【30年間、お菓子を作り続けて思うこと】30年前の私へ、一つだけ伝えられるなら

2026年07月20日 03:32
日本ハーブスイーツ協会

学校卒業後、私は見習いとしてお菓子作りの世界へ入りました。

分からないことばかりでした。

失敗もたくさんしました。

思いどおりにならない日もありました。

あの頃の私に、今の私が一つだけ言葉を届けられるとしたら、何を伝えるだろう。

そんなことを、ときどき考えます。

〜焦らなくても、大丈夫です〜

若い頃は、早く上手になりたくて仕方がありませんでした。

もっときれいに。

もっと速く。

もっと認めてもらいたい。

そんな気持ちでいっぱいでした。

でも30年経った今、振り返ると、急がなくてもちゃんと間に合っていました。

積み重ねた時間は、決して裏切りませんでした。

〜失敗は、思っているほど悪くありません〜

焦がした日もありました。

思うように膨らまなかった日もありました。

悔しくて早起きして職場に向かったこともあります。

でも、その失敗を今でも覚えているからこそ、同じことで悩む方の気持ちが少し分かるようになりました。

失敗は遠回りではなく、人に寄り添うための経験でもあったのだと思います。

〜お客様は、お菓子だけを見ているわけではありません〜

30年前の私は、お菓子だけを見ていました。

でも30年経って分かったのは、お客様はその向こうにある時間まで受け取ってくださっているということです。

家族との団らん。

休日のお茶。

「おいしいね。」という一言。

お菓子は、その時間の真ん中にある存在でした。

〜ハーブと出会う日が来ます〜

見習いの頃の私は、ハーブスイーツを焼いている自分を想像もしていませんでした。

でも、その出会いは自然にやってきました。

植物の香りは、お菓子のおいしさを競うためではなく、暮らしに静かな彩りを添えてくれることを教えてくれました。

だから、未来を急いで決めなくても大丈夫です。

思いがけない出会いは、ちゃんと待っています。

〜「続ける」ということ〜

かつての私は、「続ける」とは休まず頑張ることだと思っていました。

でも今は違います。

迷う日があってもいい。

立ち止まる日があってもいい。

また厨房へ戻ってこられたら、それで十分です。

大切な経験とは、そうやって積み重なっていくものなのだと知りました。

〜今、お菓子作りを始めようとしている方へ〜

昔の私を思い出しながら書き始めたこの文章ですが、もしかすると、今お菓子作りを始めようとしているあなたにも届くかもしれません。

焦らなくて大丈夫です。

比べなくて大丈夫です。

完璧を目指さなくても大丈夫です。

今日焼いた一枚のお菓子が、明日の楽しみにつながることがあります。

30年間、お菓子を作り続けてきた私が、一番伝えたいのはそのことです。

だからどうか、ご自身のペースで歩いてください。

その積み重ねは、きっといつか、あなたらしい暮らしの香りになっていくと思います。


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