旅をするハーブスイーツ『レモングラスのスノーボールクッキー』

2026年04月17日 10:09
日本ハーブスイーツ協会の、レモングラスのスノーボールクッキーの画像

『レモングラスのスノーボールクッキー』

ころんと丸い形が愛らしい、粉砂糖をまとった白いクッキー。
口に含んだ瞬間にほろりと解け、爽やかな風が吹き抜けるような香りが広がります。
今回は、このお菓子に使われているレモングラスが、どのような土地で育まれ、人々の暮らしに溶け込んできたのか、その背景にある文化や地域性について少しお話しさせてくださいね。

レモングラスの故郷を訪ねて旅をすると、まず出迎えてくれるのは、さんさんと降り注ぐ太陽の光と、しっとりとした熱気を帯びた東南アジアの空気です。
タイやベトナムといった国々では、レモングラスは特別な日のためのハーブというよりも、庭先や道端に当たり前のように青々と茂る、とても身近な存在です。
スコールのあとの澄んだ空気に、どこからともなく漂ってくるレモンのような鮮烈な香り。
それは、この土地で暮らす人々にとって、もっとも安心する「日常の匂い」のひとつなのかもしれません。

現地の市場を歩けば、束ねられたレモングラスが山のように積まれている光景に出会います。
家々からは、お昼時になるとリズミカルにハーブを刻む音が聞こえてきます。
夕暮れ時、家族が集まる食卓には、レモングラスを贅沢に使った温かいスープや炒めものが並びます。

厳しい暑さの中でも、この爽やかな香りが食欲を呼び覚まし、心と体を健やかに整えてくれる。
それは、長い年月をかけて自然と育まれてきた、知恵と思いやりに満ちた食卓の風景です。
また、祝祭の席でもレモングラスは欠かせない役割を担っています。
色とりどりの花々や他のハーブとともに、神様へのお供えものに添えられたり、清らかな水に浮かべて香りを楽しんだり。
人々の祈りや感謝のそばには、いつもこの清涼感あふれる香りが寄り添っています。

特別な飾り立てをしなくても、そこにあるだけで場を清め、集う人々の心を和ませてくれる。
レモングラスは、この土地の厳しい自然と共生する人々にとって、まさに大地からの贈り物のような存在なのです。

そんな遠い異国の陽だまりで育まれた香りが、今、日本の私たちのキッチンにも届いています。
ミルで細かく砕き、丁寧に生地に練り込んだレモングラス。
焼き上がりに粉砂糖と合わせたパウダーをまぶすことで、最初の一口から最後の一口まで、その清々しい個性を楽しむことができます。

遠い国で誰かの健康を願い、食卓を彩ってきた香りが、形を変えて、今の私たちの穏やかなティータイムを優しく包み込んでくれる。
それは、時空を超えた、とても素敵なハーブの旅のようにも感じられます。

忙しい毎日の中で、ふと立ち止まりたいとき。
このスノーボールクッキーを一粒、お口に運んでみてください。
目を閉じれば、そこには青い空と豊かな緑、そしてハーブとともに暮らす人々の柔らかな笑顔が浮かんでくるはずです。
自然が持つ確かな力と、それを愛する人々の心が、あなたの一日をきっと心地よく彩ってくれることでしょう。

詳しいレシピなどは、日本ハーブスイーツ協会の『ハーブスイーツマイスター講座』のホームページにてご紹介しています。

このハーブスイーツの『ハーブスイーツに使う、それぞれのハーブの歴史』についての過去記事はこちら。
https://www.herbsweets-japan.com/blog/171912/




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■まず最初に、全体像を静かに辿りたい方はこちら▼
https://www.herbsweets-japan.com/blog/173534/

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