『ドライハーブはどう使う?お菓子作りでの基本の考え方』

2026年09月03日 13:05
日本ハーブスイーツ協会

ハーブをお菓子に使ってみたいと思ったとき、最初に手に取りやすいのがドライハーブです。

保存しやすく、必要な分だけ使うことができ、季節を問わず楽しめる。

その一方で、

「そのまま生地に入れていいの?」
「どのくらい使えばいい?」
「細かくしたほうがいい?」
「ハーブティー用でも使える?」

そんな疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。

ドライハーブは、いくつかの基本を知っておけば、お菓子作りにも取り入れやすい素材です。

今回は、これからハーブスイーツを作ってみたい方へ向けて、ドライハーブをお菓子に使うときの基本的な考え方を、やさしくご紹介します。

〜まずは食品用のドライハーブを選びましょう〜

最初に確認したいのは、そのドライハーブが食用として販売されているものかどうかです。

ハーブティー用や食品用として販売されているものなら、お菓子にも使いやすいでしょう。

一方で、ポプリや観賞用、クラフト用など、食用を目的としていないものは使いません。

同じハーブの名前が書かれていても、用途は商品によって異なります。

まずは表示を確認して、食品として使えるものを選ぶ。

ここが、いちばん基本になります。

〜ドライハーブは香りが凝縮されています〜

フレッシュハーブと比べると、ドライハーブは水分が抜けているため、香りが凝縮して感じられることがあります。

そのため、

「フレッシュハーブと同じ感覚でたくさん入れる」

という使い方はおすすめしません。

とくにローズマリーやミントなど、もともと香りのはっきりしたハーブは、少量でも存在感が出ます。

最初は控えめに使い、焼き上がったものを食べてから次回調整する。

このくらいの進め方が失敗しにくいでしょう。

ハーブスイーツでは、香りを強く出すことよりも、

「お菓子の中で心地よく感じられるか」

を考えることが大切です。

〜そのまま使えるものと、細かくしたほうがよいものがあります〜

ドライハーブは、すべて同じ形をしているわけではありません。

カモミールのように花の形を残しているもの。

ローズマリーのように葉が細く硬めのもの。

ミントやレモンバームのように葉を乾燥させたもの。

それぞれ、大きさや食感が違います。

そのまま生地へ加えても気にならないものもあれば、少し細かくしたほうが食べやすいものもあります。

指先ですりつぶしたり、すり鉢やミルなどを使ったりして、作るお菓子に合わせて大きさを整えます。

大切なのは、

「焼き上がったときに、葉の硬さや大きさが気にならないか」

という視点です。

〜細かくすると、生地になじみやすくなります〜

ドライハーブを細かくするメリットのひとつは、生地全体へ散らばりやすくなることです。

たとえばクッキー生地に大きな葉がそのまま入っていると、一部分だけ香りが強く感じられることがあります。

少し細かくしておけば、生地の中へ均等になじませやすくなります。

また、細かくすることで香りが立ちやすくなることもあります。

ただし、何でも粉末状にすればよいわけではありません。

焼き上がったお菓子に、ほんの少し花や葉の姿が見えるのも、ハーブスイーツらしい表情になります。

香り。

食感。

見た目。

その三つを考えながら、ちょうどよい細かさを探してみてください。

〜生地へ直接混ぜ込む方法〜

ドライハーブのもっとも分かりやすい使い方が、生地へ直接混ぜ込む方法です。

クッキー。

スコーン。

マフィン。

パウンドケーキ。

焼きドーナツ。

こうした焼き菓子なら、細かくしたドライハーブを生地へ混ぜ込むことができます。

初めてなら、作り慣れているお菓子へ少量加えてみるのもおすすめです。

いつもの生地にドライカモミールを少し。

クッキーにローズマリーを少し。

マフィンにミントを少し。

そうすると、普段のお菓子がどのように変わるのかを比較しやすくなります。

〜粉類と一緒に混ぜる方法もあります〜

細かくしたドライハーブは、小麦粉などの粉類へあらかじめ混ぜておくこともできます。

粉の中へ散らしてから生地を作ることで、一か所へ固まりにくくなります。

さらさらと粉へ加えて軽く混ぜると、ハーブの小さな粒が全体へ広がります。

とくにクッキーやスコーン、パウンドケーキなどでは取り入れやすい方法です。

お菓子の種類やレシピによって混ぜるタイミングは変わりますが、

「生地全体へ均等に散らす」

という考え方を覚えておくとよいでしょう。

〜牛乳や生クリームに香りを移す方法〜

ドライハーブは、生地へ直接入れるだけではありません。

牛乳や生クリームなどへ香りを移して使う方法もあります。

温めた液体へドライハーブを加え、しばらく香りを移してから漉す。

ハーブティーを淹れる感覚に少し似ています。

