

二回目には、少し変える。

三回目には、また整える。

教室も、お菓子と同じように繰り返しながら育っていきます。

〜何でも答えられる先生にならなくてもいい〜

質問を受けたとき、
分からないことがあるかもしれません。

そんなときは、
曖昧に答えるより、

「確認しておきますね」

で構いません。

すべて知っていることより、正確に伝えようとする姿勢のほうが大切です。

〜自分が学び続けることも教室の土台になります〜

教えるようになると、

「先生になったのだから、もう学ぶ側ではない」

と思うかもしれません。
でも、むしろ教えることで新しい疑問が出てきます。

参加者からの質問。

季節の素材。

新しい組み合わせ。

製菓の技術。

学び続けることで、教室にも少しずつ厚みが生まれます。

〜資格や講座は、自分に必要なら選べばいい〜

教室を開きたいと思うと、

「資格がないとできないのかな」

と不安になることがあります。

資格が役立つ場面もあります。

体系的に学べる。

知識を整理できる。

自分の中の基準を作れる。

説明するときの支えになる。

一方で、資格を取ることだけで教室が完成するわけでもありません。

学びと実践。

両方を少しずつ重ねていくことが大切です。

〜自分の教室らしさは、あとから見えてくることもあります〜

最初から、

「唯一無二の教室にしなければ」

と思う必要はありません。

何度か開く。

参加者と話す。

自分が好きな部分が見えてくる。

すると、

季節を大切にする教室。

初心者が安心できる教室。

親子で楽しむ教室。

香りをじっくり学ぶ教室。

少しずつ特徴が見えてきます。
自分らしさは、始める前に全部決めるものではありません。

〜教室で「何を持ち帰ってほしいか」を考える〜

レシピだけを持ち帰ってほしい。

それもひとつです。

でも、

家でも作ってみようという気持ち。

ハーブって思ったより身近なんだという発見。

季節の香りを楽しむ時間。

新しい趣味に出会った喜び。

そうしたものを持ち帰ってもらうこともできます。
この部分を考えると、教室の雰囲気も変わります。

〜教えることより「一緒に過ごす時間」と考えてみる〜

先生が上。

生徒が下。

そんな関係だけが教室ではありません。
もちろん、伝える側として準備や責任は必要です。

でも、

一緒に作る。

香りを感じる。

焼き上がりを喜ぶ。

お茶を飲む。

同じ時間を共有する。

そう考えると、教室は少しやわらかくなります。

〜最初から長く続けると決めなくてもいい〜

一度開く。

三回やってみる。

季節の教室だけにする。

それでも構いません。
続けてみて、

もっとやりたい。

今のペースが好き。

少し休みたい。

その都度考えられます。

最初から何年先まで決めなくてもよいのです。

〜教室を開くことは、完成してから始めることではありません〜

十分学んでから。

もっと上手になってから。

立派な場所ができてから。

人が集まりそうになってから。

そう考えていると、いつまでも始められないことがあります。
もちろん、準備は必要です。
安全や衛生、使用する場所など、確認すべきこともあります。

でも、

「完璧になったら始める」

ではなく、

「必要な準備をして、小さく始めながら育てる」

という方法もあります。

〜最初の一歩は、小さな一回を考えること〜

教室を開きたい。
そう思ったら、まず大きな看板を掲げなくても構いません。

紙に書いてみます。

誰に来てほしい?

何を一緒に作る?

何を持ち帰ってほしい?

何人なら落ち着いて見られる?

どのくらいの時間ならできる?

そして、
一人か二人と、小さな一回を考えてみる。

そのくらいが、最初の一歩になります。

実際にやってみると、

自分は説明することが好きだった。

試食の時間が一番好きだった。

初心者の「できた」という顔がうれしかった。

反対に、

準備が思ったより大変だった。

人数はもっと少ないほうがいい。

時間を少し長くしたい。

そんなことが分かります。

それは、やってみたからこそ分かることです。

〜教室は、少しずつ育てていけばいい〜

最初から完成した教室を作らなくても大丈夫です。
まず一品。

まず一人。

まず一回。

丁寧に準備する。

一緒に作る。

終わったら振り返る。

次に少し整える。

その繰り返しです。

教室を開く最初の一歩は、

たくさんの生徒を集めることでも。
立派な設備をそろえることでも。
完璧な先生になることでもありません。

「私は、誰かとこんな時間を過ごしてみたい」

その思いを、小さな一回の形にしてみること。

そこから、ハーブスイーツを伝える教室は少しずつ育っていくのだと思います。


日本ハーブスイーツ協会
白水

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