『カレンデュラのビスケット』
このハーブスイーツに使用しているハーブの歴史について、少し紐解いてお話ししましょう。
黄金色に輝く花びらが印象的なカレンデュラは、古くから「太陽のハーブ」として世界中で愛されてきました。
その歴史は驚くほど長く、古代ギリシャやローマの時代から、人々の暮らしに寄り添う大切な存在だったのです。
当時の人々は、この鮮やかな色彩を聖母マリアの衣服の色に見立て、「マリーゴールド(マリア様の黄金)」と呼び、慈しんできました。
カレンデュラという名前の由来は、ラテン語で「カレンダー」を意味する言葉にあります。
どの月の初めにも咲いているほど生命力が強く、常に人々の目を楽しませてきたことからその名がついたと言われています。
中世ヨーロッパの修道院の庭では、傷を癒やすための貴重な薬草として欠かさず栽培されていました。
皮膚を健やかに保つ力が信じられていたため、家庭の救急箱のような役割を果たしていたのですね。
また、カレンデュラは「貧乏人のサフラン」という面白い愛称でも親しまれてきました。
高価なサフランの代わりに、その美しい黄色を料理の着色に利用した知恵が、現代の私たちにも受け継がれています。
チーズやバターの色付け、そして今回のように焼き菓子に練り込むことで、心まで明るくなるような色彩を添えてくれます。
ミルしたドライカレンデュラを生地に練り込むと、焼き上がったビスケットには野の花のような素朴で優しい香りが宿ります。
一口かじるたびに、かつての人々がこの花に託した希望や、健やかな日々を願う祈りが伝わってくるようです。
ハーブをお菓子に取り入れることは、単なる風味付け以上の、歴史というスパイスを加えることでもあります。
昔から大切にされてきた植物の力を、こうして現代の私たちがティータイムに楽しめるのは、とても素敵なことだと思いませんか。
この小さなビスケット一枚の中に、何世紀にもわたって受け継がれてきた「癒やしの歴史」がぎゅっと詰まっています。
カレンデュラの黄金色が、あなたの心と体を優しく包み込み、穏やかな時間を届けてくれることでしょう。
歴史を知ることで、いつものハーブスイーツがより一層、愛おしく感じられるかもしれません。
どうぞ、古の人々に思いを馳せながら、ゆっくりとその味わいを楽しんでみてくださいね。
詳しいレシピなどは、日本ハーブスイーツ協会の『ハーブスイーツマイスター講座』のホームページにてご紹介しています。
このハーブスイーツの『お菓子とハーブの親和性』についての過去記事はこちら。
https://www.herbsweets-japan.com/blog/171813/
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■まず最初に、全体像を静かに辿りたい方はこちら▼
https://www.herbsweets-japan.com/blog/173534/