あとがき
〜遠い時間と、いまの台所をつなぐ香り〜
ハーブが歩んできた長い時間をたどってみると、その姿はとても素朴で、そして力強いものだと感じます。
王宮の庭園でも、山あいの小さな村でも。
豪華な食卓でも、慎ましい台所でも。
ハーブは場所を選ばず、人の暮らしに寄り添ってきました。
薬として、保存の知恵として、祈りや祝いの象徴として。
そして、ときにはささやかな甘味の彩りとして。
特別な誰かのためだけではなく、日々を生きる人々のそばで、大切に受け継がれてきた存在なのです。
けれど、歴史というと、どこか遠い出来事のように感じてしまうこともあります。昔の人の話、自分とは関係のない時間。そう思ってしまいがちです。
でも、オーブンの前に立ち、ハーブを刻み、粉と合わせ、香りがふわりと立ちのぼる瞬間。そのひとときは、実はとても静かに、遠い過去とつながっています。
何百年も前の誰かも、きっと同じように、香りを感じながら手を動かしていたはずです。
家族のために。大切な人のために。
あるいは、自分自身をいたわるために。
そう思うと、ハーブスイーツを作る時間が、少しだけ尊いものに感じられませんか。
歴史を知ることは、知識を増やすこと以上に、「いま」の意味を深めてくれます。なぜこの香りが心をほどくのか。なぜ甘さと調和するのか。その背景には、人々の暮らしの積み重ねがあります。
そしてその積み重ねは、ここで途切れるわけではありません。
いま、この台所でハーブを使うあなたも、その物語の続きを紡いでいるのです。
難しく考えなくて大丈夫です。
ほんの少し、香りの向こうにある時間を想像してみる。
それだけで、ひと口の味わいがやわらかく広がります。
どうぞこれからも、ハーブを身近な存在として。
特別すぎず、でも大切に。
遠い時間と、いまの暮らしをつなぐ香りを、ゆっくりと楽しんでください。
日本ハーブスイーツ協会
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■まず最初に、全体像を静かに辿りたい方はこちら▼
https://www.herbsweets-japan.com/blog/173534/
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