『摘みたての香りを、そのままお菓子へ閉じ込めて』

フレッシュハーブ

フレッシュハーブの魅力は、
やっぱり摘みたての香りだと思います。

葉を触れた瞬間に、
ふわっと広がるみずみずしい香り。

あの香りを感じると、
「今日は少し焼こうかな」
と思うことがあります。

ミントの爽やかな香り。
レモンバーベナのやさしい柑橘のような香り。
ローズマリーの少し青い香り。

夏のハーブたちは、
陽の光をたっぷり浴びているせいか、
香りもなんだか元気なんですよね。

その摘みたての葉を刻んで、
生地へそっと混ぜ込む。

それだけで、
焼き上がりの空気が少し変わります。

フレッシュハーブのお菓子作りは、
難しいことをしなくても大丈夫。

いつものマフィン。
いつものスコーン。
いつものクッキー。

そこへ少し香りを添えるだけで、
夏らしい軽やかなおやつになります。

葉を刻む時間も、
私は好きです。

包丁を動かすたびに香りが広がって、
なんだか気持ちが静かになっていく。

お菓子を作っているというより、
季節の空気を味わっている感覚に近いのかもしれません。

焼いている間も、
台所へやさしく香りが漂います。

その空気の中にいるだけで、
少し呼吸が深くなるような気がするんですよね。

家のおやつですから、
完璧じゃなくても大丈夫。

少し不揃いでも、
少し焼き色が濃くても、
焼きたての香りがよければ、それだけで嬉しい。

冷たいアイスティーを用意して、
焼きたてをひとつ味見する。

窓から風が入ってきて、
氷が静かに鳴る。

そんな夏の午後に食べると、
フレッシュハーブのお菓子は、
どこか季節そのものを味わっているような気持ちになります。

摘みたての香りは、
長く残るものではないかもしれません。

だからこそ、
今この瞬間の香りを、
そのままお菓子へ閉じ込める時間が、
なんだか愛おしく感じられるのだと思います。


日本ハーブスイーツ協会
白水


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