葉や花そのものを残さず、香りだけを取り入れたいときに使いやすい方法です。

プリン。

クリーム。

ムース。

アイスクリーム。

牛乳を使う焼き菓子。

さまざまなお菓子へ応用できます。

直接混ぜたときとは違う、やわらかな香り方を楽しめることもあります。

〜ハーブによって香りの出方は違います〜

同じドライハーブでも、種類によって香りの強さや出方は違います。

カモミールのように穏やかに香るもの。

ローズマリーのように少量でも存在感のあるもの。

ミントのように爽やかさが分かりやすいもの。

ローズのように華やかな香りを持つもの。

そのため、

「ドライハーブなら何グラム」

と、すべてを同じ考え方で扱うことはできません。

まずは実際に香りを嗅いでみます。

指先で少し触れてみる。

細かくしたときの香りも確かめてみる。

そのうえで、少量から使います。

数字だけではなく、香りそのものを見ることも大切です。

〜焼くと香りは変わります〜

ドライハーブを焼き菓子へ使うときに覚えておきたいのが、加熱による香りの変化です。

生地を作っているときにはよく香っていても、焼き上がると少し穏やかになることがあります。

反対に、バターや砂糖、果物などと一緒に焼くことで、香りがなじみ、より食べやすく感じられることもあります。

ですから、

「生地の段階で少し弱いから、もっと入れよう」

とすぐに量を増やす必要はありません。

まずは一度焼いてみる。

そして、実際に食べて確かめます。

ハーブの香りは、焼く前と焼いた後では印象が変わる。

それを知っているだけでも、使いやすくなります。

〜ドライハーブと果物を組み合わせてみる〜

初めてドライハーブを使うときは、身近な素材と組み合わせるのもおすすめです。

たとえば、

カモミールとりんご。

カモミールとオレンジ。

ローズマリーとレモン。

ミントとチョコレート。

ローズとベリー。

ハーブだけで香りを完成させようとせず、果物やチョコレートなどの分かりやすい風味と組み合わせます。

そうすると、ハーブの香りもお菓子の中になじみやすくなります。

「このハーブには何が合うかな」

と考える時間も、ハーブスイーツ作りのおもしろさのひとつです。

〜最初は一種類のハーブから〜

慣れないうちは、何種類ものハーブを一度に組み合わせる必要はありません。

まずは一種類。

ドライカモミールだけ。

ローズマリーだけ。

ミントだけ。

ひとつの香りを使って焼いてみます。

そうすると、

どのくらい香るのか。

加熱するとどう変わるのか。

どんな素材と合うのか。

そのハーブの特徴が分かりやすくなります。

一種類を知る。

次に別のハーブを知る。

そして慣れてきたら、組み合わせを広げていく。

そんな順番でも十分です。

〜保存状態にも少し気を配りましょう〜

ドライハーブは保存しやすい素材ですが、香りは少しずつ変化していきます。

購入後は、商品の表示に従って適切に保存します。

高温多湿や直射日光を避け、香りや状態を確認しながら使いましょう。

久しぶりに使うドライハーブなら、まず袋や容器を開けて香りを確かめます。

以前より香りがかなり弱くなっている。

色や状態に大きな変化がある。

そんなときは、無理にお菓子へ使わず、新しいものを用意することも大切です。

〜ハーブスイーツでは香りも大切な材料のひとつです。〜

ドライハーブは、暮らしの中で楽しみやすい素材です

フレッシュハーブには、摘みたてならではの魅力があります。

けれど、いつでも庭にハーブがあるとは限りません。

季節によって育っていないこともあります。

そんなときにも使いやすいのが、ドライハーブです。

瓶や袋から少し取り出して、香りを確かめる。

必要なら指先ですりつぶす。

さらさらと粉へ混ぜる。

そして、いつものお菓子を焼く。

特別な準備をしなくても、普段のお菓子作りの中へハーブの香りを取り入れることができます。

〜難しく考えず、まずは少量から〜

ドライハーブをお菓子に使う基本は、それほど複雑ではありません。

食品用のものを選ぶ。

香りを確かめる。

必要に応じて細かくする。

少量から使う。

生地へ混ぜたり、液体へ香りを移したりする。

そして、焼き上がったものを食べて確かめる。

まずは、それで十分です。

最初から完璧な配合を見つける必要はありません。

「もう少し香ってもいいかな」

「このくらいが好きだな」

「次はりんごを合わせてみようかな」

焼いたお菓子を食べながら、少しずつ自分の好みを見つけていく。

その積み重ねが、ドライハーブを上手に使えるようになる一番自然な方法です。

まずはお気に入りのハーブをひとつ。

いつものクッキーやマフィン、スコーンへ少しだけ加えてみるところから、気軽に楽しんでみてください。


日本ハーブスイーツ協会
白水

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