『ジャーマンカモミールとオレンジジャムのマフィン』
このハーブスイーツに使用しているハーブが、古くからどのように人々に愛され、大切にされてきたかという歴史についてお話ししますね。
黄金色のジャムが目を引くこのマフィンには、細かくミルしたドライジャーマンカモミールをたっぷりと練り込んでいます。
カモミールは「植物の医者」という愛称があるほど、ハーブの世界では欠かせない存在です。
その歴史は驚くほど古く、古代エジプトの時代まで遡ります。
当時の人々は、太陽神ラーに捧げる聖なるハーブとしてカモミールを崇めていました。
熱を下げ、心を落ち着かせるその不思議な力は、神からの贈り物だと信じられていたのですね。
また、ヨーロッパの家庭では「マザーズハーブ(お母さんのハーブ)」とも呼ばれ、何世代にもわたって家族の心身を癒す万能薬として庭先に植えられてきました。
ピーターラビットのお話の中で、お腹を壊したピーターにお母さんがカモミールティーを淹れてあげる有名なシーンを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
このように、カモミールは常に私たちの暮らしのすぐそばにあり、優しく寄り添ってくれる存在だったのです。
そんな歴史あるカモミールと合わせているのが、太陽の恵みを凝縮したような自家製のオレンジジャムです。
オレンジなどの柑橘類もまた、かつては非常に貴重な果実として珍重されてきました。
特にヨーロッパでは、その輝くような色と芳醇な香りから「黄金のリンゴ」と例えられ、豊穣や純潔のシンボルとして大切にされてきた歴史があります。
貴族たちがこぞってオレンジを育てるための温室「オランジュリー」を作ったことからも、その憧れの強さがうかがえますね。
このマフィンを一口頬張ると、カモミールの持つリンゴに似た優しい野草の香りと、オレンジの瑞々しい甘酸っぱさが口いっぱいに広がります。
それは、古の人々が愛した「大地の癒やし」と「太陽の輝き」を同時に味わうような、贅沢で心温まる体験です。
忙しい毎日のなかで、少しだけ立ち止まって自分を労わりたいとき。
はるか昔から人々を癒してきたハーブの歴史に思いを馳せながら、このマフィンをゆっくりと味わってみてください。
ハーブが持つ優しさが、あなたの心と体をふんわりと解きほぐしてくれるはずですよ。
詳しいレシピなどは、日本ハーブスイーツ協会の『ハーブスイーツマイスター講座』のホームページにてご紹介しています。
このハーブスイーツの『お菓子とハーブの親和性』についての過去記事はこちら。
https://www.herbsweets-japan.com/blog/171805/
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■まず最初に、全体像を静かに辿りたい方はこちら▼
https://www.herbsweets-japan.com/blog/173534/