旅をするハーブスイーツ『レモンバーベナとチョコのマフィン』

2026年04月17日 02:36
日本ハーブスイーツ協会の、レモンバーベナとチョコのマフィン

『レモンバーベナとチョコのマフィン』

摘みたてのレモンバーベナの若葉を刻み、たっぷりのチョコチップと一緒に焼き上げた、香りと甘みが溶け合うマフィン。
この一皿を手に取るとき、ふわりと立ち上がる清々しい香りは、遠く離れた太陽の国、フランス南部や地中海沿岸の暮らしの風景を運んできてくれます。

今回は、このお菓子に使われているハーブが、はるか遠い異国の地でどのように愛され、人々の日常に溶け込んでいるのか、その温かな空気感と共にお届けします。

澄み渡るような青空がどこまでも広がる南フランス。
その風にのって運ばれてくるのは、窓辺や庭先に植えられたレモンバーベナの、目が覚めるようなフレッシュな香りです。
この地では「ベルベーヌ」という愛称で呼ばれ、まるで古くからの友人のように、家族の健康と安らぎを見守ってきました。

強い日差しが降り注ぐ昼下がり、人々は木陰のテラスでひと休みしながら、庭から摘んだばかりの数枚の葉に熱いお湯を注ぎます。
透明なティーカップの中で揺れる淡い緑色の雫は、乾いた喉を潤し、火照った体に静かな涼を届けてくれる、魔法の飲み物なのです。

フランスの家庭において、レモンバーベナは単なる「飲み物」以上の存在かもしれません。
ディナーを終えた後のゆったりとした時間、おじいちゃんもおばあちゃんも、そして小さな子供たちも、みんなで温かいベルベーヌのお茶を囲みます。
一日の出来事を語り合い、やがて深い眠りにつくための準備をする。
そんな穏やかな夜の儀式の中に、このハーブはいつも静かに寄り添っています。

また、村のお祭りや日曜日の市が開かれる日には、広場にハーブの爽やかな香りが満ち溢れます。
採れたての蜂蜜や地元のチーズと一緒に、レモンバーベナの束が並べられ、人々はそれを手にして「今日のデザートは何を作ろうか」と微笑み合うのです。
こうした地中海の暮らしの中で、レモンバーベナは「太陽が育てた贈り物」として大切にされてきました。

冬の間も、乾燥させた葉を布袋に詰めて枕元に置いたり、戸棚に忍ばせたり。
一年中、その清廉な香りは人々の生活に寄り添い、心を整える手助けをしてきました。

厳しい自然の中でも、植物の力を借りて豊かに、そして軽やかに生きる。
そんな、背伸びをしない等身大の幸せが、この小さな葉っぱ一枚一枚に刻まれているようです。

さて、視線を私たちの暮らしへと戻してみましょう。
遠い海の向こうで愛されてきたレモンバーベナの香りは、今、こうしてマフィンという形になって、私たちの目の前にあります。
忙しい日本の日常の中で、ふとした瞬間にこのマフィンを口に含めば、爽やかなレモンの風が吹き抜け、心がふっと軽くなるのを感じるはずです。

フランスの家庭で大切にされてきた「心穏やかに過ごす時間」は、場所や文化が違っても、きっと私たちの心にも優しく響くもの。
オーブンから漂う甘い香りに包まれながら、遠い異国の庭園に思いを馳せ、日常を少しだけ丁寧に彩ってみませんか。

ハーブが繋いでくれる心地よい絆は、今、あなたの食卓にも静かに、そして温かく流れています。

詳しいレシピなどは、日本ハーブスイーツ協会の『ハーブスイーツマイスター講座』のホームページにてご紹介しています。

このハーブスイーツの『ハーブスイーツに使う、それぞれのハーブの歴史』についての過去記事はこちら。
https://www.herbsweets-japan.com/blog/171909/



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■まず最初に、全体像を静かに辿りたい方はこちら▼
https://www.herbsweets-japan.com/blog/173534/

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