『フレッシュレモンバームのカトルカール』
このハーブスイーツに使用しているレモンバームが、古くから人々にどのように愛され、重宝されてきたのか、その豊かな歴史についてお話ししましょう。
レモンバームは、地中海沿岸を原産とするシソ科のハーブで、その歴史は数千年前の古代ギリシャやローマ時代まで遡ります。
当時からこのハーブは「生命の万能薬」として尊ばれ、人々の心と体を癒やす存在として暮らしに寄り添ってきました。
学名である「メリッサ」は、ギリシャ語で「ミツバチ」を意味しています。
その名の通り、レモンバームの花が放つ爽やかな香りはミツバチを強く惹きつけるため、養蜂家たちは巣箱の近くにこのハーブを植え、蜂蜜の収穫を助けてもらっていたといいます。
中世ヨーロッパに時代が移ると、レモンバームはさらに特別な存在として注目を集めるようになりました。
特に有名なのが、スイスの医師であり錬金術師でもあったパラケルススによる評価です。
彼はレモンバームを「不老長寿の霊薬」と呼び、このハーブが衰えた活力を取り戻し、記憶力を高め、心を穏やかに整えてくれると信じていました。
当時の貴族や修道士たちは、レモンバームを漬け込んだ「メリッサ水」を愛飲し、日々の健康維持や気分のリフレッシュに役立てていたそうです。
長寿で知られた歴史上の人物たちが、毎日のようにレモンバームのティーを飲んでいたというエピソードも数多く残されています。
これほどまでに長く、そして深く人々に愛されてきたのは、やはりその香りが持つ独特の力にあるのでしょう。
レモンに似た清々しい香りと、草花の持つ優しい甘みが混ざり合ったその風味は、時代を問わず私たちの緊張を解きほぐしてくれます。
そんな歴史あるレモンバームを、贅沢にも摘みたてのフレッシュな状態で刻み、フランスの伝統菓子であるカトルカールに練り込みました。
カトルカールとは、卵、砂糖、バター、小麦粉の4つの材料を同量ずつ使うことから名付けられた、シンプルで奥深い焼き菓子です。
バターの芳醇なコクの中に、刻まれたレモンバームの鮮やかな香りが弾ける瞬間は、まさに歴史の中で人々が求めてきた「癒やしのひととき」そのものです。
一口頬張るごとに、遠い昔の薬草園を吹き抜ける風のような、穏やかで清涼感のある味わいが広がります。
いにしえの知恵と現代のティータイムが重なり合う、優しく贅沢な味わいをどうぞゆっくりとお楽しみください。
詳しいレシピなどは、日本ハーブスイーツ協会の『ハーブスイーツマイスター講座』のホームページにてご紹介しています。
このハーブスイーツの『お菓子とハーブの親和性』についての過去記事はこちら。
https://www.herbsweets-japan.com/blog/171829/
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■まず最初に、全体像を静かに辿りたい方はこちら▼
https://www.herbsweets-japan.com/blog/173534/