『植物を食べるってどういう感覚?ハーブスイーツの本質をやさしく考えます』

日本ハーブスイーツ協会

朝、お湯を沸かしている時間。

窓を少し開けると、外の風がゆっくりと台所へ入ってきます。

棚から小さな保存瓶を取り出して、乾燥させたハーブをひとつまみ。
指先で軽くこすると、ふわっと香りが広がりました。

ハーブスイーツを作っていると、ときどき不思議に感じることがあります。

「植物を食べるって、どういう感覚なんだろう」

と。

もちろん、野菜や果物も植物です。
でも、ハーブは少しだけ感覚が違うように思うのです。

味だけではなく、
香りや空気感まで一緒に取り込むような感覚。

例えば、カモミールのやさしい甘い香り。
ミントのすっと抜ける爽やかさ。
レモンバームの、少し青さを含んだやわらかな香り。

それらを焼き菓子へ加えると、
ただ「味をつける」というより、
お菓子の中へ季節の空気を閉じ込めているような気持ちになることがあります。

ハーブスイーツは、特別なお菓子ではありません。

豪華さを競うものでもなく、
難しい知識が必要なものでもなく。

いつものクッキーやマフィン、スコーンの中へ、
植物の香りを少しだけ迎え入れてみる。

ただそれだけのことだったりします。

でも、その「少し」が、
暮らしの空気をやわらかく変えてくれることがあります。

忙しい日でも、
焼き上がる香りにふっと肩の力が抜けたり。

お茶を飲みながら、
なんとなく呼吸が深くなったり。

ハーブスイーツには、
そういう静かな魅力があるように感じています。

植物を食べるということは、
自然を“利用する”というより、
暮らしの中へ、そっと迎え入れることなのかもしれませんね。


日本ハーブスイーツ協会
白水


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