『和菓子とハーブスイーツはどう違う?余韻の感じ方からやさしくお話しします』

2026年09月01日 09:44
日本ハーブスイーツ協会

和菓子とハーブスイーツ。

どちらも、強い味だけで楽しむお菓子ではありません。

口に入れた瞬間のおいしさだけではなく、

そのあとに残る香りや甘さ。

季節の気配。

一緒に飲むお茶との時間。

そんなものまで含めて味わうところに、どこか似た魅力があります。

けれど、実際に食べてみると、その余韻の感じ方には少し違いがあります。

今回は、和菓子とハーブスイーツの違いを、「食べたあとに残るもの」という目線からやさしく考えてみます。

〜和菓子には、素材そのものの静かな余韻があります〜

和菓子には、小豆、米、寒天、栗、芋、胡麻、抹茶など、日本の暮らしの中で長く親しまれてきた素材が使われています。

たとえば、ひと口の羊羹。

やわらかな大福。

季節の生菓子。

食べたあとに残るのは、甘さだけではありません。

小豆の風味。

米のやさしさ。

抹茶のほろ苦さ。

そこに、お茶の香りが重なります。

華やかに主張するというより、静かにほどけていくような余韻があります。

〜ハーブスイーツには、香りがあとから追いかけてくることがあります〜

ハーブスイーツでは、甘さや食感を感じたあとに、植物の香りがふわっと広がることがあります。

カモミールのやわらかな香り。

ローズの華やかさ。

ローズマリーのすっとした爽やかさ。

ミントの清涼感。

レモンバームの明るい香り。

ひと口食べたあと、少し遅れて香りが鼻へ抜ける。

その感覚が、ハーブスイーツならではの余韻のひとつです。

〜和菓子は「引き算」、ハーブスイーツは「重なり」を楽しむことも〜

もちろん、すべてのお菓子をひとつの言葉で表すことはできません。

それでも、あえて大きく捉えるなら、和菓子には素材を絞り込み、その少ない要素の中で味わいを整える美しさがあります。

小豆と砂糖。

餅と餡。

寒天と季節の果物。

素材が少ないからこそ、それぞれの輪郭がよく見えます。

一方、ハーブスイーツでは、

バター。

小麦粉。

砂糖。

卵。

果物。

チョコレート。

そこへ植物の香りを重ねていきます。

味の上に香りを重ね、その組み合わせによって新しい余韻を作る。

そんな面白さがあります。

〜季節の感じ方にも、それぞれの良さがあります〜

和菓子は、季節との結びつきがとても深いお菓子です。

桜。

紫陽花。

紅葉。

雪。

形や色、名前そのものから季節を感じることができます。

まだその季節が来る少し前に、和菓子の中で先取りして楽しむこともあります。

ハーブスイーツもまた、季節と一緒に楽しむことができます。

春のカモミール。

初夏のミント。

庭のローズマリー。

秋の果物に合わせるハーブ。

季節の植物を実際に摘み、その香りをお菓子へ取り入れることもできます。

和菓子が季節を「映す」とすれば、ハーブスイーツは季節の香りを「連れてくる」。

そんな違いを感じることがあります。

〜甘さのあとに、何を残したいか〜

お菓子を考えるとき、

「どんな味にしたいか」

だけでなく、

「食べたあとに、どんな感じが残ってほしいか」

と考えることがあります。

すっと消えていく甘さ。

ほのかな苦味。

果物の酸味。

バターの香ばしさ。

そして、植物の香り。

ハーブスイーツでは、この最後の「香りの残り方」が、お菓子全体の印象を大きく変えることがあります。

たとえば、同じ焼き菓子でも、ローズを合わせるのか、ローズマリーを合わせるのかで、食べたあとの景色はまったく違います。

〜和菓子とハーブは、実は遠い存在ではありません〜

和菓子とハーブスイーツは、まったく別の文化に見えます。

けれど、日本のお菓子にも昔から植物の香りは取り入れられてきました。

桜の葉。

よもぎ。

柚子。

山椒。

紫蘇。

植物の香りをお菓子に添えるという考え方そのものは、日本の食文化にも自然に存在しています。

そう考えると、和菓子とハーブスイーツは、それほど遠く離れたものではないのかもしれません。

植物の香りをどう甘さと結びつけるか。

その方法や文化的な背景が少し違うだけで、どちらにも季節や香りを大切にする感覚があります。

〜余韻まで味わうと、お菓子はもっと面白くなります〜

和菓子には、静かにほどけていくような余韻があります。

ハーブスイーツには、食べたあとに植物の香りがふわりと残る余韻があります。

もちろん、お菓子によってその表情はさまざまです。

どちらが優れているということでもありません。

今日は、温かいお茶と小さな和菓子をゆっくり味わう。

別の日には、焼きたてのハーブスイーツと紅茶を楽しむ。

そんなふうに、その日の気分で選ぶことができます。

お菓子は、口に入れた瞬間だけで終わるものではありません。

飲み込んだあとに残る香りや甘さ。

そのときに一緒に見ていた景色。

季節の空気。

そんなものまで含めて、ひとつのお菓子の記憶になっていきます。

和菓子とハーブスイーツ。

それぞれの余韻に耳を澄ませるように味わってみると、お菓子を楽しむ時間が、また少し深くなるのではないかと思います。


日本ハーブスイーツ協会
白水

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