それぞれのハーブの歴史『レッドローズとカカオマスのカトルカール』

2026年04月14日 03:34
日本ハーブスイーツ協会の、レッドローズとカカオマスのカトルカール

『レッドローズとカカオマスのカトルカール』

このハーブスイーツに使用しているハーブの歴史について、少しお話をさせていただきますね。

お皿の上に広がる、優雅な薔薇の香りとカカオの深いコク。
このひと切れには、はるか昔から人々を魅了し、大切に育まれてきた二つの植物の物語がぎゅっと詰まっています。
まずは、華やかな香りで私たちを癒してくれるレッドローズの歩みから紐解いていきましょう。

薔薇の歴史は非常に古く、地質学的な調査によれば数千万年も前から地球上に存在していたといわれています。
古代ギリシャやローマの時代、薔薇は「愛と美の女神」に捧げられる聖なる花として崇められてきました。

当時の人々は、その美しい姿を愛でるだけでなく、香油を抽出して香水にしたり、花びらを薬として用いたり、さらには祝宴の席を彩る料理のアクセントとしても重宝していたのです。
中世ヨーロッパにおいては、修道院の庭で「薬草」として大切に栽培されるようになります。
厳しい時代の中で、薔薇の持つ芳香や成分は、心身を健やかに保つための貴重な恵みとして、人々の暮らしに寄り添い続けてきました。
長い年月を経て、薔薇は単なる鑑賞用の花という枠を超え、私たちの心と体に安らぎを与えるハーブの女王として定着したのですね。

そして、このお菓子に深みを与えているもう一つの主役が、カカオマスです。
カカオの歴史もまた、神秘に満ち溢れています。
紀元前のメソアメリカ、古代マヤやアステカの文明において、カカオは「神々の食べ物」と呼ばれ、非常に希少で価値の高いものでした。

当時は現代のような甘いチョコレートではなく、スパイスやトウモロコシの粉を混ぜた、少し苦みのある飲み物として親しまれていたそうです。
その効能から、王族や戦士たちのエネルギーの源として、あるいは儀式に欠かせない神聖な供物として、金銭の代わりになるほど大切に扱われてきました。

大航海時代にヨーロッパへ伝わると、貴族たちの間で流行し、やがて砂糖と出会うことで、私たちがよく知る贅沢なスイーツとしての道を歩み始めます。
かつては特別な身分の人しか口にできなかったカカオが、今こうして薔薇の香りと共に、私たちのティータイムを彩ってくれていることに、不思議な縁を感じずにはいられません。

美しさの象徴であるレッドローズと、神聖な力を秘めたカカオマス。
どちらも歴史の中で、人々の心と体を癒し、特別な喜びを与えるものとして愛されてきた共通点があります。

そんな二つのハーブが、バターたっぷりのカトルカールの生地の中で出会い、重なり合うことで、新しい調和が生まれました。
一口ごとに広がる悠久の時の流れに思いを馳せながら、どうぞゆったりとしたひとときをお過ごしください。

詳しいレシピなどは、日本ハーブスイーツ協会の『ハーブスイーツマイスター講座』のホームページにてご紹介しています。

このハーブスイーツの『お菓子とハーブの親和性』についての過去記事はこちら。
https://www.herbsweets-japan.com/blog/171831/



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■まず最初に、全体像を静かに辿りたい方はこちら▼
https://www.herbsweets-japan.com/blog/173534/

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