ハーブスイーツという言葉を聞いたとき、まず思い浮かぶのは、
やはり「作る人」かもしれません。
ハーブを選び、
材料をそろえ、
生地を作り、
焼き上げる。
そして、誰かへ届ける。
もちろん、作る人がいなければ、
ハーブスイーツというものは形になりません。
けれど、
文化という視点で考えると、
作る人だけでは、文化は育って
いかないのだと思います。
食べる人。
贈る人。
学ぶ人。
教える人。
写真を見る人。
文章を読む人。
誰かから話を聞いて、
「そんなお菓子があるんだ」
と知る人。
そうした人たちが少しずつ増えることで、ひとつの文化は、
ようやく社会の中に根を下ろしていきます。
〜作る人だけが「参加者」ではありません〜
資格講座というものは、どうしても、
学ぶ人。
作る人。
教える人。
そうした側に目が向きやすいものです。
けれど、日本ハーブスイーツ協会が育てていきたいのは、資格取得者
だけの小さな集まりではありません。
もっと広いものです。たとえば、
友人からハーブスイーツをもらって、
初めて食べた人。
カフェのメニューで見つけて、
少し気になって注文した人。
誰かのSNSで写真を見て、
「きれいだな」
と思った人。
ブログの記事を読んで、
ハーブとお菓子の組み合わせを初めて知った人。
その人たちも、
すでにハーブスイーツという文化に触れています。
何かを作らなければ、参加したことにならないわけではありません。
知ることも、味わうことも、誰かへ話すことも、文化とのひとつの関わり方です。
〜一枚のクッキーを食べた人も、文化を運んでくれます〜
誰かが、ローズを使ったクッキーを焼いたとします。
それを友人へ渡す。
「これ、ローズが入っているんだよ」
と言う。
友人がひと口食べて、
「ハーブって、お菓子にも使えるんだね」
と驚く。
これだけでも、ひとつの小さな文化の移動が起きています。
その友人が、数日後、
家族に話すかもしれません。
「この前、ローズのクッキーを食べたんだよ」
たった一言かもしれません。でも、
それまでその家族の中になかった
「ハーブスイーツ」
という言葉が、そこに生まれます。
文化は、
こういう小さな受け渡しの積み重ねで広がっていくのだと思います。
〜食べる人がいるから、作る人も育ちます〜
作る人にとって、
食べてくださる人の存在は、
とても大きいものです。
「おいしかった」
と言ってもらう。
「この香り、好きです」
と感想をいただく。
「また食べたい」
と言ってもらう。
その一言が、
次のお菓子を作る力になります。
さらに、思いがけない反応から、
新しいレシピが生まれることもあります。
「もう少し香りが穏やかでも好きかも」
「この果物とも合いそうですね」
そんな言葉から、
次の組み合わせを考える。
つまり、食べる人は、ただ受け取るだけの存在ではありません。
作る人の感覚や表現を育てる存在でもあります。
〜贈る人も、文化を広げています〜
自分で作らなくても、誰かのお菓子を贈ることがあります。
お店で見つけたハーブスイーツを、
友人への手土産にする。
季節の贈り物に選ぶ。
「少し珍しいものを」
と思って、
ハーブを使った焼き菓子を選ぶ。
それも、文化への参加です。
贈り物には、ものだけではなく、
「私はこれをいいと思った」
という気持ちも一緒に入っています。受け取った人は、
贈り手を通して、
そのお菓子と出会います。
そうやって、ひとつの文化が、
人と人の関係の中を移動していきます。
〜読むだけでも、文化との接点は生まれます〜
日本ハーブスイーツ協会では、
たくさんのブログを書いています。
ハーブのこと。
焼き菓子のこと。
季節のこと。
香りのこと。
暮らしのこと。
仕事のこと。
講座を受ける予定がなくても、
読んでいただけます。
レシピを作らなくてもいい。
資格を取らなくてもいい。ただ、
「こういう世界があるのだな」
と知っていただく。
それだけでも、
私たちにとっては大切な接点です。
なぜなら、文化というものは、
必ずしもすぐ行動した人だけで作られるものではないからです。
読んで、記憶のどこかに残る。
何年か後に、
ハーブのお菓子を見かけて、
「あ、以前読んだことがある」
と思い出す。
そのくらいの小さな残り方も、文化の土台になっていくのだと思います。
〜見る人、知る人が増えることで、作る人の居場所も増えます〜
ハーブスイーツを作る人が増えても、食べたい人が誰もいなければ、
文化としてはなかなか育ちません。
逆に、
「ハーブスイーツ、知っています」
という人が少しずつ増えていけば、
作る人の居場所も増えていきます。
教室で習ってみたい人。
カフェで食べてみたい人。
贈り物に選びたい人。
自宅で作ってみたい人。
そうした人が増えることで、作る側も、安心して表現を続けられるようになります。
つまり、文化を育てるということは、作り手を増やすことだけではなく、受け取る人を増やすことでもあります。
〜「消費者」ではなく、「文化の受け手」と考える〜
商売の言葉で言えば、お菓子を買う人は、消費者です。
もちろん、事業として考えるなら、
その視点も必要です。
でも、文化という見方をすると、
少し違って見えます。
食べる人は、ただ商品を消費しているだけではありません。
その香りを覚える。
その組み合わせを知る。
誰かへ話す。
次にまた選ぶ。
自分でも作ってみる。
そうやって、その人の中に少しずつハーブスイーツが残っていきます。
私は、そういう方々を、
単なる消費者ではなく、文化の受け手と考えたいと思っています。
〜教える人だけでなく、習う人も文化を育てています〜
