お菓子作りを始める時も、ハーブを育て始める時も。
「いつ始めたらいいんだろう」と考える瞬間って、ありますよね。
もっと時間が出来てから。
道具を揃えてから。
知識を身につけてから。
仕事や家事が落ち着いてから。
そんなふうに、何かが整うのを待っているうちに、気づけば季節がひとつ過ぎていた、なんてこともあるかもしれません。
でも、ハーブスイーツに関して言えば、実は「完璧なタイミング」というものは、あまり存在しないのかもしれません。
むしろ、
「少し気になる」
「香りが好き」
「なんだか心地いい」
そんな小さな感覚のほうが、案外大切だったりします。
たとえば、スーパーで見かけたミントの苗。
雑貨屋さんでふわっと香ったラベンダー。
カフェで飲んだハーブティー。
焼き菓子屋さんで感じた、どこかやさしい香り。
そういう小さな記憶が、静かに積み重なって、
「ちょっとやってみたいな」
という気持ちになっていくのだと思います。
ハーブスイーツは、何か特別な才能が必要な世界ではありません。
もちろん、深く学ぼうと思えば、香りの出方や素材の組み合わせ、焼き加減との関係など、奥深い世界はたくさんあります。
でも最初は、もっと気軽なところからでも大丈夫なんです。
たとえば、いつものクッキー生地に、ほんの少しだけドライカモミールを混ぜてみる。
スコーンへ刻んだミントを入れてみる。
紅茶を淹れる感覚で、ハーブの香りを楽しんでみる。
そのくらいの小さな入口でも、充分に「ハーブスイーツの時間」は始まっていきます。
実際、何かを始める時って、「準備が整ったから始める」というより、
始めながら少しずつ整っていくことのほうが多い気がするんですよね。
最初から上手に出来なくても大丈夫です。
香りが強すぎたり。
逆に全然香らなかったり。
思っていた味と違ったり。
そんな小さな失敗も含めて、少しずつ感覚が育っていきます。
むしろハーブスイーツは、「失敗しないこと」よりも、
「香りを感じながら作る時間そのもの」
に魅力があるように感じます。
オーブンの前で焼き上がりを待つ時間。
刻んだハーブの香りが指先に残る感覚。
焼き菓子からふわっと立ち上がる、やさしい空気。
そういうものが、暮らしの中へ静かに入り込んでくるんです。
だからこそ、
「ちゃんと始められるタイミング」
を探しすぎなくても、いいのかもしれません。
忙しい日々の中でも。
子育ての合間でも。
仕事終わりの夜でも。
50代からでも。
お菓子作り初心者さんでも。
ほんの少し「気になる」という気持ちがあるなら、その感覚を大切にしてみても良いのではないでしょうか。
ハーブスイーツは、誰かと競争するためのものではありません。
早く上達することよりも、
自分の暮らしの中で、どんなふうに香りを楽しむか。
そちらのほうが、ずっと大切だったりします。
だからきっと、
始めるタイミングの正解は、「今すぐ」でも「いつか」でもなく。
「少しやってみたいな」
と思えた、その瞬間なのかもしれませんね。
日本ハーブスイーツ協会
白水
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