少しずつ、
夏の空気がやわらいでくる頃。
朝や夕方の風に、
ほんの少しだけ秋の気配が混ざり始めますよね。
そんな季節になると、
私はフレッシュハーブのお菓子を焼きたくなることがあります。
真夏の勢いとは少し違う、
どこか落ち着いた香り。
夏の終わりのハーブには、
そんなやさしい空気がある気がするんです。
ベランダへ出て、
ミントやレモンバームを少し摘む。
葉に触れると、
まだ夏らしい爽やかな香りがふわっと広がる。
その香りを感じると、
「あぁ、今年の夏も終わっていくんだなぁ」
なんて思ったりします。
フレッシュハーブのお菓子作りは、
難しいものではありません。
いつものマフィンに少しハーブを加えたり、
スコーンへ刻んだ葉を混ぜたり。
それだけでも、
季節の空気を感じるおやつになります。
葉を刻んでいる時間も、
私は好きです。
包丁を動かすたびに、
やさしい香りが広がって、
なんだか気持ちまで静かになっていく。
お菓子作りというより、
季節を見送る時間に近いのかもしれません。
夏は、
どうしても慌ただしく過ぎていきますよね。
暑さに追われたり、
気づけば毎日があっという間だったり。
だからこそ、
こうして静かにお菓子を焼く時間があると、
少し呼吸を整えられる気がします。
家のおやつですから、
完璧じゃなくても大丈夫。
少し不揃いでも、
少し焼き色が濃くても、
焼きたての香りがよければ、それだけで嬉しい。
冷たいアイスティーを用意して、
焼きたてをひとつ味見する。
窓から入る少しやわらかくなった風と、
静かな夕方の光。
そんな時間の中で食べるフレッシュハーブのお菓子は、
どこか夏の名残を味わっているような気持ちになります。
季節は少しずつ移り変わっていきますが、
その時々の香りを楽しめるのも、
フレッシュハーブのお菓子作りの魅力なのかもしれませんね。
日本ハーブスイーツ協会
白水
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