『焼き菓子と冷たいお菓子では、ハーブの使い方はどう違う?』

2026年09月02日 00:47
日本ハーブスイーツ協会

ハーブをお菓子に使うとき、

「焼き菓子に入れるのと、冷たいお菓子に使うのでは違うの?」

と思うことがあります。

クッキーやスコーン、マフィンのような焼き菓子。

ゼリーやムース、アイスクリームのような冷たいお菓子。

同じハーブを使っても、出来上がったときの香り方は少し違います。

その大きな理由のひとつが、「熱」です。

今回は、焼き菓子と冷たいお菓子でのハーブの使い方の違いを、お菓子作りの目線からやさしく考えてみます。

〜焼き菓子では、ハーブの香りも一緒に変化します〜

焼き菓子では、生地をオーブンに入れて加熱します。

そのため、ハーブの香りも焼いている間に変化します。

生地を作っているときには、はっきり香っていたのに、

焼き上がってみると少し穏やかになっている。

そんなこともあります。

一方で、加熱することで青々とした印象がやわらぎ、バターや小麦粉、砂糖などとなじんで、焼き菓子らしい香りに変わることもあります。

つまり焼き菓子では、ハーブそのものの香りを残すというより、

「焼いたあとに、どんな香りになるだろう」

と考えることが大切になります。

〜焼き菓子では、香ばしさとの組み合わせも大切です〜

クッキーやスコーン、マフィンなどを焼くと、ハーブ以外にもさまざまな香りが生まれます。

バターの香り。

小麦粉の香ばしさ。

砂糖が焼けた甘い香り。

ナッツやチョコレートを使えば、さらに香りは重なります。

その中にハーブが入ります。

ですから、焼き菓子ではハーブだけを強く感じさせようとするより、焼き上がったお菓子全体の香りになじませることが大切です。

ローズマリーのように輪郭のある香りなら、香ばしい生地にも合わせやすいでしょう。

カモミールのようなやわらかな香りなら、優しい甘さのお菓子と組み合わせることで、その良さが見えやすくなります。

〜冷たいお菓子では、ハーブ本来の香りを感じやすいことがあります〜

冷たいお菓子では、焼き菓子ほど強い加熱をしない作り方も多くあります。

そのため、ハーブがもともと持っている香りを比較的そのまま生かしやすい場合があります。

たとえば、ハーブを液体に浸して香りを移し、その液体をゼリーやムースに使う。

フレッシュミントを使って、爽やかな冷菓に仕上げる。

そんな使い方があります。

焼いたときとは違い、

「このハーブは、もともとこんな香りだったんだ」

という個性を感じやすいところも、冷たいお菓子の面白さです。

〜ただし、冷たいと香りを穏やかに感じることもあります〜

冷たいお菓子だから、いつでも香りが強く感じられるわけではありません。

お菓子そのものの温度が低いと、香りの立ち方が穏やかに感じられることもあります。

冷蔵庫から出したばかりのムースと、少し時間を置いたムース。

同じものでも、香りの感じ方が少し変わることがあります。

ですから冷たいお菓子では、

作っている途中の香りだけでなく、実際に食べる温度で確認してみることも大切です。

〜ハーブの香りを「移す」という考え方もあります〜

ハーブスイーツでは、ハーブそのものを生地へ入れるだけが使い方ではありません。

牛乳や生クリームなどに香りを移してから使う方法もあります。

たとえば、温めた牛乳にハーブを入れて香りを移し、その牛乳をクリームやムースに使う。

こうすると、細かなハーブがそのまま残らなくても、香りをお菓子の中に取り入れることができます。

冷たいお菓子では特に、こうした「香りを移す」考え方が使いやすいことがあります。

〜フレッシュハーブの爽やかさは冷たいお菓子にもよく似合います〜

フレッシュハーブには、摘みたてならではの青々しさや爽やかさがあります。

ミント。

レモンバーム。

レモンタイム。

こうした香りは、冷たいデザートにもよく似合います。

果物や柑橘と組み合わせると、暑い季節にも軽やかに楽しめます。

一方で焼き菓子に使うと、同じハーブでも加熱によって少し落ち着いた表情になることがあります。

同じ植物でも、

焼く。

冷やす。

という違いだけで、印象が変わるのです。

〜どちらがハーブに向いている、ということではありません〜

焼き菓子と冷たいお菓子。

どちらのほうがハーブに向いている、ということではありません。

焼き菓子には、ハーブがバターや粉の香ばしさとなじんでいく魅力があります。

冷たいお菓子には、植物の爽やかさや華やかな香りを、そのまま感じやすい魅力があります。

同じハーブを使って、焼き菓子と冷たいお菓子を作ってみるのも面白いと思います。

「焼くとこんな香りになるんだ」

「冷たいと、こんな表情になるんだ」

その違いを知ることで、ひとつのハーブから作れるお菓子の幅も広がっていきます。

ハーブを使うときに大切なのは、

焼き菓子だからこうしなければならない。

冷たいお菓子だからこうしなければならない。

と決めてしまうことではありません。

熱を加えたらどう変わるのか。

冷たい状態ではどう香るのか。

どんな素材と一緒なら心地よく感じるのか。

実際に香り、味わいながら考えていく。

そんな小さな観察の積み重ねが、ハーブスイーツ作りを少しずつ楽しくしてくれます。


日本ハーブスイーツ協会
白水

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