ハーブスイーツに込めた想い

2025年08月17日 16:10
日本スイーツ協会


私たちが“ハーブスイーツ”に込めた想い

〜花や葉が、お菓子に変わる〜




ハーブを使ったスイーツ、と聞くと
「なんだかおしゃれで特別なもの」と思われるかもしれません。

けれど私たちにとってのハーブスイーツは、
もっと日常の中にある、素朴で静かなごちそうです。

見た目の華やかさだけではなく、
素材の背後にある“自然のちから”をお菓子にのせて届ける。
その営みこそが、私たちがこの道を歩み続けている理由です。




私はもともとハーブに興味を持っていたわけではなく、ただただ仕事に追われる日々を過ごしていました。
仕事はとても刺激的で達成感はあるけど、だんだんと癒やしきれない疲労感により、身体は少しずつ悲鳴をあげ始めていました。

そんな折、息子の妊娠をきっかけに自然農やハーブの世界に触れることになりました。

ハーブティーを楽しみ、土を触り、季節の巡りを肌で感じ、植物の生命力に寄り添うように暮らす日々。

ハーブは、ただの香りや彩りではありませんでした。
心を落ち着かせ、身体を整えてくれる、とても優しい存在でした。


お菓子が、ちいさな“くすり”になる

私は、今は教室講師を主な仕事にしていますが、もともとは20年以上お菓子に関わってきたパティシエールです。


けれど、ハーブに出会ってからというもの、
お菓子の役割が少しずつ変わっていきました。

ただ甘くておいしいものを届けるのではなく、
「食べることで心と身体が整う」ものにしたい。

ラベンダーで心をほどく。
ローズマリーで意志を立て直す。
レモンバームで、眠りにつく前の静けさを整える。

そんなふうに、
お菓子がほんの少しだけ、暮らしの役に立つことができたなら。
それは、パティシエールとしてとても幸せなことです。




ハーブは“自分を取り戻す”きっかけになる

講座の中では、
スイーツの作り方や材料の知識だけでなく、
ハーブの香りや役割についても丁寧にお伝えしています。

というのも、ハーブの香りには、
「私って、こんな香りが好きだったんだ」
「この香り、なんだか気力が出そう」
そんな“自分に還る力”があると感じているからです。

誰かに合わせるのではなく、
自分が心地よいと感じる香りを選ぶ。

その行為そのものが、
自分を大切にする練習になるのだと思います。




美味しさ以上のものを、届けたい

私たちは、ハーブスイーツを広めたいという気持ちの他に、ハーブスイーツという表現を通して、その人自身が自分と出会い直すきっかけになればいいな、と願っています。

特別な技術や道具がなくてもいい。
見栄えの良さを競う必要もない。

ただ、「自分のために、やってみたい」
その気持ちさえあれば、十分です。

植物と向き合いながら、手を動かすうちに、
日々の慌ただしさや、誰かの価値観から、
少しずつ自由になっていく。

そんな講座でありたいと、心から願っています。

白水亜樹

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