〜まえがき〜
ハーブのことを思い浮かべるとき、
香りや味わいよりも先に、ふと色が浮かぶことがあります。
はっきりと名前を言えるわけではないけれど、
イメージの中でにじむような、やわらかな気配として。
それは、葉の緑であったり、花の淡い色であったり、
あるいは乾いたあとに残る、少し落ち着いた色合いかもしれません。
焼き菓子の中に溶け込んだハーブは、
その色をほんの少しだけ変えながら、静かにそこに在ります。
強く主張することはなく、
けれど、全体の空気をやわらかく整えるように。
朝の光の中で見る色と、
夕方の落ち着いた時間に見る色とでは、
同じものであっても、どこか違って感じられることもあります。
それはきっと、色そのものが変わるのではなく、
それを受け取る側の気持ちの静けさが、時間とともに少しだけ移ろうからなのでしょう。
この巡目では、
ひとつひとつのハーブが持つ「色の印象」を、
静かに辿っていきます。
何かを知るためというよりも、
ただ、そこにある色に目を留めてみるような時間として。
読み進めるうちに、
どこかで見たことのある光や、
まだ名前のついていない感覚が、
そっと重なっていくのかもしれません。
日本ハーブスイーツ協会
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