それぞれのハーブの歴史『ワイルドストロベリーとカスタードのマフィン』

2026年04月11日 10:20
日本ハーブスイーツ協会の、ワイルドストロベリーとカスタードのマフィン

『ワイルドストロベリーとカスタードのマフィン』。

このハーブスイーツに使用している、ワイルドストロベリーが人々に愛され重宝されてきた歴史についてお話ししますね。

ワイルドストロベリーは、和名では「エゾヘビイチゴ」と呼ばれ、私たちが普段スーパーで見かける大きな苺の原種の一つとして知られています。
その歴史は驚くほど古く、石器時代の遺跡からも種子が発見されているほど、遥か昔から人類の身近に存在していたハーブです。
古代ローマの時代には、その愛らしい姿と芳醇な香りから「幸運を呼ぶハーブ」として大切にされてきました。
当時は食用としてだけでなく、観賞用や薬用としての側面が強かったようです。

中世ヨーロッパに目を向けると、ワイルドストロベリーは聖母マリアに捧げられる神聖な植物とされていました。
三つに分かれた葉の形が「三位一体」を象徴すると考えられ、キリスト教の芸術作品や教会の彫刻にもその意匠が数多く残されています。
人々はこの小さな実を、純潔や謙虚さのシンボルとして慈しんできたのですね。

また、実だけではなく、葉や根もハーブティーとして重宝されてきました。
「ストロベリーリーフ」として親しまれる葉のお茶は、鉄分などのミネラルを豊富に含み、古くから女性の健康を支える優しい飲み物として暮らしに溶け込んでいたのです。
ヴィクトリア朝時代のイギリスでは、庭にワイルドストロベリーを植えることが流行しました。

「育てると願いが叶う」というロマンチックな言い伝えが広まり、恋に悩む乙女たちがこぞってこのハーブを大切に育てたというエピソードも残っています。
現代でも、英国の有名な陶磁器のデザインに採用されるなど、その可憐な姿は時代を超えて私たちの心を捉えて離しません。

一粒一粒はとても小さいけれど、その中に凝縮された野生の力強い香りと甘酸っぱさは、まさに自然からの贈り物です。
厳しい自然の中で自生するたくましさを持ちながら、どこか儚げで上品な佇まいを見せるワイルドストロベリー。
そんな数千年にわたる豊かな歴史に思いを馳せながら、焼き立てのマフィンを頬張る時間は、きっと心安らぐひとときになるはずです。

古の人々が愛した香りと、とろけるようなカスタードのハーモニーを、どうぞゆっくりとお楽しみください。

詳しいレシピなどは、日本ハーブスイーツ協会の『ハーブスイーツマイスター講座』のホームページにてご紹介しています。

このハーブスイーツの『お菓子とハーブの親和性』についての過去記事はこちら。
https://www.herbsweets-japan.com/blog/171811/




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■まず最初に、全体像を静かに辿りたい方はこちら▼
https://www.herbsweets-japan.com/blog/173534/

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