教室も同じです。講師が教えているから、講師だけが文化を伝えているように見えます。
でも、習う人がいるから、
教室は続きます。
習った人が、家に帰って作る。
家族が食べる。
友人へ贈る。
また別の人が知る。
つまり、一人の受講生が、
文化の次の枝になっていきます。
教える人と、
習う人。
どちらか一方だけではありません。
その間を行き来するものの中に、
文化があります。
〜お店で一度選ぶことも、立派な参加です〜
もし将来、ハーブスイーツを扱うお店が増えたとします。
そこで、誰かが一つ買ってみる。
その選択も、文化を支えます。
一度選ばれれば、お店側は、
「この商品を楽しんでくださる方がいる」
と分かります。
また作る。
少し改良する。
季節商品にする。
そうして、商品が残っていく。
つまり、買う人の選択が、
作る人の継続を支えています。
この循環が生まれれば、
ハーブスイーツは、
一時的な珍しいお菓子ではなく、
少しずつ日常の選択肢になっていきます。
〜文化は、大きな場所だけで育つわけではありません〜
文化というと、
大きなイベント。
有名な施設。
大きな団体。
そんなものを想像することがあります。
けれど、私は、もっと小さな場所でも十分育つと思っています。
家庭の台所。
小さなお菓子教室。
町のカフェ。
焼き菓子屋さん。
友人同士のティータイム。
一冊のノート。
一つのブログ。
そうした場所で、
少しずつ繰り返されること。
むしろ、そこに文化の強さがあるのかもしれません。
特別な日にだけ現れるものではなく、日常の中で何度も使われる。
それが、文化として根づいていくということだと思います。
〜ハーブスイーツを知らない人も、未来の担い手です〜
今はまだ、ハーブスイーツという言葉を知らない人の方が多いかもしれません。
でも、その人たちは、
「関係のない人」ではありません。
これから、どこかで一枚のクッキーを食べるかもしれない。
誰かから贈られるかもしれない。
教室へ誘われるかもしれない。
記事を読むかもしれない。
その瞬間から、
新しい接点が生まれます。
小さなジャンルだからこそ、
「今いる人」だけを見るのではなく、これから知る人まで含めて文化を育てる。
私は、それがとても大切だと思っています。
〜誰かが「知っている」と言えることの意味〜
文化が育っていく途中では、
「作ったことがあります」
という人だけでなく、
「知っています」
という人が増えることにも意味があります。
「ハーブスイーツって知っていますか?」
と聞いたとき、
「ああ、聞いたことがあります」
と返ってくる。それだけでも、
ひとつの変化です。
言葉が社会の中に存在し始めているからです。
そこから、
「食べたことがあります」
へ。
「作ったことがあります」
へ。
「習ったことがあります」
へ。
少しずつ関わりが深くなっていく。
最初の接点は、
とても小さくて構いません。
〜だから、入口はいくつあってもいい〜
資格講座。
ブログ。
教室。
お店。
SNS。
贈り物。
誰かとの会話。
ハーブスイーツと出会う入口は、
ひとつでなくていいと思っています。
資格講座から入る人もいれば、
一枚の焼き菓子から始まる人もいる。
季節のハーブから興味を持つ人もいる。
文章を読んで、
世界観を好きになってくださる人もいる。
どこから入ってもいい。
そして、
どこで立ち止まってもいい。
それぞれの距離で関わる人が増えるほど、文化は厚みを増していきます。
〜作る人と、受け取る人のあいだに文化があります〜
お菓子を焼く人がいて、
食べる人がいる。
教える人がいて、
習う人がいる。
贈る人がいて、
受け取る人がいる。
書く人がいて、
読む人がいる。
どちらか一方だけでは、
文化は成立しません。
そのあいだを、
香りや味わい、
言葉や記憶が行き来する。
私は、その往復そのものが、
文化なのだと思っています。
〜ハーブスイーツという文化を、一緒に受け取っていただけたら〜
日本ハーブスイーツ協会が増やしたいのは、
作れる人だけではありません。
楽しんでくださる人。
知ってくださる人。
食べてくださる人。
誰かへ伝えてくださる人。
そして、
いつかまた思い出してくださる人。
そういう方々が少しずつ増えていくこと。
それが、ハーブスイーツという小さな文化を育てていきます。
作る人だけでは、
文化は育ちません。
けれど、作る人と、
それを受け取ってくださる人が出会えば、そこにひとつの小さな循環が生まれます。
その循環が、
また次の誰かへつながっていく。
私たちは、そんな広がりを、
ゆっくり育てていけたらと思っています。
日本ハーブスイーツ協会
白水
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ハーブスイーツという文化に参加するお話を丁寧につづっています
▼
https://www.herbsweets-japan.com/blog/190287/
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あなたの普段の日常に、穏やかなハーブの香りと学びを。 ご自宅で気軽に楽しむ初級講座から、資格取得を目指す講座まで。講座の内容や、それぞれの学び方は、『ハーブスイーツマイスター講座のご案内』にてご覧いただけます。 ▼ https://www.herbsweets-japan.com/
他の記事もお読みになりたい方へ。私たち日本ハーブスイーツ協会の活動や、私たちがハーブスイーツを好きになったきっかけなどをまとめています。 https://www.herbsweets-japan.com/blog/cate/15677/